仮面ライダー「中の人」が所有する「納屋モノ3億円カウンタック」に盗難騒動

仮面ライダー「中の人」が所有する「納屋モノ3億円カウンタック」に盗難騒動

「納屋モノ3億円カウンタック」に盗難騒動(※写真はイメージ)

 古い車好きのあいだでは、「納屋モノ」なる言葉がよく使われる。納屋などに放置されたまま長い年月が経ち、発掘されたクルマのことだ。ランボルギーニ・カウンタックの納屋モノが出たとなれば、業界の誰もが目を瞠(みは)り、夢想する。自分の手元に置きたい、と。

 カウンタックといえばスーパーカーの“王様”。1970年代のスーパーカーブームを知る世代には、“神”である。

 その納屋モノをめぐって、いま、埼玉県内で盗難騒動が起きている。所有者は、スーパーカーブームと同時代に一世を風靡した「仮面ライダー」の“中身”をつとめた人物。バイクスタント担当だった室町健三さん(73)だ。コトの顛末をご本人に語ってもらおう。

「私が仮面ライダーの仕事を引退した70年代後半、カウンタックLP400を2台、計8千万円で買いました。スーパーカーブームだったので、ショーやテレビ撮影に貸し出せば儲かると思ったのですが、急速にブームが去り、使わなくなった。それで、長年、倉庫に眠らせたままになっていました。これを知ったカウンタックマニア3人に、2台のエンジンを盗られてしまったのです」

 専門業者の鑑定によると、レストアすれば1台約1億6千万円の価値があるという。2台で3億超だ。エンジンがあれば、だが。


■2台300万円


 マニア3人について端的に説明すると、次のようになる。“属性”は元整備業と造園業、医師で全員男性。3年ほど前、室町さんの自宅そばに停めてあるレーシングカーを見た元整備業が、車好きだと言って室町さんを訪ねてきた。以降、元整備業が定期的に世間話をしに寄るようになり、昨年、スーパーカーコレクターだと造園業を紹介されたという。今年になって医師が加わった。室町さんが続ける。

「彼らと車の話をするうちに、つい、カウンタックがあると洩らしてしまった。すると今年6月、菓子折り持参で“車を見せてほしい”と言ってきたのです」

 そのときは倉庫の鍵がないとごまかしたが、

「今年8月、売買契約を交わしてもいないのに倉庫から運び出すと言ってきたので警察に通報しました。彼らが倉庫に入っているところに警官が駆けつけたので、車体は持ち出せず、エンジンだけ盗んだわけです」

 警察からは当事者間で解決するよう言われたという。

「このあと、恫喝がはじまりました。怖かったので、恫喝から逃れるために、2台300万円で売る契約書を医者に作らせた。売り主は空欄のまま、自分で持っていることにしたのです」

 3人のうち、元整備業と医師に話を聞くと、奇怪な事実が……。彼らの話を約(つづ)めれば、次のようになる。

「断じてエンジンなど盗んでいません。そもそも“2台300万円でカウンタックを売ってもいい”と言ったのは室町さんなんです。300万円で売買契約を結ぶ話を記録した動画もある。彼は惣菜を万引きしたり、タイヤを盗んで捕まったりしたので身元引受人にもなったんですよ。今年の春には精神を病んで2カ月間入院していました。だから念のため動画を撮ったわけです」

 たしかにその動画には、売却を承諾する室町さんが写っていた……。はっきりしているのは、倉庫内のカウンタックにエンジンがないこと、そして二つの“納屋モノ候補”が放置されている事実だけである。

「週刊新潮」2019年11月28日号 掲載

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