東京に候補者を立てないで……れいわ「山本太郎」が立民幹部の要請を“小っちぇ”と嗤う

東京に候補者を立てないで……れいわ「山本太郎」が立民幹部の要請を“小っちぇ”と嗤う

れいわ新撰組の山本太郎代表

■ポイントは「消費税5%」


 れいわ新撰組の山本太郎代表(45)が、立憲民主党で選対委員長を務める長妻昭衆議院議員(59)[東京7区]の発言をユーチューブ上で暴露、長妻選対委員長が“面子”を潰されたことをご存知だろうか。

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 反響は大きかった。ニュースサイトのBLOGOSでは19日、田中龍作氏が記事「長妻氏側が山本太郎側に圧力『立憲の選挙区に候補者を立てないでくれ』」を公開したほか、山本代表の発言内容がツイッターなどでも拡散したようだ。

 なぜ、こんなことが起きたのか。れいわ新撰組の公式サイトには《#れいわが始まる 2020山本全国ツアー 2月のおしゃべり会 中止のお知らせ》という告知が掲載されている。

 山本太郎代表は、全国各地で支援者などと交流を持つイベントを開いてきた。2月の場合、愛知県、兵庫県、山口県で開催が予定されていた。

 ところが公式サイトによると、《新型コロナウイルスの状況などを踏まえ》て中止を決定。代わりにユーチューブで「山本太郎とネットでおしゃべり会」をライブ配信することになったという。

 配信ではチャット機能を使い、視聴者からの質問に答えることに……。問題の暴露は2月18日の生中継だった。

 さっそく内容をご紹介したいが、その前に3点の説明をさせていただく。1点目は、れいわ新撰組は《次期衆院選 公認候補予定者》を発表しているということだ。

 2月21日現在、公式サイトによると、東京の小選挙区から4人、埼玉1人、千葉2人、静岡、愛知、大阪が1人ずつという内訳。また全員とも比例重複になっている。

 2点目は、ユーチューブで配信された動画では、長妻選対委員長の他に、立憲民主党幹事長を務める福山哲郎参議院議員(58)[京都府選挙区]の名前が登場するということだ。

 そして3点目だが、山本代表は次期の衆院選では、「消費税5%」を統一政策にする野党とは共闘すると発言している。例えば毎日新聞は19年7月30日、「山本太郎氏 次期衆院選の野党共闘、消費税5%は絶対条件」と報じた。

 この3点を踏まえた上で、ライブ配信の内容をご紹介しよう。長さは約30分だが、終わり頃に視聴者からの「立憲民主党とコミュニケーションは取れているんですか?」の質問を、山本代表が自ら読みあげた。

 その後の彼の発言を、動画から載録させていただく。読みやすさを優先するため、「えー」とか「あの」といった発言は削除した。


■計算ずくの暴露トーク?


《私たちれいわ新撰組は昨日(註:2月17日)、第1次公認の予定者を発表しました。全部で首都圏の立候補者は7人。これは第一次公認ということですね。

 今は首都圏以外のところで候補者を立てるということで、順番に第1次公認の方々の地元にお伺いしています。で、今日は静岡県にお邪魔した、ということですね。

 昨日の記者会見の中で、フリーのジャーナリストの方かな、立憲さんの集まりに行って、直接、福山(哲郎)さんに「山本側と話をしないのか」という話をされて、(福山幹事長は)「何度言っても応じてくれない」みたいな話になっていたんですけど、私と直接、話をしたのは1回だけなんですよ。

 その時、電話の切り際で「あのー、近々、一献」という会話で終わったんですよ。でも元々、一緒にご飯を食べに行くような仲でもないですし、「一献」って言われたって、その一献から何か話がスタートしちゃう可能性がありますから。なのでそこはスルーしたって話ですね。

「今度、ご飯食べに行きましょう」なんて芸能界でもよく聞く文句ですから、「じゃあ、また今度、ご飯食べに行こうね」と電話の切り際に言われたという認識です。

 もう1つ、長妻さんも「自分たちはずっと、れいわ新撰組にアプローチをしているんだ」というようなことを言われているんですけど、あの場ではちょっと言わなかったですね。(自分が)そんなことを言ったらまた炎上するなと思って、本当のことを言っちゃったら》

