「伊藤詩織さん」両親が初めて話した苦難と葛藤

元TBS山口敬之氏に勝訴した伊藤詩織さんの両親が葛藤を初めて明かす「反対し続けた」

記事まとめ

  • 元TBSの山口敬之氏を訴えた民事訴訟で勝訴した伊藤詩織さんの両親が苦難と葛藤を告白
  • 父親は会見をやると言った時も反対し続けたが「とりあえず渋々……」と胸中を明かした
  • 母親は「その勇気には娘ながら本当に誇らしく思っています。褒めてあげたい」と語った

「伊藤詩織さん」両親が初めて話した苦難と葛藤

「伊藤詩織さん」両親が初めて話した苦難と葛藤

元支局長に330万円の支払いが命じられた

 ジャーナリスト・伊藤詩織さん(30)が元TBSワシントン支局長の山口敬之氏(53)を訴えた民事訴訟。結果は詩織さんが勝訴した。見守ってきた両親が初めて明かす「苦難と葛藤」――。

 準強姦逮捕状が、当時の中村格(いたる)警視庁刑事部長に握り潰されることになる事案が発生したのは、2015年4月4日未明。

 詩織さんの母親(57)は、彼女から最初に事実を打ち明けられた際の心境を、

「(性的暴行から)1カ月後くらいですね。娘が打ち明けてくれたのは。正直、びっくりしましたし、その後、どうしたらいいのだろうって……」

 と振り返る。詩織さんは17年5月に本誌(「週刊新潮」)で初めて事件を告発し、その後、会見で実名告発に踏み切った。

「最初に新潮に話をすると言った時、1週間くらい喧嘩というか、話し合いをして。その後、記者会見をやると言った時も、反対し続けました。でも、“なんとしても、このまま終わらせたくない”と(詩織さんが言った)。娘の性格もよく知っているものですから、とりあえず、渋々……」

 と父親(60)が複雑だった胸中を明かせば、母親も、

「記者会見のあとは、妹や弟といった家族はやはり反対していたものですから。あれから、きょうだいの仲も今までとは違って、しっくりいかなくなるところもあったんですけど、こういういい判決が出て、本当に少しずつ、また家族に戻っていけたらなと思います」

 としつつ、こう続ける。

「私だったらできなかったんじゃないかなって。その勇気には、娘ながら、本当に誇らしく思っています。いろいろ、心配もありましたけど、本当に、ここまでよく頑張ってきたなって褒めてあげたいと思います」

 逮捕状については?

「逮捕状が取り下げられた、というのは本当に信じられないですね。その逮捕状はどこに行ってしまったのか。本当にそこはいまだに、不信感があります」(同)

「軽い気持ちで(中村氏は)止めたのでしょうし、相手にされていなかったんでしょう。(そういう形で捜査がされなかった被害者は)たくさんいるのでしょうね」(父親)

 山口氏に対しては、

「なぜ、私たち家族がこのようなことに巻き込まれるのかと。夢にも思っていなかったですし。本当に、世の中の母親なら一番、自分たちの娘にあって欲しくない事件だと思うんですね。だから私が山口に言いたいのは、あなたにもし娘がいたらどうでしたか(ということ)。反対の立場だったら、どういう対応をしていましたかって。本当にそこはずっと言いたかったな、と思います」(母親)

 両親の苦難と葛藤も消えないままである。

「週刊新潮」2020年1月2・9日号 掲載

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