「玉川徹が謝った!」が社会現象に…誰が彼を支持し、叩くのかを分析してみた

「玉川徹が謝った!」が社会現象に…誰が彼を支持し、叩くのかを分析してみた

2004年当時もイケメンだった

■ナベツネ以来の注目度


 コロナ禍で、これまで以上にその発言が注目されるテレビ朝日の「モーニングショー」のレギュラーコメンテーター・玉川徹氏(56)。自身の発言の誤りを謝罪しただけでニュースになるという、政治家もビックリの一報道局員。トリックスターか時代のあだ花か、それとも? 誰が彼を支持し、批判しているのか、分析してみたところ……。

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「天使の玉ちゃん」とは偉大なる藤子不二雄先生のデビュー作、2002年8月多摩川の丸子橋付近に突如として現れたのはアゴヒゲアザラシの「タマちゃん」、漫画「ちびまる子ちゃん」のまる子の親友の名も「たまちゃん」、フリーアナウンサー赤江珠緒さんのあだ名も「たまちゃん」……。

 今まで見てきた「たまちゃん」と呼称される人や動物またはキャラクターは、愛嬌があってどこかほんわかしていることが多いと思われます。私の友人のたまちゃんもそんな感じの好人物です。だからといって、テレビ朝日のたまちゃんこと玉川徹さんが今までの「たまちゃん」像を覆すアンチヒーローだと言い切るわけではありません。

 テレビ朝日の朝のワイドショー番組「モーニングショー」のレギュラーコメンテーターに君臨し(前身番組モーニングバード時代から)、役職を持たない一介の報道局員という立場で、俄然注目されているのが玉川徹氏。公の立場にいる人物ではないのに、ここまで世間の耳目を集める存在になったのは、朝日新聞・テレビ朝日の仇敵、渡辺恒雄・読売新聞社代表取締役主筆以来ではないでしょうか?

 玉川氏はこれまでも枚挙にいとまがないほど注目発言を繰り返してきました。そしてこのコロナ禍においても、専門家や医療現場の方々そして世間から非難の対象になりました。それは、2020年4月7日放送の「モーニングショー」においての発言が大きかったように思います。

 番組は新型コロナウイルスのPCR未検査の死亡者について、遺族に会わせずに火葬を行っているという葬儀会社を取り上げました。この中で玉川氏は、肺炎死亡者の中に新型コロナウイルス感染者がいると推測したうえで、「今まで日本は新型コロナの死者数が少なくて、『日本は優れた特徴があるんじゃないか』っていうようなことを言う人が結構いたんですけど、調べてないんですね。調べてない以上、分からないですよ。もっともっと死者は多いかもしれない」と話しました。

 これに対して葬儀会社社長を名乗る方がTwitter上で、「葬儀業者の勝手な判断で、肺炎患者を24時間以内に火葬することは出来ません。ツイッターで以前に否定したデマです」と番組内容を否定しました。さらに「取材不足かわざとなのか、どちらにしろテレビで誤解を広めるのはデマですからやめてほしい」と懇願する文章も添えられていました。

 人の生き死にを憶測で語ることは現場の混乱を招きますし、葬儀会社の方々も世間から言われのない猜疑心を持たれる可能性だってあります。それを思いつくまま勝手に言う前に、もう少し配慮があっても良かったのかなと思った次第です。そしてこの発言に対しての謝罪めいたものは私が知る限りではございません。

 その後も切迫する医療現場に対して、根拠の乏しい混乱を招くような発言を繰り返し現在に至るのですが、自身が謝罪をしたのは1度だけでありまして、その謝罪が「玉川が謝った!」とネット等で話題になり、賞賛されるという本末転倒な事態が発生しました。あるお勤め人の方からはこんな意見を頂戴しました。

「よくマスコミが『モーニングショー』や玉川徹さんを叩いてますが、それってマスコミの人間だからじゃないんですかね。普通の人って『モーニングショー』の時間は通勤してるか働いてるかですよ。そこまで玉川さんの発言を追えていないと思うんですよね。つまり、あの時間に『モーニングショー』を腰を据えて見ることができる人=出勤が遅いマスコミだから視聴が可能なんだと思うんです。昼休み時間帯のワイドショーだったらまだしも……」


■不満を持つ高齢者層が


「確かに!」そういった考え方もあると膝を打ち、テレビ朝日ではない他局にお勤めの局員にこの意見についての見解を伺ったところ、

「そういった見方もできますね。ただ視聴率の分析としては、65歳以上の方が多くご覧になっている番組でありまして、“今の世の中はなってない!”という不満を持つ高齢者層が玉川さんの発言に溜飲を下げているんだと私は思います。『モーニングショー』に限らず、これはテレビ朝日の番組すべての視聴率で言えることですが……。CMスポンサーを見ていても気づきませんか? 健康食品関係や高齢者保険、葬儀や霊園にまつわるものが多いですよね」

 テレビ朝日の番組すべてだとは思いませんでしたし、他局の方のプライドのようなものも感じましたが、これもまた「確かに」と納得し、まさに溜飲を下げました。テレビ朝日云々はともかく、玉川氏に限った部分に話を戻しますと、タイムリーにご覧になっているマスコミの皆様、そして高齢の一般視聴者の方々、さらにはタイムリーには視聴せずネットニュース等で玉川氏発言を目にした現役社会人の皆様……。成人以上のほぼすべての世代の賛否両論を一手に引き受けて発言を続けるその存在を何にたとえればよいでしょうか。

 あえて言ってしまえば「悲哀なきジョーカー・玉川徹」のこれからの発言を聞き逃し、見逃すことはできません。さらにご本人の思惑は存じ上げませんので憶測で申しますと、このコロナ禍で思ってる以上に影響力のある人物になってしまったことを憂いてらっしゃるやもしれません。野党が与党になってしまったような……(数年前にありましたね、国家を見ても)。マスクもフェイスシールドも必要なくなる日がやってきて、玉川氏の真価が問われるのではないかとも思うのです。

徳光正行
1971年12月生まれ。茅ヶ崎市出身。日本大学芸術学部在学中よりミュージシャンを目指すが、父の病により断念。その後、司会業やタレント業に従事する。また執筆活動にも着手し、『伝説になった男〜三沢光晴という人〜』『怪談手帖シリーズ』、岩井志麻子氏との共著に『凶鳴怪談』がある。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年6月9日 掲載

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