コロナで注目の「日の丸ワクチン・薬」 世界80億人を救うか

コロナで注目の「日の丸ワクチン・薬」 世界80億人を救うか

DNAワクチンならば、大腸菌を使って作るので比較的容易かつ大量に生産が可能(写真はイメージ)

■ついにアメリカも認めた「紫外線」「湿度」の効能


 コメンテーターが発する悲観論のシャワーを浴びていると暗澹とした気分になってくるが、「光」はある。太陽光が強い味方になる可能性がある上、「日の丸ワクチン」の開発も進んでいる。

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 目下、大阪府の吉村洋文知事などの協力も得ながらワクチン開発に取り組んでいるのは、大阪大の森下竜一教授(臨床遺伝子治療学)と、同大発のベンチャー企業「アンジェス」。足の血管が詰まる慢性動脈閉塞症の治療薬「コラテジェン」を開発した実績を持つ会社である。そのコラテジェンに使われているのがDNAプラスミドという技術だ。

「この技術を使うと、ウイルスに近い形の遺伝子を人工的に作り出せます」

 と、同社の山田英社長。

「その技術を使って新型コロナウイルスのワクチンを作ろうというのが今回の取り組み。具体的な方法としては、コロナウイルスが細胞につくための“スパイク”と同じDNAを投与し、細胞に“異物が来た”と判断させ、スパイクの型に合った抗体を作らせます」

 従来のワクチンは毒性があるウイルスを弱体化させた上で投与する。一方、同社のワクチンは、病原体ではなくスパイクと同じ配列のDNAを投与するだけなのが特徴だ。

「従来のワクチンの場合、様々に条件を変えてウイルスを培養しなければならず、手間と時間が非常にかかる。DNAワクチンならば、すぐに入手することが出来る大腸菌を使って作るので比較的容易かつ大量に生産が可能。もちろん大腸菌といっても使うのはDNAだけで毒性は完全に除去されているので安全です」(同)

 共にワクチン開発に取り組む森下教授に聞くと、

「大阪大はコレラと闘った緒方洪庵の適塾を源流とする大阪医科大学から発展したので、他の旧帝大と比べ、実践的な治療や産学連携が盛んです」

 として、今後の見通しをこう語る。

「7月に少人数の医療関係者に対して治験を開始します。9月にはもう少し範囲を広げて医療関係者にワクチンを打ちたいと思います。治験としてではありますが、医療現場の関係者にワクチンを打っていくことで、医療崩壊を防げるのではないかと考えています」

「日の丸ワクチン」が日本、いや世界中の医療現場に射す一条の光となる可能性があるのだ。


■ウイルス量が激減


「日の丸」といえば、「富士フイルム」が開発したアビガンが特効薬として期待されているが、ここへきて別の薬にも注目が集まっている。抗寄生虫薬の「イベルメクチン」。2015年にノーベル生理学医学賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授が発見した細菌が生成する物質から作られるこの薬に、コロナ感染者の死亡率を約6分の1に抑える効果があった。そんな報告をアメリカのチームがまとめたのだ。

 さらに、アメリカから寄せられた「朗報」をもう一つ。4月23日、国土安全保障省がこんな実験結果を公表したのだ。太陽光の下や高温・多湿の環境で新型コロナウイルスの死滅が早まる――。高温・多湿の環境下でウイルスが不安定になる可能性については本誌(週刊新潮)でも繰り返し指摘してきたが、アメリカ当局がそれにお墨付きを与えた格好だ。

 日本医科大特任教授の北村義浩氏が言う。

「日本で紫外線量が飛躍的に増えるのは6月からで、その頃には梅雨入りもする。6月以降、新型コロナウイルスのウイルス量が激減する可能性があります」

 数カ月後、我々はあの異常な暑さをありがたがっているかもしれないのだ。

「週刊新潮」2020年5月7・14日号 掲載

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