東大阪「セブン-イレブン」店主、本部からの兵糧攻めでも闘争を続けるワケ

東大阪「セブン-イレブン」店主、本部からの兵糧攻めでも闘争を続けるワケ

ユニフォームの着用も禁止に

 24時間365日、休むことなき営業を旨とするコンビニの、まさかの「元日休業」という光景が各地で見られた。そのきっかけを作った「セブン−イレブン東大阪南上小阪(みなみかみこさか)店」が、本部から兵糧攻めに遭っている。追い詰められたオーナーは、我が闘争を続けると息巻くが……。

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 弁当などの食品コーナーはガラガラで、棚には「30%オフ」「50%オフ」の貼り紙が並ぶ。まるで閉店セールのごとき様相を呈するのが、東大阪市にある渦中のセブン−イレブンだ。

 振り返れば、この店が注目を集めたのは、昨年2月に人手不足を理由に24時間営業を続けられず、「時短営業」に踏み切ったこと。セブン本部からフランチャイズ契約の違反にあたると警告されたが、世論の後押しもあり深夜営業の休止を勝ちとった。業界に風穴を開けて奮闘してきたが、昨年末に突然、本部から契約を解除されてしまったのだ。

「こんな風に営業を強行しなければならなくなった理由は、昨年12月20日に本部から届いた『催告兼通知書』がきっかけです」

 と話すのは、オーナーの松本実敏(みとし)さん(58)だ。

「元日休業すると公言していたので、それに対する文句かと思っていたら違いました。このお店は客からのクレームが多すぎるし、私が“客側に非がある”と発言したことが問題であるという内容でした。あと、ツイッターでセブンや社長の悪口を言っていることも指摘された。改善されなかったら12月31日付で契約解除、と通告されたのです」


■“日本一クレームの多い”店


 結局、弁護士を立てての交渉は決裂して、年明けから店の商品の配送がすべてストップした。レジも本部と繋がり、売り上げが集約されるシステムのため、使えなくなったのだ。

「近所のホームセンターで2万円のレジを購入して、大晦日と元日は休み、2日から営業を再開しました。在庫がなくなるまで、店は続けていくつもりです」

 と、松本さんは言い張るが、そもそも契約解除の理由である「客からのクレーム」とは何を指すのか。

 セブンから示された通知書を読むと、お客様相談室へ寄せられた苦情は、この店が開店して以来、7年7カ月で計336件。昨年だけでも10月までで78件の苦情が寄せられている。加盟店の9割は年間10件未満と聞けば、確かに相当多い印象を受けるのだ。

 具体的には、レジに並ばない客、家庭ゴミの持ち込みや買い物以外の目的で駐車をした客に対する店側の注意の仕方が口汚く、揉み合いにまでなった事例が多々あるという内容である。

 確かに、店の近くには大学や高校があって、保護者などに日常的に、無断で長時間駐車されやすいという事情もあるようだが、その点を松本さんに尋ねてみると、

「私は口が悪いし、すぐカッとなるから、強い言葉で注意した自覚はあります」

 とクレームの原因については認めた上で、こうも言う。

「店かて客を選ぶ権利はあって、ルールを破っとるのに自分が悪いと認めへんような客はいらん。オーナーがちゃんと注意しとったら、他のお客さんが買い物しやすい、いい店になるでしょう。セブンが言うように、ウチが“日本一クレームの多い”店ならば、なぜ今まで利益を出し続けられたのか不思議です。苦情なんて今に始まったことじゃないのに、急に本部が持ち出してきたのは、私が正月休業すると言い出したから。クレームを理由に辞めさせようとしているのですよ」

 1月6日には裁判所に地位確認などを求める仮処分を申請したことが明らかに。窮鼠猫を噛むかの如き闘争はまだまだ続く。

「週刊新潮」2020年1月16日号 掲載

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