靖国神社「55歳祭儀課長」の神をも恐れぬ「セクハラ行為」一部始終

■「靖国神社」の神をも恐れぬ「ハレンチ動画」(1/2)


 数多(あまた)の英霊たちが眠る靖国神社。その社(やしろ)を支える神職は、日々身を律して神に仕えているに違いない――。そんな期待が木端微塵に打ち砕かれる醜聞が発覚した。同神社の幹部職員による数々のセクハラが明るみに出たのだ。これぞ神をも恐れぬハレンチ行為である。

 ***

〈♪山が燃える〜〉

 うす暗いカラオケスナックの店内に、石川さゆりの「天城越え」が鳴り響く。

〈♪戻れなくてももういいの〜〉

 ここでソファーに座っていた中年男性が思わぬ行動に出る。右隣の若い女性の肩を抱き、彼女の二の腕を揉み揉みしつつ自らのほうに抱き寄せたのだ(写真(1)参照)。

 彼女は眉間に皺を寄せ、嫌がっている。その証拠に、中年男性の部下である彼女の上体は反(そ)り返っている。彼と距離をとりたがっていることがよく分かる。

 しかし、抗(あらが)い切ることなどできやしないと高を括(くく)っているのであろう中年男性は、彼女の二の腕をガッと掴んだままマイクを渡し、無理に歌わせる。

〈♪くらくら燃える地を這って〜〉

 観念した様子の彼女は、「天城越え」に参加する。

〈♪あなたと越えたい〜〉

 曲がクライマックスに差し掛かろうとしたその瞬間だった。中年男性の手が、女性の二の腕から胸のほうへと下がっていった。彼女は、彼の腕の中に包まれたまま高音を絞り出さなければならなかった。

〈♪天城越え〜〉

 カラオケを強いるというパワハラを働いた上でのセクハラ。その中年男性は間違いなく「一線越え」をしていた。彼の正体は、本来、最も神聖な立ち居振る舞いが求められるはずの、靖国神社の幹部職員だった――。


■55歳の祭儀課長


〈未来へつなぐ 靖國の心/靖國神社御創立150年記念事業〉

 東京都・九段。都心の一画に広大な敷地を誇る靖国神社には、現在このような看板が立てられている。1869年6月29日、明治天皇の思し召しによって建てられた同神社は、先月末、創建150年という節目を迎えた。その直後の7月13日から16日まで行われた靖国神社の「みたままつり」は、創建150年の記念であると同時に、令和初のまつりということもあり、生憎(あいにく)の空模様ながら賑わった。

 浴衣姿の子どもがかき氷を食べながら、父親に肩車されて参道を散策する姿があれば、本殿で頭を深く垂れ、沈思黙考しているご老人もいる。いずれも、荘厳な靖国神社の空気に浸っていた。だが、彼らの信心は弄(もてあそ)ばれ、踏みにじられたと言えよう。靖国神社に眠る、国のために命を捧げた246万余の御霊を汚す行為が、当の神社の職員によって行われていたのだから。先に紹介した何ともハレンチなセクハラ行為のことである。

「問題のセクハラは、今年の春、靖国神社の職員たちの歓送迎会で行われたものです」

 と、同神社の関係者が声を潜める。

「セクハラしているのは、55歳で妻子持ちの祭儀課長です。祭儀課長とは、靖国神社にとって最重要とも言うべき春秋の例大祭の現場責任者で、246万余の御霊のデータベースを管理する責任者でもある。英霊を慰めるための祝詞(のりと)に関わる立場でもあり、靖国神社における祭祀の中心人物のひとりと言えます」

 そんな「神聖」なポジションにある幹部職員がセクハラに手を染めているとは俄(にわ)かには信じ難いことだが、これは紛う方なき事実である。なにしろ、先のセクハラ場面には「動画」という証拠が残されているのだ。しかも、祭儀課長によるセクハラはこの場面だけに限らない。

 では早速、「余罪」を見てみよう。

■「昭和のセクハラおやじ」


〈♪俺はまだ馬鹿と呼ばれているか〜〉

 冒頭のセクハラ場面とは別日で、やはり「靖国神社の歓送迎会で場所はカラオケスナック」(同)。

〈♪俺はまだまだ恨まれているか〜〉

 若い男性が尾崎豊の「シェリー」を熱唱するなか、祭儀課長はソファーに腰を沈めている。

〈♪俺に愛される資格はあるか〜〉

 すると、祭儀課長は左隣に座った20代の女性の右手を握り始める。女性は怯えた様子で、抵抗することもできずに耐えている。祭儀課長が彼女に〈愛される資格〉は1ミリもなかった。

〈♪俺は決してまちがっていないか〜〉

 祭儀課長は自らの両手で女性の右手をムンズと掴む。そして、あろうことかスリスリ、スリスリと女性の手を執拗(しつよう)に撫でるのだった(写真(2)参照)。彼は完全に〈まちがって〉いた。

〈♪俺は真実へと歩いているかい〜〉

 セクハラをエスカレートさせる祭儀課長は、ついに女性の右手を自らの股間付近に引き寄せた。そこには混じり気なし、純度100%のセクハラという〈真実〉のみが存在していた。

 さらにもう一場面。

〈♪悲しみの時間(とき)は過ぎるけど〜〉

 今度は、祭儀課長自身が若い女性とサザンオールスターズの「涙のキッス」をデュエットしている。既に彼の右手は、右隣の女性の右肩に回されている。またしてもセクハラという〈悲しみの時間〉が訪れていた。

〈♪きっと明日の夢は見ない〜〉

 祭儀課長の手は、女性の肩から腰、そしてお尻付近へと下がっていく(写真(3)参照)。その淫(みだ)らな光景には、〈明日の夢〉も何もあったものではなかった……。

 以上、祭儀課長の「代表的」なセクハラ場面を紹介したが、ハレンチ行為はこれ以外も数多く存在し、全てに証拠が残っている。なお、セクハラ現場は「祭儀課長行きつけの店」(靖国神社事情通)だという。そして驚くべきことに、紹介した3例の被害女性は、いずれも別人なのだ。つまり、祭儀課長は部下の女性に片っ端からセクハラを繰り返しているのである。

「カラオケスナックという暗く、且(か)つ狭く閉じられた空間、しかも自分の行きつけという『ホームグラウンド』で事に及ぶ……。計算高い昭和のセクハラおやじの典型と言えます」

 こう指摘するのは、セクハラ問題に詳しい板倉由実弁護士だ。

「彼の行為は、議論の余地なく明白なセクハラです。全く業務上の必要性がない行為である上に、上下関係があって逆らえないと分かっている相手の身体を触るのは卑劣であり、悪質な性的暴力と言えます。お酒の席だからといって許されるはずもなく、この程度の身体接触は許容範囲という感覚は、今の時代は通用しません。触られた本人はもちろん、それを見せられた周りの人にも苦痛を与える行為であり、就労環境も悪化します」

 要は完全にアウトなのだ。

 流出した動画によって明らかになった靖国神社の恥部。だが、この祭儀課長の存在は、セクハラに留まらない同神社の暗部を象徴しているのだった――。

(2)へつづく

「週刊新潮」2019年7月25日号 掲載

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