「紀州のドン・ファン」遺産争いに新展開、取り分目減りでも幼な妻が微笑むワケ

 怪死事件に端を発した騒動にまたしても新展開である。「紀州のドン・ファン」こと野崎幸助氏(享年77)の遺産争いに、今度は故人の地元・和歌山県田辺市が参戦。しかし、取り分が目減りするはずの「幼な妻」は歯噛みどころか、微笑を浮かべているようで……。

 期せずして巨額の遺産が転がり込みそうな田辺市の市議はこう呟くのだ。

「ちょうど市庁舎も建て替えるし、“遺産”が建設費の足しになれば有り難いわな」

 今月13日、田辺市は野崎氏の遺産を寄付として受け取る方針を明らかにした。

 地元記者によれば、

「野崎さんの死後、彼の会社の元役員が遺言書の存在を明らかにしました。書面には2013年2月8日の日付で“全財産を田辺市にキフする”と綴られていた。まもなく和歌山家裁田辺支部は遺言書が形式を満たしていると判断。相続財産管理人の弁護士が遺産総額を算定していたのです」

 結果、預貯金や有価証券などから負債を差し引き、約13億2千万円という金額が弾き出された。市側は弁護士費用など、今後の手続きに絡む約6500万円を補正予算に計上済みだ。

 とはいえ、22歳で夫に先立たれた野崎氏の幼な妻は心中穏やかではなかろう。何しろ、本来は遺産の「4分の3」が懐に入るところ、市に寄付となれば受け取れるのは遺留分に相当する遺産全体の「2分の1」だけとなる。ところが、

「奥さんは遺産の半分が貰えれば十分と考えているようです。社長の兄弟姉妹には遺留分が認められないので、遺産分割で揉めることもありませんからね」

 そう明かすのは野崎氏の会社関係者である。


■捜査も継続中


 わずか3カ月の結婚生活で6億円以上が転がり込むと考えれば、彼女が異議を唱えないのも頷ける話だ。その一方で、野崎氏の兄弟など、他の遺族たちは収まらない。

「遺産の取り分がゼロになることに加え、奥さんのふるまいにも我慢ができなくなった。彼女は亡くなった社長の会社の代表に就任して従業員を退職させ、7千万円もの役員報酬を先食いしていた。業を煮やした遺族は、遺言書の真贋を怪しみ、裁判所に無効を申し立てているのです」(同)

 また、野崎氏の急性覚醒剤中毒による怪死についても捜査は継続中。未亡人と共に遺体の第一発見者となった家政婦が語るには、

「今月上旬に改めて麻布署に呼ばれたんです。和歌山県警の刑事も2人いて、社長と奥さんとのトラブルについて詳しく尋ねられました。社長は結婚式を挙げたかったものの、奥さんが頑として拒否するので何度も口論に。それこそ亡くなる直前まで揉めていました。そのことも伝えています」

 田辺市長は、「遺言書が有効なものという前提で準備している状況」と言うが、

「13億円は、会社の会計担当者の情報から算出した金額。他に借金がないとは言い切れない」(先の関係者)

 大いなる遺産は大いなる誤算となるか。最終章の幕は上がったばかりである。

「週刊新潮」2019年9月26日号 掲載

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