やっぱり紫外線! アベノマスクをUV除菌ケースで消毒してみたら…!

 4月17日から配布が始まった政府支給の布マスク。一部に不良品が確認されたということで、未配布マスクはいったん全て回収、再検品することになった。全世帯に配達されるのは、もう少し先になる見込みだ。一足早くウチに届いた布マスクを、紫外線(UV)を使った最新のマスク用除菌ケースで消毒してみた。

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 4月23日、我が家のポストに日本政府支給の布マスク(通称アベノマスク)が届けられた。どうやら全品回収される前のタイミングで配達されたらしい(日本郵便の皆さん、ありがとうございました)。

 写真を見て分かるように、ごく普通の布マスクである。ビニール袋の梱包が斜めに糊止めされている点は若干手荒な感じがしないでもないが、たいしたことはない。汚れや異物の混入は一切なく、真っ白な布マスクがこのご時世では、神々しくさえ見える。

 このマスクをどうやって使っていけばいいのか。政府推奨の「洗剤と塩素系漂白剤を使った押し洗い法」がYoutubeで絶賛公開中だが、それ以外でも、小さな子供がいる家庭や、高齢者を介護している家庭では特に、使用時に付着したかもしれないウイルスをなるべくこまめに消毒したいと思うのは当然だろう。

 その意味での「安心感」を得るべく、前回の記事「やっぱりUVに軍配!? マスク消毒のための「殺菌グッズ」厳選5」では、布マスクを除菌するグッズとして、株式会社MEDIKの「マスクの除菌と乾燥が行えるUV-C LED深紫外線内蔵ケース」、株式会社テラオカの「殺菌灯付保管庫DM-5」、紫外線から目を守る防護メガネを注文したことを紹介した。

 このうち、アベノマスク到着から遅れること数日、MEDIKの「マスクの除菌と乾燥が行えるUV-C LED深紫外線内蔵ケース」が配達されてきた。防護メガネも到着済みである。さっそく使ってみた。

■マスク除菌ケースの使い方


 マスク除菌ケースの正式名称は、「マスク除菌ケース Ver 2」(MDK-M02)。大きさは縦・横ともに13センチ、厚さは3.6センチ、重さは182g。CDケースより一回り小さいコンパクトサイズだ。白いABS樹脂で出来ているが安っぽさはなく、清潔な感じがする。ストラップ用のホールがついているので、付属のストラップを通すとしっかりホールド出来るようになっている。

 内蔵バッテリー(リチウムポリマー3.7V 1300mA)はUSB充電が可能。マイクロUSB端子ケーブルが付属している。これでDC5V・1A出力の充電器またはモバイルバッテリに接続すれば、3時間ほどで満充電される。

 動作は簡単だ。まず除菌ケースをパカッと2つに分ける。ちょっとひねる、というか折るようにすると、スムースに分割できる。下の写真で言うと、右側が、LEDライトと乾燥用ファンが内蔵された本体部分。左側が、中が空洞のスカスカなカバーだ。使われている紫外線は、波長が265-285 nm(ナノメートル)。UV-Cの中でも消毒効果が高いと言われている波長帯だ。LEDライトの出力は3mW、照射角度が130度という広角タイプだそうだ。

 説明書には、まず左側のカバーに布マスクを2つに折って入れ、それから、右側本体部分をマスクの折り目の間に挿入しろとある。

 しかし、実際には、マスクの耳ヒモがカバーの中でぐしゃっとしてしまったり、あるいはカバーから飛び出てしまったりして、一回できっちりセットすることが難しい。無理にセットしようとすると、耳ヒモがはさまってしまう。

 そこで、まず本体部分(右側)の、先が丸い櫛のような形の「透明なガイド」にマスクを二つ折りでセットして、同時にカバーを閉じながら耳ヒモがうまくカバーの中に入るように、何回か本体をスライドさせながらセットする、という手順が正解のような気がする。

 特に、外出から帰ってマスクを除菌しようとする場合はその方がやりやすい。ウイルスが付いているかもしれないのは、マスクの外側。除菌したいのはこっちだ。UVは、水と空気以外の物は透過しにくいという性質を有しているから、紫外線がダイレクトに当たった面だけが除菌されるのが原則である。布マスクなので多少はその内部を通過するかもしれないが、基本的にマスクの反対側(内側)までは紫外線は届かないことになろう。したがって、紫外線LEDがある本体透明ガイドの側に接するべきなのは、マスクの外側ということになる。

 そこで、耳ヒモを持ってマスクを脱いだら(ここで外面のマスク本体部に触ってはいけない)、そのまま本体(右側)を掴むような形で、マスクをぐるりと反転させながら透明ガイドの周りにセットする。そして、本体を掴んでいる右手でマスクと耳ヒモをホールドしながら、左手でカバーをセットして、ズコズコと何回かスライドさせながら挿入すると上手くいく。これで、マスク外側を手で触ることなく、LEDライト側に向けた形で簡単にセットできるだろう。

