「3・11」時は5日後にビデオメッセージ 陛下の国民への語りかけはいつか?

「3・11」時は5日後にビデオメッセージ 陛下の国民への語りかけはいつか?

天皇皇后両陛下

■ジョギングも取りやめ


 新型コロナウイルスの感染拡大で発令された緊急事態宣言とこれに伴う外出自粛要請。当初期限とされた5月6日からの延期は既定路線のようだ。

 近所のスーパーへの買い出しさえままならぬ世の中にあって、息苦しく、生きづらい、行き詰まりな毎日を国民は送っている。予定されていたものが軒並み狂うという意味では、皇族方も同様でいらっしゃるようで……。宮内庁担当記者によると、

「2月の天皇誕生日の一般参賀は中止、4月19日に予定されていた秋篠宮さまが皇位継承順位1位となったことを国内外に示す立皇嗣の礼が延期になるなど、皇室にも大きな影響が出ています」

「上皇ご夫妻は26年あまりを過ごされた皇居・吹上仙洞御所を3月19日にあとにされ、31日に高輪皇族邸(仙洞仮御所)に入られました。それで、あまり時を待たず、吹上仙洞御所を天皇皇后両陛下と愛子さまのお住まいに改修するため工事が始まるはずだったんです」

 もともとこの工事は昨年5月末から工事に取り掛かり、今年3月には完成する予定だった。しかし、上皇ご夫妻のお引越っしに伴い着工自体が大幅に遅れていたのだ。

「そこで工期を年内いっぱいに縮めることにしていたのですが、この新型コロナウイルスの関係で工事自体が中断されているようです」

 両陛下と愛子さまは、この改修工事が終了すれば現在お住まいの赤坂御所から皇居に引っ越され、その後1年ほどで赤坂御所を改修、高輪皇族邸から上皇ご夫妻が移られるはずだった。この“ご自宅シャッフル”が大幅に遅れる見込みのなか、陛下は週末のジョギングを取りやめられるなど、極力外にお出にならず、ご家族で御用地内の散策をされるにとどめられている。

 差し当って、ご活動は毎週火曜、金曜日のご執務や宮中祭祀、稲作など。認証官任命式は必要があれば行うという限定的なものとなり、両陛下のお姿を拝見する機会はめっきり減った。では、“ステイ・ホーム”を余儀なくされている両陛下は今どうされているのか。

「両陛下はこれまで、尾身茂・新型コロナウイルス感染症対策専門家会議副座長と厚生労働省の鈴木康裕医務技監からご進講を受けられました。雅子さまはメモを取られたり、熱心に質問されたりしていたそうです。普段から海外のニュースにも十分目を通されており、抱かれていた疑問をぶつけられたのでしょう。4月28日には新型コロナウイルスの感染拡大が経済に及ぼす影響について、日銀の元副総裁で日本経済研究センターの岩田一政理事長からご進講を受けられます。日本赤十字社からのご進講も受けられる見通しです。両陛下は報道などを通して、この感染拡大が社会の隅々にまで及ぼす多大な影響を把握したうえで、憂慮されているということです」(先の宮内庁担当記者)


■3月だけで10回


 平成の時代はどうだったか。もちろん、阪神大震災、東日本大震災を筆頭に、何度も国難といえる災害に直面した。 当時、天皇皇后だった上皇ご夫妻は、「3・11」直後の3月15日、原子力委員会の前委員長代理から説明を受けられたのを皮切りに、16日には東大大学院教授、17日には日本赤十字社の社長を御所に招かれてご進講を受けられている。

 活動状況の御聴取も含めると、3月だけでその数は10回に及ぶ。3月16日には、上皇さまは〈これからも皆が相携え、いたわりあって、この不幸な時期を乗り越えることを衷心より願っています〉と、ビデオメッセージで国民に語り掛けられ、大きな感動をもって受け止められたものだ。

 今回は緊急事態宣言が出てすでに20日以上が経過している一方で、国民への語り掛けなどは行われていない。「3・11」との比較を通じ、皇室ジャーナリストはこう指摘する。

「東日本大震災とは状況がまったく異なります。被災地といっても日本全国だから両陛下がお見舞いに足を運ばれるわけにもいかない。ビデオメッセージを収録しようとすれば陛下を感染の脅威にさらしてしまいますし、仮に撮影スタッフの人数を絞ったとしても『3密』への危惧は払しょくできない」

「陛下は今、政府が懸命に対応している状況を見守っていらっしゃるのでしょう。もちろん、なんらかの方法でお気持ちを発するタイミングを含め、慎重にお考えになっておられると思います。22日に安倍晋三首相による内奏が行われました。新型コロナウイルスに関連した話がメインだったと思います。陛下がお言葉を発せられるときには事前に政府もチェックすることになるわけです。もっとも陛下としては、ただでさえコロナ禍対応に忙殺されている政府の職員に、仕事を増やすようなことがあってはならないとお考えになっていらっしゃるのではないでしょうか」


■お隣にいらっしゃって


 上皇さまのビデオメッセージのとき、美智子さまはお隣にいらっしゃらなかった。

「美智子さまは常に上皇さまから下がり、上皇さまをたててこられました。しかし、今の両陛下のお姿を拝見すると、ご夫婦は対等で共に横並びで歩いていらっしゃる。ビデオメッセージなどの機会があるのなら、雅子さまも陛下の隣で国民に語り掛けていただけたら……。即位から1年、悩まれていたご体調の波はかなり収まってきているとも聞いておりますし、国民はおおいに勇気づけられると思います」

 陛下は即位後初となる天皇誕生日(2月23日)に際した記者会見で、雅子さまについてこう述べられていた。

〈即位以来、忙しい日々を送る中でも、私や愛子にもいろいろと細かく心を配り、活動を支えてくれており、公私にわたり良き相談相手となってくれています。私も今後とも、できる限り雅子の力になり、支えていきたいと思っております〉

 平成は天皇のお気持ちが表に多く出てきた時代だった。陛下が雅子さまの支えになられるような……。令和流のメッセージの発し方を待ち望んでいる国民は少なくないはずだ。

週刊新潮WEB取材班

2020年4月27日 掲載

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