新型コロナ報道で「羽鳥慎一モーニングショー」が独走 立役者は大谷院長と岡田教授

新型コロナ報道で「羽鳥慎一モーニングショー」が独走 立役者は大谷院長と岡田教授

池袋大谷クリニックの大谷義夫院長

 新型コロナウイルスの感染拡大とテレワーク、さらに子供たちの臨時休校で、在宅時間が増え、テレビの視聴率が軒並みアップしているという。特に数字を上げているのが「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日・平日・8:00〜)だ。コロナ騒動で番組史上最高の12・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)を2度も叩き出して、他を圧倒中である。

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 ニュースや情報番組は、どこもかしこもコロナ、コロナ――。連日連夜、新たな感染者数、マスク不足が喧伝されている。放送内容には大差がないように思えるが。民放プロデューサーは言う。

「確かにコロナの影響で視聴率は上がっている感じです。ただし、全ての番組が良いかといえば、そうではありません。平日の朝の番組について言えば、バラつきがあります。時差出勤とテレワークで早朝の出勤が控えられ、『グッド!モーニング』(テレ朝・4:55〜)や『ZIP!』(日本テレビ・5:50〜)といった早朝の番組は横這いか、むしろ数字を落としています。一方で、番組史上最高の視聴率を記録しているのが『モーニングショー』です」

 もともと、3年連続で同時間帯の首位を続けている人気番組だが、

「昨年の平均視聴率は9・4%ですが、2月24日、さらに3月4日にも12・5%を記録しました。これは番組史上最高の数字です。また、24日は夕方の『news every.』(日テレ)の3部(17:53〜)が16・8%でした」(同)

 24日の放送には何があったのか。

「それまでは、大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の話題が多かった。23日にコロナ陰性が確認された乗客が、下船後に陽性になったことが発覚。新型コロナウイルスの新たな一面が注目されたタイミングでした。さらに27日には、『報道ステーション』(テレ朝)が20・0%の大台を記録します」(同)

 テレ朝もこれには大喜びだろう。

「この日は特に、安倍首相が小中高校の臨時休校を要請。世間は大騒ぎになった。新たな局面を迎え、視聴率も伸びたのでしょう」(同)


■厚労省が噛みつく


 3月4日、「モーニングショー」が再度、12・5%を記録する。

「前日には厚生労働省が、テレワーク導入の中小企業に助成すると発表していますが、これはそれほど大きな問題ではなかったと思います」(同)

 では、高視聴率の要因は?

「とにかく『モーニングショー』は、約2時間の放送時間をほとんど全部、コロナネタに費やしています。もはやコロナ問題は、地域限定のニュースではなくなり、日本人全員が当事者となっています。そうした時には、徹底してやり続けるのが必勝パターンです。加えて、キャラの立った出演者の存在も大きい。『モーニングショー』には池袋大谷クリニックの大谷義夫院長、国立感染症研究所の元研究員で白鴎大学の岡田晴恵教授がレギュラーのように出演して、コロナを解説しています。これは強い」(同)

 大谷氏は、東京医科歯科大学呼吸器内科医局長、米国ミシガン大学留学などを経て、池袋大谷クリニックを開業。全国屈指の呼吸器内科の患者数を誇るクリニックの院長である。臨床の第一人者として活躍しているので、発言にも自信が感じられるし、その指摘は具体的でわかりやすい。

 また岡田氏は、厚生労働省国立感染症研究所ウイルス第三部研究員を経て、現在は白鴎大学教育学部教授で専門は感染免疫学。いずれも、新型ウイルスについて意見を述べてもらうにふさわしい。

「4日の放送では、医療現場のマスク不足を取り上げていましたが、放送後に厚生労働省の公式Twitterが番組を名指しで噛みついたことが話題となりました」(同)

《3月4日午前8時からの「羽鳥慎一モーニングショー」の出演者から、「まずは医療機関に配らなければだめ。医療を守らなければ治療ができないから、医療機関、特に呼吸器関係をやっている人に重点的に配っていく」とのコメントがありました。》

《厚生労働省では、感染症指定医療機関への医療用マスクの優先供給を行ったほか、都道府県の備蓄用マスクの活用や日本医師会や日本歯科医師会のルートを活用した優先配布の仕組みをお知らせしています。》

「岡田教授の発言に対する反論でしたが、これに対して『モーニングショー』は全国感染症指定医療機関に取材し、マスクが届いていないことを厚労省に伝えた。すると、“優先供給を行った”は言い過ぎだったと認めざるをえなくなりました。結果的に、厚労省も『モーニングショー』の高視聴率に貢献しているかもしれません」(同)


■大谷院長が改めてマスク不足を語る


 医療現場の代弁者となっている大谷院長だが、ネット上では《そんなにテレビに出演して、本業の診療は大丈夫なのだろうか》という声もある。ご本人に聞いてみた。

大谷:私の出番が終われば、すぐにクリニックに戻り診療しています。今は新型コロナで皆が厳しい状況下におかれています。医療現場の声を少しでも届けられるならと思い、出演をお受けしました。しかし、あくまでも診療が優先ですので、取材に関しては早朝か診療後、または休診日で受けるようにしています。

――昨年末に出版された「絶対に休めない医師がやっている最強の体調管理」(日経BP)には、手の洗い方、マスクはゴム紐を触るといった感染予防や、免疫を落とさないためには睡眠が重要とも説かれている。大谷院長は今、睡眠は取れているのか。

大谷:確かに睡眠時間は短くなっています。しかし、今のように出演するのは一時的なことですから。

――高視聴率は大谷先生のおかげとの声もあるが。

大谷:私はタレントではありませんので、その辺りは分かりません。

――政府はマスク増産を発表しているが、医療現場のマスク不足は改善されたのだろうか。

大谷:現場では、医師会を通じて防護服などが支給されましたが、マスクが不足している状況は変わっていません。そのため、かつては一日に何十枚もマスクを交換して使っていましたが、今は午前と午後に1枚ずつ。うちのスタッフにもそういう使い方をしてもらっています。

――ちなみにマスクを使用途中で外すときには、どう保管すればいいのか。

大谷:私はティッシュの上などに置いています。その折にも、あくまでも表面は触らずに、ゴム紐だけを持ちます。もちろん、ゴム紐にもウイルスが付着している可能性は考えられますから、手洗い、アルコール消毒は欠かせません。

 さて、視聴率はどこまで伸びるか。

週刊新潮WEB取材班

2020年3月9日 掲載

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