「女の子を殺すつもりだった」犯行2分後の異様な映像! 青森の14歳少年A「家族の肖像」

「女の子を殺すつもりだった」犯行2分後の異様な映像! 青森の14歳少年A「家族の肖像」

青森県八戸市で14歳中学生が小6女子児童の首を切りつける事件を起こし逮捕された

 青森県八戸市で小学6年生の女児の首を切りつけて逮捕され、「殺すつもりだった」と供述した14歳の少年A。犯行2分後、「異様な姿」を防犯カメラの前でさらしていた彼は普段、どのような暮らしをしていたのか。そして、彼を育てた「家族の肖像」は――。

 手元に1本の動画がある。

 あるコンビニの駐車場を捉えた映像で、その少年はまず、駐車場に続く横断歩道の先に姿を現す。ゆったりした足取りでやってきて、信号待ちをする少年。やがて信号が青に変わると、少年は歩いてコンビニの駐車場に入ってくる。カメラに近づくにつれ、徐々に大写しになる少年の姿。坊主頭が伸びたような髪型で、白いウィンドブレーカー、黒色のズボン、白色の運動靴という格好だ。背中にはリュックサック。そして、右手に提げた薄っぺらいカバンを大きく前後に揺らしながら歩を進めている。辺りを気にする様子はなく、真っ直ぐ目的地を目指している様子だ。カメラの前を通る時、少年の顔がはっきりと映し出されるが、表情までは読み取れない。

 青森県八戸市で小学6年生の女児が中学2年生の少年A(14)に首を切りつけられた事件。テレビのワイドショーなどでは、犯行前、少年が女児の後をつけている様子が映っている映像は繰り返し紹介されたが、冒頭で触れたのは、犯行後の少年の姿を捉えたコンビニの防犯カメラの映像である。

 犯行後――。その点に留意しながら今一度映像を確認すると、そこに映し出されているいくつかの場面が重要な意味を持っていることが分かる。

 まず、信号待ちをしている場面。殺そうと思って女児の首を切った直後にもかかわらず、律儀に信号を守っているのである。その姿からは、「急いで逃げようとする意思」が感じられない。

 次に、彼が右手に提げたカバンを大きく前後に揺らしながら歩いている場面。それは彼の歩く時の癖なのかもしれないが、ゆらゆらとカバンを揺らしながら歩く姿からは心理的な余裕が感じられる。あるいは、弾むように歩くためにカバンを持った腕が揺れるのかもしれないが、その姿からは、“良いこと”があった後なのかと思わせるような雰囲気すら漂ってくる。いずれにせよ、彼は、女児の首を切りつけた直後にもかかわらず、悠然としていたのだ。

 Aの逮捕容疑は、今月12日午後4時40分頃、八戸市新井田西の路上で、女児の首の前あたりをカッターナイフで切りつけ、殺害しようとした、というものである。ちなみに、冒頭で紹介した防犯カメラの映像は同日午後4時42分頃のもの。犯行の2分後の映像なのである。

 では、Aはいかにして犯行に及んだのか。新聞、テレビの報道では小学校や中学校、Aの自宅、被害女児の自宅、犯行現場の位置関係が非常に分かりづらいので、まずそこから詳らかにしていこう。

 Aの自宅は八戸市新井田の大館中学校から徒歩17分ほどの住宅街にある。新井田小学校は大館中のすぐ近くにあり、被害女児の自宅は、そこから、Aの自宅と同じ方向へ25分ほど歩いた場所にある。そして、犯行前後のAの様子を防犯カメラが捉えていたコンビニがあるのは、彼の家から徒歩3分ほどの場所。このコンビニから4分ほど歩いたあたりが犯行現場だが、被害女児の家はそこから徒歩2分の場所にある。つまり被害女児は、あと2分Aから“逃げる”ことが出来ていれば、無傷で帰宅していたわけである。それとも、Aは彼女の自宅を把握していたからこそ、帰宅直前に襲ったのだろうか。

