公明「山口代表」のおかげで現金10万円給付 創価学会は今年も寄付金を集めるのか

公明「山口代表」のおかげで現金10万円給付 創価学会は今年も寄付金を集めるのか

公明党の山口那津男代表

 一律10万円を現金給付……新型コロナ感染拡大による緊急経済対策として、政府は減収世帯への30万円支給から一転。国民1人ずつに10万円を給付することを決定した。この変更に大きく関わったのが、公明党の山口那津男代表だ。安倍晋三首相に直談判し、電話を繰り返し、連立離脱までほのめかして勝ち取ったと言われる。山口代表をそこまでさせた原動力は、やはり支持母体の創価学会だという――。

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 4月16日付の山口代表のTwitterには、首相を翻意させた自らの功績を誇らしげに記している。

《昨日きょうと総理に、「所得制限なしで一律10万円支給」の政治決断を求めてきましたが、先ほど総理から補正予算を組替えて実施する方針との連絡を頂きました。国民の声を真摯に受け止めて頂き、総理が決断されたことに感謝の意を伝えました。あとは、1日も早く皆さまの手元に届くよう力を尽くします。》

 だが、この内容に違和感を抱くのは政治部記者だ。

「4月7日に経済財政諮問会議が開かれ、新型コロナによる収入減世帯への30万円給付を柱に、4兆206億円の補正予算案が閣議決定されました。当然、公明党の閣僚も出席しており、30万円給付に賛成していたわけです。いったん決定された補正予算案を覆すのは難しいのですが、山口代表が動き出したのは15日朝でした。彼は官邸を訪れて首相と直談判し、一律10万円給付を訴えた。その席では、連立離脱も辞さずという勢いで、『今やらないと私も総理もおしまいだ』とまで言ったそうです。なぜこのタイミングだったかといえば、前日夕方に二階俊博幹事長が10万円給付を訴え、それに乗っかったわけです。山口代表は直談判した後も首相に電話をして、10万円給付を求め続けた結果、首相も考えを改めざるをえなくなった。でも、少しおかしくありませんか。『私も総理もおしまいだ』って。よっぽど、支持母体の創価学会から突き上げられたのでしょうね」

 実際、複数の新聞が“創価学会からの激しい突き上げ”によって、山口代表が動いたと報じている。一体、何があったのだろうか。創価学会に詳しいジャーナリストの山田直樹氏に聞いた。


■一律10間年で寄付金が増える?


「学会員には、個人事業主や中小企業の従業員、パートの主婦など、低所得者が少なくありません。収入減世帯へ30万円給付と言われても、収入減の基準も曖昧で、もらえるかどうかもはっきりしない。相当の不満が出たそうです。当然、学会本部も頭を抱えてました。7月には都知事選がありますが、コロナ対策で地域の会館は閉鎖されているし、座談会も行えない状態ですから、組織としての結束力を失っている。加えて、会員の評判もよくない30万円給付に公明党が賛成しているわけですから、選挙協力など得られるはずもありません。ただでさえ、昨年7月の参院選では全国の比例票は653万票と、3年前の参院選から100万票も数を減らしている状況です。ここで何とか結束力を高めなくてはならないという焦りも、学会にはあったのでしょう」

 一方で、他の狙いもあると山田氏は言う。

「年末に行われる学会員から創価学会本部に対する寄付、いわゆる“財務”が増えるかもしれませんね。これまで公明党は、99年の小渕(恵三)内閣の時にバラまかれた“地域振興券”、09年の麻生太郎内閣の時の“定額給付金”も賛成しています。地域振興券は指定店で使用できるものでしたが、会館を指定店にすることで、池田大作名誉会長の著書などが販売されていました。定額給付金の時は1万2000円と少額だったため財務には関係なかったようですが、1人10万円となれば話は別。一口1万円の財務が増えるかもしれませんね。とはいえ、その原資は我々国民の税金ですからね、おおっぴらに財務を増やせとは言えないでしょう。むしろ、国内最大級の仏教徒団体である創価学会なら、今こそ『今年の財務は中止します』とでも言ったほうが、信者からはありがたがられるに違いない。また、全国にある平和会館や池田記念館など様々な建物を、コロナ感染者のために提供したらどうでしょう。自治体はホテルを借り上げたりしていますが、非課税の建物なのですから、もちろん無料で。それでこそ宗教法人のあるべき姿だと思います」

 確かに一理ある。創価学会に、コロナ対策はじめ、突き上げの内容、寄付は中止しないのか、会館提供の意志などについて訊いてみた。創価学会広報室からの回答は以下の通りだ。

《感染拡大を防ぐため、会の諸活動で人が接触する機会を無くすようにしています。
 具体的には、2月1日付「聖教新聞」紙上で、発熱や体調不良の場合の会合参加自粛を含めた3つのお願いを掲載しました。
 さらに、2月17日には感染拡大防止の観点から、18日以降の対応を決定し周知しました。
 1)全国及び世界各地から多数の会員が訪れる創価学会本部の諸施設(創価学会総本部・東京新宿区)の利用中止と諸行事の中止
 2)全国各地域のすべての学会施設の利用中止
 3)「座談会」を含めた個人宅で行う小単位の会合も行わない
 さらに、会員宅への訪問も自粛するなど、現時点で5月6日までの対応を示していますが、今後も政府や自治体等の発表をふまえ、適宜判断してまいります。》

 と、コロナ対策については回答があったものの、他の質問についてはなぜかスルーだった。

週刊新潮WEB取材班

2020年4月30日 掲載

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