神戸・大丸での自衛隊イベントを中止に追い込んだ「新日本婦人の会」の正体

 神戸市須磨区にある大丸須磨店では、夏の子供向けイベント「夏休みパラダイス in須磨」を計画、7月27日と28日には、「防衛省 自衛隊の車両がやってくる」として、自衛隊車両(小型トラック)の展示や自衛隊の制服の試着、写真撮影を計画していた。ところが、7月26日、いきなり中止が発表されたのだ。

 大丸須磨店は、イベント中止のお知らせを告知した。

「諸般の事情により、急遽中止させていただくこととなりました。お客様には大変ご迷惑をおかけすることとなり、誠に申し訳ございません」

 自衛隊のイベントを中止に追い込んだのは、「新日本婦人の会(以下、新婦人)」の須磨支部である。

 イベントが中止されると、新婦人はツイッターで、

〈#新婦人須磨支部 朗報 須磨大丸の夏休みイベントに自衛隊ブースが出ることを折込チラシで発見!すぐ地元から10人(竜が台班、ぶどう班、須磨支部)で「百貨店は子どもから高齢者まで利用する。主旨にそぐわない」と中止を申し入れ。翌日に中止すると連絡があり、店に貼紙も〉

 この投稿で、ツイッターは騒然となった。「いいね」も集まったが、

〈朗報ではない!勝手すぎる。子供たちは自衛隊を知る権利がある。親の導きで自衛隊を排除したいのか?国防、災害派遣について考えた事がないだろ!ましてや須磨は震災で大変だった地域だぞ〉

〈信じられない・・・!!自然災害での救助活動、豚コレラや鳥インフルで死んだ動物の処理など、一般人には従事できないお仕事をされている尊い自衛隊の皆様に対する弾圧、恥ずかしく無いのでしょうか!?あなた方がそういった団体であること・・・しっかり覚えました!!〉

〈共産主義者による自衛隊への職業差別・弾圧行為に強く抗議します〉

 と批判的な意見も多数寄せられ、ネット上は議論百出となった。そもそも新婦人は、
「会長は、共産党衆議院議員の笠井亮夫人です。共産党の別動隊みたいなもので、結構大きな組織です。会員には党員ではなく共産党シンパもいますが、とにかく“人権”“平和”、それしか言うことがない、とんちんかんな組織ですよ」

 と語るのは、元共産党の参院議員で政治評論家の筆坂秀世氏だ。

「神戸市の自衛隊イベントだけでなく、講談社が出した図鑑にも噛み付いていましたね。とにかく、新婦人は自衛隊をヒステリックに嫌っているんです」

 昨年11月、講談社ビーシーが幼児向けの乗り物図鑑「はじめてのはたらくくるま」を出版したところ、図鑑の中に護衛艦やステルス戦闘機、潜水艦などを掲載されていたため、今年4月に新日本の会の会員が同社へ抗議に行ったという。講談社ビーシーは、7月22日に、乗り物図鑑の今後の増刷を行わないことを発表している。

“前科”はまだある。

 昨年8月20日、21日に埼玉県鴻巣市の「エルミこうのすショッピングモール」でイベント「夏休み特別企画!自衛隊と警察ふれあいフェスタ2018」が計画されていた。自衛隊の子供用迷彩服の試着体験、軽装甲機動車の展示などが行われる予定だったが、新日本婦人の会鴻巣支部、日本共産党鴻巣市議団などが抗議したため、これも中止に追い込まれている。


■共産党の歴史を知らない


 新日本婦人の会は、1962年設立。女性と子供の権利・生活向上、平和、護憲を目的とした任意団体で、メンバーは20万人(880支部)にも及ぶ。韓国人慰安婦への謝罪と賠償を求める運動を国際的に展開したり、オスプレイの配備、辺野古への米軍基地移転に反対している。機関紙「新婦人しんぶん」(週刊)や「月刊女性&運動」を発行している。

「自衛隊をそこまで忌み嫌っているのなら、自衛隊解散の運動をやってみたらいい。それをやらないのは、世間では受け入れられないとわかっているからでしょう」

 と、先の筆坂氏が続ける。

「そもそも、新婦人の人たちは、共産党の歴史を知っているのでしょうか。共産党はもともと、中立、自衛の立場で、軍隊を持つべきとの立場でした。そして、憲法9条には反対でした。野坂参三共産党元議長は、9条について真っ向から反対する演説をしていますよ。ところが、共産党の地方議員でさえ、そのことは知らない人が多い。まして新婦人は、なにもわかっていないでしょうね。憲法9条は“世界の宝”と書いたプラカードを掲げて憲法擁護のデモ行進をしているんですからね」

 共産党は、現憲法が制定された時(1946年11月3日)、政党として唯一反対した。国の独立には自衛権と軍事力が必要と表明し、野坂は9条について、「われわれは、このような平和主義の空文を弄する代わりに、今日の日本にとって相応しい、また実質的な態度をとるべきであると考える。(中略)それゆえに我が党は民族独立の為にこの憲法に反対しなければならない」と、演説している。

「彼女たちは、戦争では丸腰になると主張し、安全保障などという考えは持ち合わせていない。こんな団体から抗議を受けたからって、本来は屈服してはいけません。せっかく自衛隊を呼ぶのだったら、事前に、抗議が来ることも想定して、論破できるよう準備しておくべきでしたね」(同)

週刊新潮WEB取材班

2019年8月1日号 掲載

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