悠仁さまの「帝王学」「お妃探し」はどうすべき?  小室問題に見る結婚相手の探し方

 悠仁さまお一人の肩にかかる、天皇の男系男子継承というテーマ。帝王学の伝授、そしてお妃探しはどうあるべきか。これについて評論家の八幡和郎氏は、結婚されて子作り子育ても一段落されるまでは即位を避けるべき、と提言する。今上陛下からの直接の悠仁さまへの継承、またはベルギー王室に倣った、秋篠宮様の“ショートリリーフ”の即位が考えられるという。

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■「悠仁さま」の「帝王学」と「お妃探し」――八幡和郎(2/2)


 論者のなかには、悠仁さまを両陛下の養子同様にすべきという極論をいう人もいる。しかし、無理にそうするのは人の道に反することのように思う。ただ、秋篠宮家におまかせしておけばいいというものではない。進路などについても陛下に相談があってしかるべきだし、生きた帝王教育を授けていくためにも、悠仁さまが陛下と過ごされる時間をいまから頻繁にとり、また、行事や行幸に同席・同行していただくのも大事なことだ。

 今上陛下と秋篠宮さまについて、その見識などがどちらがどうであるかは存じあげないが、行幸の際などに長い時間を過ごしたある知事経験者は、言葉遣いや物腰などにおいて、今上陛下が備えておられる帝王としての雰囲気が秋篠宮さまにはないという。秋篠宮さま自身も自分は天皇となる教育を受けていないと仰っているが、そういうことだろう。

 また、知識としての帝王学の習得、そして、お妃選びということについては、多くの人が小泉信三に当たる人を早く選任すべきだといい、大学の学長経験者などがいいともいわれている。

 しかし、私は社会が複雑化しているのだから一人の人物にまかすのには無理があると思う。大学関係者もいればいいが、それと同時に、たとえば旧皇族も含めた旧華族出身者、旧華族だけでなく民間人も含めたエスタブリッシュメントに顔の広い女性、海外の王室に詳しい外交官、広い意味でのジャーナリスト、皇室問題の専門家、頭の固い裁判官や検事でなく世情に通じた弁護士、医者、心理学の専門家、人事などの経験が豊富な民間企業関係者や財界人などの知恵も必要であろうと思う。これまで宮内庁参与として相談にあずかってきたベテラン官僚、法曹関係者、政治学者などでなく世知に長けた人が必要だ。

 コアになるべきなのは数人だろうが、その人たちの相談相手として上記のような専門家を配したらいい。また、長期戦なのだから、比較的、若い人もいた方がよいと思う。大正天皇は、17歳年上の有栖川宮威仁(たけひと)親王が兄役の輔導となってから状況が改善した。

 お妃探しについては、いわゆるお見合い的なものに限らず、ホームパーティー、文化行事やスポーツを通じての交流や旅行など、さまざまな機会に、無理なく女性と知り合うチャンスを広げなければと思う。

 今上陛下はなかなかそういう機会を持てなかったとお聞きするし、お妃問題が出てからは、候補となるべき女性とお会いいただこうとしても、マスコミがお妃候補として先回りして報道するので会うことさえ辞退されるなど、候補の幅を広げられなかった。だから、悠仁さまにおかれては、同年代の女性と自然に会われる機会をもたれ、そこから可能性が広がった方がよい。

 眞子さまは、学校の友人以外はほとんど同年代の男性に会われる機会がないといういわば無菌状態で育たれた結果が、今回の事態を引き起こしたように思える。悠仁さまにはその轍を踏んでいただきたくはない。


■成人したらすぐご結婚を


 悠仁さまの場合には、子作りが結婚の第一の目的でないなどというきれいごとを言うべきではない。お相手の家族の状況なども含めて、少しでも皇統維持の確実性に配慮すべきだとあえて言いたい。

 大正天皇のお妃選びの時は、健康上やや不安があるとして候補者の差し替えまでしたし、昭和天皇やその弟宮たちの結婚相手探しにあっては、貞明皇后ご自身が学習院で授業参観を繰り返して候補を探されたのである。

 そういう努力は報われたが、その後、同様の努力をしなかったつけがいま、皇室の未来に重くのしかかっているのだ。

 お妃候補は、新旧の皇后陛下のように際だって優れた能力を追い求めるよりは、安定した体力とタフな精神や行動力をもつ女性であることが大事だ。そして、年齢も、先例から見ても少しくらい年上でもいい。悠仁さまには成人されたらすぐにでも結婚していただきたいものであるし、留学されるとしても、ご家族とともに行かれればいいのである。

 そして、願わくは、今上陛下が80歳となられ悠仁さまが30歳を少し超えられるころに、安心して即位できる環境が整っていれば、今上陛下から直接のバトンタッチもできるだろう。上皇陛下が80歳を超えても在位されたことは、退位という制度を設ける前提なら少し遅すぎた。

 また、上記のようなご結婚相手探しの態勢は、愛子さま、佳子さま、それから小室氏との関係を白紙にした場合の眞子さま、さらには、まだ独身である三笠宮家や高円宮家の女王様たちの縁談の際にも有用だし、予行練習しておいていただきたいものだ。

 そして、こうした構想を進めるためには、私は今上陛下と時の首相がしっかり話し合って事を進めるべきだと思う。明治以来、政治家の最大の仕事のひとつは皇室を上手に機能させることであったし、ヨーロッパの君主国などはいまもそうだ。

 ところが戦後にあっては、天皇陛下やほかの皇族と、首相をはじめ政府首脳とが濃密に意見交換をされる機会がなくなって、宮内庁長官などを介しての「間接話法」に留まり、甚だしくは側近と言われるご学友やお気に入りのジャーナリストによるリークが実質的な意思疎通の方法であったりする。

 女王と首相が頻繁に意思疎通しているイギリスなどの例を、今上陛下はよくご存じだ。陛下は首相に言いたいことをおっしゃればいいと思う。ただし、それを首相はいっさい漏らすべきでなく、陛下のご希望などとはおくびにも出さずに、「玉座を以て胸壁にすることなく」首相の責任において判断し処理すべきである。皇室をめぐるすべての問題について、それが当てはまるのではないかと思う。

八幡和郎(やわた・かずお)
評論家。1951年滋賀県生まれ。東大法学部卒。通産省に入り、大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任。徳島文理大学教授。著書に『誤解だらけの皇位継承の真実』『令和日本史記』など。

2019年5月23日号 掲載

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