 山本代表はカメラに向かって「ここで言ってもエエかな?」と自問すると、「ふっ、はははははははは」と爆笑する。

 そして楽しそうに「どうしようかなあ」と悩む素振りを見せながら、再び「ははははははは」と笑い続ける。「すいませね、テンション上がっちゃって」と軽く謝ってから、再び喋りだした。

《確かに長妻さん側からはお話があったんですね。要は「お話がしたい」と。で、「えっと、何の件に関してでしょうか?」ということを返したんです。

(そう)したら、「東京に関してだ」というお話だったんですね。要は東京の選挙区についての話です。消費税5%とか関係ない話なんですよ。当然です、だって選対委員長ですからということです。

 その話だったら、私が代表として会っちゃうと(話が)スタートしちゃうわけですよ。(消費税)5%の話も始まってないのに。

 だから私は直接、お会いすることは難しいので、「別の者を立てます。お会いするのは長妻さんだけでいいでしょうか」と話をしたら、「じゃあ、こちらも別の者を」ということになって、お互いに話すことになったんです。それぞれの代理ということです。

 結局、何だったかって言ったら、えっと……これ、言いづらいな……。自分たちの選挙区に擁立するのは、ちょっと止めてほしい的な話です。端的に言ったら》


■ゴリ押し立候補の“前例”は立民


 長妻発言を暴露してしまった山本代表は、長妻議員を「小っちぇえ!」と笑いながら揶揄し、とどめを刺した。そして「言っちゃった!」と口にするが、反省のそぶりが微塵もないのは言うまでもない。

《なのでまあ、そういう細々とした話し合いに応じる必要はないなと思ったってことですね。いつ頃かって言ったら、秋くらいですかねえ、もっとちょっと先かなあ、それくらいですね。

 もうこれは、向こう側が(消費税)5%ということに対して、しっかりと判断をするというところに行かなくては、話は進まないと。だらだらと手前で話し合っても、5%の答えはもらえないまま、「何とか多く立てる(立候補させる)のは止めてくれ」という話し合いしか進まないという風に判断したんですね》

 これで山本代表の“暴露”は全てだが、発言について政治担当記者に聞いてみた。

「理は山本太郎さんにあると思います。『消費税が5%』という共闘条件を出しているわけですが、それに立憲民主党は何の返答もせず、いわば裏で手を回す形で立候補者調整を話し合おうとしたわけです。有権者がどちらを評価するかは、言うまでもないと思います」

 そもそも立憲民主党は“イケイケドンドン”だった時代、野党共闘を一切行わず、いわば「唯我独尊路線」を歩んだという前科がある。

「昨年の参院選で立憲民主党は『わが党に追い風が吹いている』と判断、東京選挙区では元タレントで元都議の塩村文夏氏(41)と、元朝日新聞記者の山岸一生氏(38)の2人を擁立しました。ところが塩村氏しか当選しませんでした。そのあおりを受け、国民民主党の候補は惨敗。恨み節が出ていました」(同・政治担当記者)

 かつての勢いは、早くも過去のものになっている。今のままでは、次回の衆院選で立憲民主党に風が吹くことは、まずない。

 さらに立憲民主党は都市型の政党としても知られる。東京や名古屋といった大都市で議席を確保しなければならないのだ。

「自分は参院選でゴリ押しをしておきながら、党の人気が落ちると、れいわ新撰組に『東京で立候補者を減らせ』と要求するわけでしょう。全く矛盾しています。これじゃあ、身勝手とか、厚かましいと言われても仕方ないでしょう」(同・政治担当記者)

 この政治担当記者は「立民の枝野幸男代表(55)は、山本太郎代表を毛嫌いしていると言われています」と明かす。

「選挙協力も、そう簡単にうまくいくとは思えません。山本代表の発言は、それを予感させるものですよ」

 結局のところ、安倍政権を利するばかりか。

週刊新潮WEB取材班

2020年2月28日 掲載

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