「楽天」送料無料化騒動で時の人 楽天ユニオン代表に“違反で強制退店”の過去

「楽天」送料無料化騒動で時の人 楽天ユニオン代表に“違反で強制退店”の過去

アマゾン以上の「難敵」が

 千丈の堤も蟻の一穴から、とはよく言ったもの。ネット通販でアマゾンと覇権を争う楽天が「送料無料化」で大揺れに揺れている。“一穴”を開けたのは出店者の任意団体「楽天ユニオン」。公正取引委員会まで動かした組織の代表は、しかし、脛に傷ありのようで――。

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 楽天は3980円以上の商品を購入した場合、原則的に送料を無料にする新制度を発表し、今月18日からの導入を予定していた。だが、公取委は2月28日、それに先んじて独占禁止法に基づく「緊急停止命令」を東京地裁に申し立てた。すると楽天側は一律での無料化を断念。判断は各店舗に委ねられる形となった。

 これを受けた公取委は、独禁法に対する調査は続けるものの、停止命令の申し立ては取り下げると3月10日に発表している。

「公取委が動いた背景に楽天ユニオンの存在があったのは間違いない」

 と全国紙記者は解説するが、その代表としてメディアの取材にも数多く登場しているのが、自身も出店者である勝又勇輝氏(33)だ。とはいえ、ガリバー企業に敢然と立ち向かう時の人には、一方で“無法者”との評判も聞こえてくる。ネット通販に詳しい事情通が言う。

「勝又さんのビジネスはいわゆるドロップシッピング。在庫を持たず、受注後にメーカーなどに発送を依頼するのです。そのため、購入者になかなか商品が届かずトラブルになったこともある。しかも、彼は商品の本体価格を安く設定して送料で儲けてきました。楽天市場では出店者が送料を設定できるため、数百円の商品でも送料を1800円に設定していたことがあった。また、楽天市場で禁止商材とされているアダルトグッズを扱ったり、薬事法に違反する広告を掲載して強制退店させられた過去まであるそうです」

 こうした指摘について勝又氏を直撃。すると、意外にも淡々とした口調で、

「過去に送料が割高になっていたのは事実ですね」

 と認めるのだった。


■「お客さんの判断」


 勝又氏が続ける。

「すべての商品の送料が1800円だったわけではありません。それに送料が安い業者は、商品価格を高く設定している。送料は高くても、同じ商品をまとめ買いすれば得する場合だってあります。結局、購入するもしないもお客さんが判断することなんですよ」

“強制退店”については、

「取引先の問屋からもらったデータをそのまま掲載したことはあった。結果、問屋のミスで事前に審査を通さなきゃいけない商品を載せてしまい、2014年頃、強制退店になりました。いまは親戚名義で別会社を作って出店し、自分が管理しています。17万点にのぼる商品をチェックし切れなかっただけで故意ではありません。もちろん、楽天を潰したいわけじゃないんです。ただ、弱い者いじめは許せない。是正しないと日本が悪い方向へ行ってしまう」

 今後は正式に組合を設立したいという勝又氏。ルール違反で強制退店の過去は認めながら、それはそれ、これはこれで巨大IT企業に闘争宣言である。一筋縄ではいかない伏兵がアマゾン以上に楽天を悩ませる。

「週刊新潮」2020年3月12日号 掲載

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