自衛隊の人手不足、給料が安すぎる 尖閣挑発で重要性は日々増すも…

自衛隊の人手不足、給料が安すぎる 尖閣挑発で重要性は日々増すも…

自衛隊の給料の安さを指摘

自衛隊の人手不足、給料が安すぎる 尖閣挑発で重要性は日々増すも…

大臣も悩みどころ

 尖閣諸島付近への中国船侵入に中東派遣と、日本の安全保障は難題続き。自衛隊の重要性が日々増す中、人手不足の深刻さが指摘されている。だからこそ言いたい。「給料上げてやれ!」

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 現状を見渡すと、フォークシンガーの高田渡のように、

♪自衛隊に入りたい人はいませんか

 と、皮肉を込めて歌っている場合ではないのである。

 令和の時代に、自衛隊は人集めに四苦八苦している。

 そんな折、昨年秋の臨時国会で自衛隊員の初任給引き上げが決まった。2〜3年の任期制の自衛官候補生は月額8600円を増額し、14万2100円に、定年まで雇用の一般曹候補生は9300円増やし、17万9200円となるのだ。

 ヒゲの隊長こと、佐藤正久参院議員は、

「自衛官候補生は募集する計画数に対し、7割程度の採用、海上自衛隊は特に不人気で6割に留まります。都道府県で採用される警察と違い、自衛隊は全国に異動するし、給料も警察より安いことがその理由です」

 2018年度の自衛官候補生は、計画数約9900人に対し、採用数は7千人程度。金沢工業大学教授で元海将の伊藤俊幸氏は、海自の不人気ぶりを嘆く。

「かつての船乗りは憧れの職業だったのですが、今は海に出ることがかえって不人気の理由になっています。海上では電波が届かないのでスマホがほぼ使えませんし、潜水艦では外部と連絡すらできません。スマホでSNSを使い、情報を得るのが当たり前となった現代、そういう状況下で勤務することは苦痛なのでしょう」

 現代特有の理由で避けられている自衛隊だが、我が国の周囲を見れば、そう安穏としていられないのも事実だ。例えば、尖閣諸島では昨年6月までに中国公船が64日連続で現れ、今年に入ってからも接続水域での航行が連日、確認されている。


■民間の生命保険


 作家の楡周平氏は、

「昨年来、尖閣諸島では頻繁に中国船籍の船が現れています。今年は東京五輪が開かれることもあり、この状況はまだまだ続くでしょう」

 と、警鐘を鳴らす。また、国会でも海上自衛隊の中東派遣が審議され、野党が反発するも、部隊はすでに出発している。だからこそ、

「今回のことで自衛隊の初任給が上がっても依然として高額ではありませんし、今は学校を出ると魅力的な職場がたくさんあります。ゆえに、上意下達が激しい自衛隊を選ぶ人は少ないかもしれない。しかし、人材が必要な以上、激務に報いうる金額を出すべきではないでしょうか」(同)

 先の伊藤氏は、給料問題に加え、こう指摘する。

「自衛隊員は“事に臨んでは危険を顧みず”と宣誓します。つまり、いざとなれば命を捧げるという覚悟を持っているわけです。にもかかわらず、自衛隊員は民間の生命保険を自費で契約している。保険料くらいは自衛隊が負担したり、恩給制度を検討すべきです」

 国を守るにはそれ相応の待遇が必要だろう。

「週刊新潮」2020年1月30日号 掲載

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