Amazon“ステマレビュー”を見抜く方法 「家電批評」編集者が教える具体的事例

Amazonのステマレビュー見抜き方 Amazonではステマの依頼・受ける行為も共に禁止

記事まとめ

  • Amazonで購入時に参考にされるレビューに、『ステマレビュー』が蔓延しているという
  • ステマレビューが書かれるのは中国製が多く、機械翻訳されたような文面が多いらしい
  • また、アカウント名が日本名になっていることが多いのも、ステマレビューの特徴と指摘

Amazon“ステマレビュー”を見抜く方法 「家電批評」編集者が教える具体的事例

Amazon“ステマレビュー”を見抜く方法 「家電批評」編集者が教える具体的事例

Amazon“ステマレビュー”を見抜く方法とは?(※画像はイメージ)

 ネット通販で似たような商品がある場合、参考にするのがレビューだ。特に国内シェアナンバーワンのAmazonのレビューは影響力が大きい。ところが、近年、このレビューの信頼性に疑問符が付くケースが散見されるようになった。いわゆる“ステマ”レビューがAmazonに蔓延しているというのだ。本物のレビューとステマを見分けるコツはあるのだろうか?

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 総務省「情報通信白書」2016年版の20代から60代を対象にした調査では、ほとんどの世代で7割以上の人が、「ネットショップで購入する際にレビューを参考にしている」と回答した。

 しかし、家電機器の専門誌「家電批評」(晋遊舎)の編集者である松下泰斗氏は、最近、Amazonの販売ページに掲載されているレビューを見て「怪しい」と気づくことが多いという。

「通販サイトの中で、Amazonは、ステマレビューの数が圧倒的に多いように感じます。楽天市場などにもないことはありませんが、やはり利用者数や販売数が多いAmazonに注力したほうが費用対効果は良いということなのでしょう」(松下氏、以下同)

 ステマレビューとは、商品の無償提供や割引などの報酬と交換条件に企業がネットユーザーから不正に集める評価コメントのこと。たとえば、A社が「健康器具B」という商品をAmazonで売るために“さくら”を雇い、彼らに「A社の健康器具Bは素晴らしい」というレビューを書かせる、といった具合だ。

 Facebookで「アマゾンレビュー 募集中」などと検索すれば、レビューを集める企業(販売者)と、レビューを書きたいユーザーが取引できるグループが、いくつも出てくる。

 あるいは、次のような形で企業からステマレビュー依頼が届くこともある。

「Amazonでいくつもレビューを投稿していると、『トップカスタマーレビュワー』というレビュワーのランキングに掲載されるようになるのですが、プロフィールのページで連絡先を掲載してあると、企業からのレビュー依頼が大量に届くようになるのです」

 もちろんAmazonではステマを依頼する、受ける行為も共に禁止している。にもかかわらず、ステマレビューは後を絶たないのだ。


■多いのは中国製、巧みな日本語も


 松下氏は、ステマレビューが書かれる製品には、次のような傾向があるという。

「一発でステマだと分かるのは、中国製のノーブランドなのに数百ものレビューが付いていたり、それらがすべて星5つになっている商品。この手のステマは、ブルートゥースイヤフォン、スマホのレンズやバッテリーといったデジタルガジェット系が多く、ほとんどは中国か台湾の製品です。日本や韓国の製品のステマは、まずありません」

 また、ステマレビューの文面には、こんな特徴もあるという。

「レビューの内容は、おそらく機械翻訳で日本語にしたのだと思われる、崩れた文面が多いです。また、『山田太郎』のようにアカウント名が日本名になっていることが多いのもステマレビューの特徴です。日本人は本名でアカウントを登録することは、まずありませんから、ズラッと日本名のアカウントが並んでいると、一見して奇異な印象を持たれると思います」

 一方、日本語がこなれているレビューの中にもステマは存在するようだ。

「レビューの中には、『これはメーカーからもらった商品ですが…』と但し書き付きで、堪能な日本語で書かれている商品もあるのですが、これもステマの一種だと思います」

 ところで、ステマレビューを書いたレビュワーには企業からどんな見返りがあるのだろうか。

「企業から打診されるステマレビューの条件は、『レビューを書いてもらえれば、商品を無料でさしあげます』というものがほとんどで、報酬が支払われるということは聞いたことがありません。レビュワーの中には『相手は中国企業だから、何もしてこない』と高をくくって、商品をもらえるだけもらってレビューを書かない人もいます」

 ステマを依頼する販売者は購入者を騙し、ときにステマレビュワーは販売者を騙す、といったいびつな関係があるようだが、いずれにせよ、購入者が一番の被害者であることは間違いない。


■全部星5つはNG、F型の分布こそ理想


 ステマがいくら巧妙化しても、利用者がそれを見抜くことは不可能ではない。

「Amazonで良い商品を見分ける一番おすすめの方法は、レビューの分布を見ることです。Amazonの販売ページには、星の分布表が掲載されています。これを見て、もし星5つが一番多く、その次に星4つ、次に星3つという具合に評価が高くて自然な分布になっている商品は、信頼性が高いと言えるでしょう」

 星5つの評価が最も多く、星4つ以下が徐々に減っているレビューの分布を、松下氏は“F型”と呼んでいるという。Fというアルファベット文字の形状ように、横に伸びた棒(★)が下にいくにつれて短く(少なく)なる分布のことだ。

「星5つと星1つが多い商品は、初期不良があってそもそも商品が使えなかった人が多いということを意味しているので、避けるのがベターです。100個以上レビューが付いているのに、すべて星5つという商品はステマの可能性が高いので、注意しましょう。また、レビューが怪しいと思ったら、レビュワーのプロフィールを見ることも大切。同じ会社の商品ばかりレビューをしていたら、疑ったほうがいいと思います」

 今や世代を超えてネットショッピングは当たり前の商習慣になりつつあり、その中でもAmazonは最も利用者数の多いインフラ的存在だ。しかし、ネットリテラシーの低いユーザーにとっては、諸刃の剣になることも肝に銘じておきたいところだ。

取材・文/星野陽平(清談社)

週刊新潮WEB取材班

2019年5月15日 掲載

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