 マスクをケースにセットしたら、大きめの電源ボタンを1秒ほど長押しすると本体が起動。電源ボタンの下に並んでいる青色LEDと緑色LEDがともに点灯する(ここではまだ運転は始まらない)。そこで、もう一回電源ボタンを押すと、「乾燥10分→除菌10分」の連続運転モードがスタートする。この時、乾燥の動作中は青色LEDが点滅し、除菌中は緑色LEDが点滅する。

 これだけでOK。極めて簡単だ。

 バッテリーはこの「乾燥・除菌」モードで3時間分持つとのことなので、単純計算で9回分実行できることになろう(なお電源ボタンの2回押しで「除菌」だけ、3回押しで「乾燥」だけのモードを選ぶこともできる)。

 マスクの乾燥・除菌計20分が終了した後、心配な人は、マスクをひっくり返して、さらにもう20分、今度はマスク内側の乾燥・除菌を行うのもいい。動作が終わると自動で電源はOFFになる。バッテリーがなくなると、赤いLEDが点滅して知らせてくれる。


■除菌の効果はいかに


 では、実際にマスクはどうなったか。ウチにはウイルスの消毒効果を実証できるような研究設備は当然ながら何もないので、あくまでも個人的・主観的な感想になることをご了承いただきたい。その上で言うと、マスクが「とてもすっきりした」ように感じられる。マスクに付着している匂いが消臭されている(気がする)のも要因の一つであろうが、おそらくは「10分で99.9%除菌」という、この製品の謳い文句が頭に刻み込まれていることの心理的効果があろう。

 でも、これで十分だ。だって、もともとこのマスク除菌ケース、コロナに耐える日々の「安心感」を得たいという趣旨で購入したのだから。

 という訳で、持ち歩きも容易だし、マスク以外にハンカチ等にも応用可能なこの除菌ケース、買って正解だった。

 一つだけ最後に注意点。紫外線が肌に当たると、炎症や皮膚がんが誘発されるリスクがあることが知られている。また、紫外線を見るだけでも、眼球の結膜炎症が起きる等のダメージを受ける可能性もある。薄目はもちろん、目をつぶっただけでも不十分で、瞼を紫外線が透過することもあるとか。

 このような紫外線の危険性をよく理解した上で、扱わないといけない。今回のマスク除菌ケースは、基本的にカバーを閉じた状態で使うことが想定されている。しかし、人為的にカバーを外しても動作するので、紫外線が直接肌に触れたり、目に飛び込んできたりすることがないように、使用時には紫外線防護メガネを装着しよう。そして、子供の手の届かないところで使おう。適切に使用すれば、布マスクの日々に安心感が得られるだろう。

 それにしても、ワクチンというものがまだ開発されていなかった古来より、人類は多くの疫病に襲われてきた。その人類の生活を守ってきたものの一つが(太陽光に含まれる)紫外線だったとしたら、紫外線をいかに有効に活用するかは人類の生活の知恵ということになろう。殺菌効果が高いUV-Cは、地球を取り巻くオゾン層で吸収されるので、地表には届かない。現在いろいろな場面で殺菌用に使われているUV-Cは、人類が水銀灯やLED灯を使って人工的に作り出し、活用してきたものだ。

 ダイヤモンド・プリンセスに搭乗した自衛隊員にウイルス感染者が一人も出なかったことは記憶に新しいが、その自衛隊の統合幕僚監部が4月13日に公表した「新型コロナウイルスから皆さんの安全をまもるために」というマニュアルには、コロナウイルスの消毒(殺菌)の方法の一つとして「紫外線法」が言及されている。紫外線は、危機管理のプロも推奨する方法なのだ。

 前回の記事「やっぱりUVに軍配!? マスク消毒のための「殺菌グッズ」厳選5」では、布マスクを除菌する方法として他に、電鍋で蒸す方法なども紹介したが、今回分かったのは、マスク除菌ケースのお手軽さは何にも代えがたく、そして、安心感があることだ(耳ヒモがたまに飛び出るけど)。この手軽さと安心感を味わうと、マスクの除菌はやっぱり紫外線に軍配が上がるという気がするが、いかがであろうか。

 次回は、コロナの引き篭もり生活がまだまだ続く中、その他のUV活用家電を紹介していきたい。

北島純
社会情報大学院大学特任教授
東京大学法学部卒業。専門は戦略的パートナーシップ、情報戦略、腐敗防止。著作に『解説 外国公務員贈賄罪』(中央経済社)、論文に「外国公務員贈賄罪の保護法益に関する考察―グローバルな商取引におけるインテグリティ」(「社会情報研究」第1号)などがある。ニックネームは「ジュンジュン」(デンマーク語だとユンユン)。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年5月5日 掲載

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