受験失敗、昼夜逆転、幼児に性的関心、トイレ籠城…ひきこもり危険シグナル一覧

 極めて深刻化している、80代の親に50代のひきこもりがいる世帯の困窮と孤立、「8050問題」。それがいつ「我が家」に襲い掛かってきても不思議ではない。そのいざという時に備えて、注意すべきひきこもりの危険シグナルを紹介する。

 何もなかったのに、ある日突然ひきこもりが始まるということはない。何事にも兆候が存在するものだ。

 家族問題カウンセラーの山脇由貴子氏が説明する。

「一見、何の問題もなく、むしろ優秀と見られていたのに、高校や大学で友だちが作れなかったり、受験や就職で挫折してしまう子は少なくありません。彼らの親は教育熱心で、子どもにしっかりとレールを敷いてあげようとする過保護なタイプが多い。そういった環境で育った子が挫折を味わうと、優秀と言われてきた分、初めての挫折のショックが大きく、人と関わる意欲を失い、ひきこもりになってしまうんです」

 そうやって家に閉じこもる生活が始まると、次のようなライフスタイルに突入してしまう。

「ひきこもりの度合いに関係なく、ほとんどのケースで共通しているのは昼夜逆転の生活です。これは人目を避けるためであり、家族と顔を合わせない目的も含まれた行動です」(『「子供を殺してください」という親たち』などの著書がある(株)トキワ精神保健事務所の押川剛氏)


■「拭いても拭いても」


「東京家族ラボ」主宰の池内ひろ美氏が続ける。

「どんどん夜型になって、生活も不規則化し、1日2食で食前食後にオヤツというパターンが多く、部屋にコーラやお菓子がたくさん転がっているケースが散見される。その結果太ってしまい、ますます外に出たくなくなる傾向も見られます」

 こうした悪循環に陥ったひきこもりの多くは、

「起きている間中、ずっとネットやゲームをやるようになります。ネットを通じて仲間を探し、あくまでネット上のものではありますが、友だちを作ることで、孤独感を誤魔化すことができるからです」(山脇氏)

 また必然的に、

「彼らは食品をはじめ、フィギュアやゲームなど、好きなものをネットで購入します。もちろん、支払いは親の金です。なかでも、幼児モノのアダルトDVDや写真集を買う人が多い。ひきこもりの人は他人とのコミュニケーションがとれないので、男性であれば同世代の女性と話すこともできませんし、恐怖の対象にさえなる。そのため、自分よりも弱い存在である幼児に性的関心が向かう人も、中にはいるんです」(押川氏)

 そして症状が高じると、

「強迫性障害によって、お尻を拭いても拭いても綺麗になったと思えず、長時間トイレにこもるようになるケースも見られます。自宅のトイレを占拠し、家族に近くのコンビニのトイレを使うよう命令するひきこもりもいました。トイレを支配することで、親子の支配関係が逆転していくことが非常に多いんです」(同)

 排泄の場が、親排除のきっかけの場に……。ひきこもり問題においては、たかがトイレ、されどトイレなのである。

「週刊新潮」2019年6月13日号 掲載

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