【コロナ禍】小池知事の巨額補正予算 内部留保の功労者は「石原慎太郎」

【コロナ禍】小池知事の巨額補正予算 内部留保の功労者は「石原慎太郎」

小池百合子都知事

■莫大な「内部留保」を積んだ功労者は「石原慎太郎」


 金にモノを言わせて、と見えなくもない。小池百合子都知事が満を持して組んだ巨額の補正予算のことである。軍資金となった9千億円は“因縁”の相手が残した遺産。予算は自治体間に格差も生むとあって、ドヤ顔の知事とは裏腹に評判は必ずしも芳しくない。

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 アドレナリン全開といった感のある最近の小池都知事について、さる都庁関係者はこう証言する。

「小池さんは毎日夕方から自身が生出演する形で都のHPでライブ配信をしています。生放送にこだわっているらしく、都の広報部隊は多忙を極めていますよ。カメラの前に出たくてしょうがないのでしょう」

 官邸のみならず、都職員をも翻弄する知事が今回打ち出したのが、「大型補正予算」である。3574億円にのぼる予算案を編成、15日に意気揚々と発表したのだ。

「中身は、休業した業者に50万円ないし100万円が支払われる感染拡大防止協力金や、小池さんらしいといえる妊婦へのタクシー券配布のための予算なども含まれます。リーマンショック時の対策費は1800億円余りなので、規模の大きさが分かります」(都政担当記者)

 なぜこれほどまでの予算を組めるかといえば、

「東京都には巨額の財政調整基金が積み立てられていました。この基金はいわば自治体の内部留保。今回の予算もこの基金を取り崩して編成しているのです」(同)

 都によれば、財政調整基金の額は昨年度末の時点で9032億円。一極集中のなせる業だ。ちなみに、大阪府は1562億円、お隣の神奈川県はわずか610億円でしかない。

「いま、東京都の一般会計予算は7兆円にまで達しています」

 と語るのは元都知事で現在は大阪府・市特別顧問を務める作家の猪瀬直樹氏。

「私が都知事だった時代は6兆円程度でした。その後アベノミクスの好景気で歳入が伸び、現在に至っています。加えて、これだけの基金が積み上がったのは、小池さんの能力が高いから、というわけではなく、石原慎太郎さんの功績が大きいといえるのです」

 石原氏が都知事に就任したのは、1999年。当時、一般会計の巨額の赤字が問題となっていた。

「財政破綻する可能性もあった中、石原さんが労組と話し合い、給与をカットするなどの様々な策を講じ、再建しました」(同)

 かつて小池都知事のことを「大年増の厚化粧」と揶揄し、対立。世間から批判を浴びた石原氏の功績が今回の補正予算を支えているとは、なんとも皮肉なものである。


■“ばら撒き”


 他方、全国の市町村には、金欠に喘ぎながらも財源をひねり出して、支援する自治体もある。

 例えば、静岡県御殿場市では、ナイトクラブやキャバレーなどが休業した場合、最大100万円の補償を打ち出しているし、山形県酒田市では、出前やテイクアウトを提供する飲食店に3万円、タクシー業者にはタクシー1台につき1万円を支給するという。

 こうした涙ぐましい努力を重ねる自治体もある中、猪瀬氏は、

「民間企業の売り上げや利益は企業努力による面もあります。しかし、家賃などの固定費は差し当たって逃れることができません。店舗の家賃補助を打ち出す自治体もありますが、こうした補償こそ都が力強く打ち出すべきです」

 小池都知事には手厳しい。

「小池さんの補正予算では巨額のお金をかけたことで、どれだけの効果があるのか、根拠ある説明がなされていません。これでは“ばら撒き”と言われても仕方ないのではないでしょうか。東京は言うまでもなく首都。費用対効果を分析した上で経済対策を実施し、他の自治体の手本となるべきなのです」(同)

 コロナ終息後に、“穀潰し”と言われぬよう、気を付けていただきたいものだ。

「週刊新潮」2020年4月30日号 掲載

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