埼玉小4殺人・ヒモ継父に殺害された少年の親族が明かす「母と前夫の親権争い」

 愛しい我が子を失い、人生を共に連れ添う契りを結んだ夫にも裏切られた。遺された母親の心中は察するに余りあるが、世間では悲劇の元凶である進藤悠介容疑者(32)との“格差婚”に、注目が集まる格好となった。

 亡くなった埼玉県さいたま市立大谷小学校4年生の遼佑くん(9)の母(42)は、県内の公立高校に勤める養護教諭。片や彼女より10歳下の継父は、定職に就かず家の留守を預かる代わりに、さいたま市見沼区の県が管理する教職員住宅で夜露を凌ぐことができた。

 にもかかわらず、彼は妻が不在の間に幼い子供を護るどころか、遺体を遺棄して隠蔽するという愚挙に出たのだ。

 ことの発端は9月17日に遡る。夜になっても帰宅しない息子の身を案じた母親は、警察に行方不明者届を出すに至った。すぐさま県警が付近を一斉に捜索したところ、翌18日午前0時半過ぎ、変わり果てた姿の遼佑くんが発見されたのだ。

 あろうことか、発見されたのは一家が住む集合住宅の建物内。自宅向かいの空き部屋の横に設けられた電気や水道の設備を収納するメーターボックスの中だった。検針用の計器が並ぶ暗く狭いスペースに、座って倒れ込むような形で少年は息絶えていたのである。着衣の乱れはなかったが、死因は窒息死で、首には絞められた痕がうっすら浮かび上がっていたという。

 直ちに殺人事件として所轄の大宮東警察署に特別捜査班が設けられ、悠介容疑者に事情を尋ねたところ、事件発生から2日後の19日に犯行を自供したため、死体遺棄容疑で逮捕に至った。

「県警は、当初から継父である悠介容疑者の犯行を疑い捜査を始めていました」

 と話すのは、事件を取材している県警担当記者。

「通っていた大谷小から自宅まで歩いて10分ほどですが、途中の防犯カメラには下校する被害少年の様子が記録されていたそうです。また自宅にランドセルがあったことから、帰宅したところまでは足取りを掴めたのですが、問題はそこから。悠介容疑者は、母親や警官にも、『息子が英語塾に通うので見送った』と説明していたのですが、被害少年は塾を欠席していたのです」

 普段は、自宅最寄りのバス停から塾のあるJR大宮駅近くまで路線バスを使っていた被害少年の姿が、路上の防犯カメラや車のドライブレコーダーに一切映っていなかったというのだ。

「そこで改めて遼佑くんの自宅内部を捜索した結果、普段から彼が履いていた靴が袋に隠された状態で見つかったのです」(同)

 かかる現場の状況を踏まえた上で、少年が亡くなる直前まで一緒だったのは悠介容疑者しかいないとなり、任意の取り調べがなおも行われたと記者が続ける。

「当初は事件への関与を否定し、『私はやっていません。犯人は別にいる』と答えていましたが、最終的には帰宅した遼佑くんから、『授業で使う紅白帽を無くしたと聞いて注意した際、“本当の親じゃないのに”と言い返されカッとなって、紐状のもので首を絞めた』と話し、『妻が帰宅する前にバレないよう、焦って遺体を隠した』と犯行を認めたのです」

 一転して容疑者となったこの継父が姑息なのは、行方不明者の届出がなされた直後は、母親や警官と共に近所を歩き回っていたこと。つまりは探すフリをしていたわけだ。さらに取り調べでは自供したのに、送検後は再び否認に転じている。

「検察で悠介容疑者は、『犯人は誰か分かりません』と話しています」(同)


■「ウソの証言」


 さる捜査関係者が言う。

「往生際が悪いと言うか、取り調べでは、過去の経歴や職歴についてもウソの証言を繰り返しています」

 確かに、悠介容疑者のSNSを見れば、仕事は音楽関係となっているが実際には無職だ。生まれは広島県呉市とあり、地元の中高一貫の進学校に進み、上京後は東洋大学の社会学部社会福祉学科に進学とあるが、入学前に別の私立大に通っていたことがあるという。そのプロフィールに添える形で、彼は公園で被害少年と思しき子供とサッカーに興じる写真も大々的にアップしているのだ。これは子煩悩な父親であることを誇示したかったのか。

 先の捜査関係者によれば、

「2人は昨年、SNSで知り合い意気投合して、今年3月に悠介容疑者は妻側の戸籍に入る形で結婚している。家計もすべて彼女の側におんぶにだっこで、いわばヒモ状態で暮らしていた」

 養う側だった被害少年の母親は、地元・さいたま市内の進学校を経て教員に採用され、同じ県内の公立高校に勤める五つほど年上の男性教諭と結婚。遼佑くんを授かるが、5年前に離婚してしまう。

 その頃を知る近隣住民はこう振り返る。

「進藤さん夫婦は6年ほど前に共同名義で土地を買い家も建て、子供2人に加え母親側の祖父母も同居する2世帯住宅でしたね。おじいちゃんはもう仕事を引退したらしく、亡くなった遼佑くんを乳母車に乗せ毎日散歩していました。なのに、暮らし始めてから1年ほどして他へ売ってしまった。新築なのに勿体ないと思いました」

 殺された遼佑くんには兄がいて、実父に引き取られていったというのだ。

 そこで被害少年の親族に話を訊いてみたところ、

「離婚の原因は夫婦共働きですれ違いの日々が続いたからと聞いています。母親は激しく親権を主張して別れるまで一筋縄ではいかなかったんです。結局、調停委員を立て両者で話し合い、兄弟分離という形になってしまってね。あの時、お兄ちゃんと離ればなれにならず、お父さんの側に引き取られていたらと思うと……」

 すったもんだの末、幼い男の子を抱えた母親だったが、職場では悲愴感を漂わせることはなかった。

 2年前まで勤務していた高校の元教員によれば、

「髪型はセミロングで、すらっとしていて颯爽とした人でね。保健室の先生として実直に仕事に取り組まれていて、生徒からの信頼も厚かった。プライベートのことは今回の報道で初めて知ったくらいで、家庭のことで悩んでいる素振りは一切見せていませんでした」

 事件現場の近隣住民に話を訊くと、

「教職員住宅に住んでいたから、学校の先生だとは思っていましたが、仕事に向かう時はいつもスポーティーな出立ちでしたね。毎朝早く家を出て行くので忙しそうだけど小綺麗にしていて、歳よりも若く見えた。お父さんの姿は見たことがなく、遼佑くんが自分で鍵を掛けていたから、てっきり母子家庭なのかなと思っていたくらいですよ」

 被害少年の同級生の保護者は、

「遼佑くんは英語塾の他にも、1年生の時から週1回スイミングスクールに通って、クロール、背泳ぎ、平泳ぎを習得していました。同学年の子の中では身長が高い方で、率先して元気に挨拶してくる。礼儀正しく、教育熱心なご家庭のお子さんという印象です」

 しっかり子供に習い事もさせ、仕事に励むキャリアウーマンの母は、悠介容疑者の隠された凶暴性に気づくことはできなかったのか。

「週刊新潮」2019年10月3日号 掲載

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