 この日、Aは普段通りに学校に来ており、下校時に犯行に及んだと見られている。被害女児も下校中で、学校を出た時は友人と一緒だったが、途中でそれぞれの自宅に帰り、最後に一人になった。コンビニなどの防犯カメラには、彼女の後を2、3メートルほど間隔をあけて歩くAの姿が映っていた。大館中→Aの自宅近く→コンビニ→犯行現場。これがAが歩いたルートだが、どの時点から彼が被害女児を尾行していたかはまだ分かっていない。

「被害女児は首の前の部分を切りつけられ、長さ約10センチ、深さ約1センチの傷を負いました。幸い、命に別状はありませんでしたが、おそらくAは彼女を殺すつもりで頸動脈を狙って切りつけたのでしょう」(捜査関係者)

 切りつけられた彼女は自力で自宅までたどり着き、「知らない男に切られた」と家族に話し、家族が119番通報。時間は犯行の2分後の午後4時42分だった。一方のAは犯行後、カバンを揺らしながら悠然とコンビニの駐車場を横切り、一旦自宅に帰ったと見られている。

「消防からの連絡で事件を把握した警察は早い段階で防犯カメラの映像を入手。そこに映っている男がAであることを特定するのに時間はかかりませんでした。何しろ、Aのリュックや手提げカバンは学校指定のもの。また、Aの顔もはっきり映っていましたから」

 と、全国紙デスク。

「その後、Aが市内の塾にいることが分かり、捜査員が向かった。そして、塾の職員に“Aと話がしたい”と説明してAを呼んできてもらった」

 警察がAの身柄を確保したのは事件発生から約4時間後の午後9時前。犯行を認めたため、午後11時頃に逮捕された。Aの自宅を捜索したところ、学校指定のリュックや手提げカバンの中から、凶器と見られるものを含めた複数のカッターナイフが見つかった。


■口を噤む父親


「殺すつもりだった」

「誰でもよかった」

 取調べにそう供述しているというA。一体、どのような家庭環境で育ったのか。

 Aの自宅はこぎれいな2階建ての一軒家。屋根にはソーラーパネルが設置され、玄関先の植え込みはきちんと手入れされている。自宅の謄本からは、Aの両親が十数年前に約3千万円のローンを組んで新築したことが確認できる。

「あそこの家族は仲良さそうに見えたよ。家の前でバーベキューやったりしてさ。確か、中学生の男の子と、小学校3〜4年の男の子、小学校1年生くらいの男の子の3人兄弟だったと思う」(近隣住民)

 Aは中学ではバレーボール部に所属しているが、

「彼は土日になると、近くの駐車場でお父さんとバスケとかサッカーをやってたな。時には下の子たちや奥さんまで混じってね。両親ともに働いていて、それぞれ国産車に乗ってる。で、いつも朝早く出ていってしまうから、あんまり見かけないね」(同)

 この近隣住民は、Aの父親の仕事について、「病院関係」だと聞いたという。Aの父親のものと思しきSNSを確認すると、東北地方の医療福祉関係の専門学校の臨床工学科を出たとある。

 別の近隣住民の話。

「そういえば以前、下の2人の子たちが小学校から帰ってきたのに家に入らず、家の前で親の帰りを待っているところを見かけたことがある。それも1回や2回じゃなく、何回も。時間は午後2時〜3時。2人の子がじゃれあったりして遊んでいるところに母親が車で帰ってきて、一緒に家に入るんだ。子どもにカギを持たせてなかったのかな」

 今年の夏にはAが家の裏手で草むしりしているのを目撃したという。

「タオルを頭に巻いていてね。私が“こんにちは”って声をかけたら“こんにちは”と返事してくれた。いい子だと思っていたんだけど……」(同)

 Aが逮捕された4日後、自宅のインターフォンを押すと父親らしき人物が出た。話を聞きたい旨を伝えたが、

「すいません。まだ……」

 と口を噤むのみ。か細く、消え入るような声だった。

「週刊新潮」2019年11月28日号 掲載

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