六代目山口組ナンバー2がまもなく出所、抗争激化であなたの近所にも「火薬庫」が!?

■「六代目山口組」若頭出所で抗争激化! 流れ弾が飛んでくる(1/2)


“大物中の大物”の出所に向け、刻々と緊張が高まっているのだ。10月18日に府中刑務所から出所する六代目山口組ナンバー2の高山清司若頭(73)。それを見据えたタイミングで物騒な銃撃事件も起こり、すでに当局は臨戦態勢。あなたの近所にも「火薬庫」が……。

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 暴力団の抗争は、一般人にとっても決して無縁のものではない。そのことを如実に示す事件が起こった。

 現場は埼玉県飯能市の住宅街。「知人の男性が倒れた」との119番通報があったのは、9月29日午前1時15分頃のことだった。消防が駆けつけたところ、50歳の男性が路上で血を流して倒れており、搬送される際、こう話したというのである。

「銃で撃たれた」――。

 全国紙の社会部デスクが言う。

「腹などを撃たれて重傷を負った被害者は塗装業を営む一般人です。ただし、彼の兄は『任侠山口組』幹部。兄を狙うつもりが、人違いで弟が銃撃された、という見方も出ています。今回の銃撃事件が、“山口組分裂”を巡る一連の抗争と何らかの関係がある可能性も否定できません」

 現場は繁華街などではなく、住宅街の路上。犯人は数発の銃弾を発射しており、一歩間違えば、流れ弾が近隣の家や通行人に当たっていたかもしれないのだ。

“山口組分裂”については、掲載表の中の〈図解 三つの山口組〉を参照していただきたい。

 日本最大の指定暴力団「山口組」が「六代目山口組」と「神戸山口組」に分裂したのは2015年。17年には「神戸山口組」を割って出た幹部らによって「任侠山口組」が結成され、抗争が繰り広げられてきた。そして現在、“三つの山口組”の周辺がかつてないほど緊迫していることは、一般にはまだあまり知られていない。

 緊迫の背景には、“大物中の大物”の刑務所からの出所が目前に控えているという事情がある。その人物とは、六代目山口組のナンバー2である高山清司若頭。14年12月、東京・府中刑務所に収監された高山若頭は10月18日に出所することになっているが、緊迫の度合いが一気に高まったのは、

「今年8月21日以降。この日、六代目山口組の中核組織である弘道会の神戸市内にある拠点で弘道会系の組員が銃撃され、右腕を切断せざるを得ない重傷を負う事件が起こったのです」

 暴力団に詳しいジャーナリストはそう語る。

「高山若頭の出所を見据えたタイミングで起こったこの事件は、今年春に発生した別の事件の“返し”、すなわち報復だと見られています。それは、4月18日に神戸市内の路上で、神戸山口組の中核組織である山健組の與(あたえ)則和若頭が弘道会系の組員に刺された事件。その“返し”として、山健組が神戸にある弘道会の拠点を襲撃した可能性がある、というわけです」

 しかも、この拠点には特別な意味がある。高山若頭の邸宅が隣接しており、出所した日も新幹線でそこへ向かう予定になっているというのだ。

「メンツを潰された弘道会としては、何としてもこの事件の“返し”を行わなければならない。しかも、弘道会がメンツを保つためには、高山若頭の出所までにきっちり“返し”ておく必要がある。そのため、いつどこで事件が起こってもおかしくない、と警察は警戒しているのです。最近、山健組の中田浩司組長の動静が伝わってこないのは、弘道会の“返し”を警戒しているからではないか、という見方もある」(同)


■移籍の“手土産”


 では、具体的にはどこが特に危ないのか。それが一目で分かるのが、前掲の表である。

 六代目と神戸側、双方の本部が置かれ、すでに“報復の連鎖”が起こっていると見られる兵庫県神戸市は指摘するまでもないが、

「山口組分裂を首謀したとして六代目側から永久追放を宣告された神戸側の“大御所”たちの本拠地や関係先はどこも危ない」

 と、先のジャーナリスト。

「例えば、兵庫県内には井上邦雄組長の私邸がある。また、寺岡修若頭は現在、兵庫県西宮市を足場にしている。元々の本拠地は淡路島にあったのですが、住民運動によって使えなくなったからです。これらに加えて、池田孝志最高顧問の本拠地である岡山市、正木年男舎弟の本拠地である福井県敦賀市も危険」

 宅見組の入江禎(ただし)組長も山口組分裂の“首謀者”の一人に数えられるが、

「高山若頭の出所後、入江組長が神戸側の窓口役を務めると見られている。そのため、他の4人より狙われる可能性は低いと指摘する声もある」(同)

 関東や東北エリアにも火種は存在する。

「高山さんが帰ってくるまで、1カ月を切りましたやんか。次はどこで事件が起こるんか、言うてみんなピリピリしとる。関東や東北かて危険ですよ」

 と、さる暴力団幹部。

「山健組の関係先は関東にも東北にもありますからな。六代目側はずっと山健組に対して圧力をかけ続け、六代目側への加入や、シノギ(収入源)を手放すことを求めとる。高山さんが帰ってくるまでに、六代目側としてはある程度の格好をつけとかんといかんってのがあるわけです。結果を出さなあかん。そうやって圧力が高まる中、六代目側と神戸側、どっちが暴発してもおかしくない」

 山口組分裂抗争による影響が少なく、比較的危険度が高くないのは北海道と福岡県くらい。あとはどこで銃声が鳴っても不思議ではないのだ。

 冒頭で触れた飯能市の事件と三つの山口組の抗争との関連は定かではないが、8月の弘道会の神戸拠点が銃撃された事件に続き、2カ月連続で拳銃による被害が出た時点で異様だ。1997年の宅見勝組長射殺事件では、ホテルで流れ弾に当たった一般人が死亡した。今回の抗争を原因とする流れ弾が、我々の元に飛んでこない保証はどこにもない。

(2)へつづく

「週刊新潮」2019年10月10日号 掲載

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