慶応大教授が下着ドロで人生破滅、その華麗なるキャリア

慶応大教授が下着ドロで人生破滅、その華麗なるキャリア

慶応大学理工学部の白鳥世明教授(慶応大学HPより)

 先見の明に長ける男が、目先の利を追い、破滅した。下着ドロで捕まった慶応大学理工学部教授、白鳥世明(せいめい)(56)のことである。長い時間と労力をかけて彼が築いてきた実績はどんなものだったのか。

 11月17日の午後2時過ぎ、千葉・JR市川駅近くの幹線道路に男性の声が響き渡った。

「警察呼んで!」

 その声を聞いて通報した近隣住人が振り返る。

「がっちりした男性が、白いワイシャツにスラックスのおじさんを追っていました。男性は警察を呼ぶよう叫び、おじさんを捕まえると腰の辺りを掴んでいた。おじさんは暴れまくって逃げようとしていましたが、結局は力尽きて建物の脇にへたりこみました」

 この数分後、通りは赤色灯の光に染まり、十数人の目つきの鋭い警官で埋まる。

 近隣住人は、がっちりした男性の家に干された彼の妻のパンティとブラジャーを、近くに住むおじさんが盗んだことを知った。そして、必死で抵抗していた理由に得心する。肩書が「慶応大学教授」だったのだ。

 事件を報じるメディアは殊更に下着が時価400円だったと書き立てたが、400円で失う名門大学教授のキャリアはどんなものか。


■ドラえもん好き


「本学の教員が逮捕されたことは大変遺憾です。今後大学としても事実関係を確認し、厳正に対処してまいります」

 慶応義塾広報室は、事件についてこれだけしか答えないので慶応大生に聞くと、

「理工学部では有名な人で、学部の4年生から入る研究室では、必ず応募者が定員をオーバーするほどの人気です。なにより撥水分野では業界で知られた存在で、いろんな企業と共同研究を行ってもいる。たとえばヨーグルトの蓋やケーキのフィルムに、クリームなんかがくっつかないようにしたのは白鳥教授なんです」

 そのうえ、話が上手で優しいと評判だという。

「撥水分野のほか、光反射防止膜やガスセンサーについての研究といったように専門分野も幅広い。そんなすごい人なのに、ドラえもんが好きだと言い、よく、“僕もいろんなモノを発明しているんですよ”と笑っていました」

 ポケットから下着を取り出さず、隠していたドラえもん教授。その経歴は、学生の評判通り輝かしい。千葉県警担当の記者によれば、

「開成高校を出て早稲田大学の理工学部を卒(お)えると、東工大電気電子工学博士課程を修了。その後はマサチューセッツ工科大の研究員などを経て、慶応大理工学部の准教授に就任し、教授となりました」

 その研究は常に時代の先を見ていて、

「野菜や果物の鮮度を保つ『やさシート』の開発では文部科学大臣賞や日経優秀製品・サービス賞で優秀賞を受賞しています。このシートはナノレベルでの薄膜製造技術を利用して商品化し、イトーヨーカドーの定番商品にもなりました。このほか、慶応義塾内での表彰も多く、実に華麗な経歴の持ち主です」

 目の前の下着の誘惑に負け、全てを失った教授。これだけの頭脳の持ち主でも、干された下着が研究材料だったとは言い逃れできまい。

「週刊新潮」2019年12月5日号 掲載

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