小池都政の公約達成度をチェック! 「電柱ゼロの地中化」「築地テーマパーク」は今

小池都政の公約達成度をチェック! 「電柱ゼロの地中化」「築地テーマパーク」は今

掲げた公約はほとんど達成できておらず…

 政治家は言葉とそれを実現するか否か、がすべて。とりわけ公約は厳しくチェックされてしかるべきなのは違いない。小池都政を総点検してみると……。

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 例えば、小池都知事が前回選挙で掲げた公約として、〈7つのゼロ〉がある。

 待機児童、満員電車、電柱、ペット殺処分、残業に加え、介護離職ゼロや多摩格差ゼロといったものまでが大々的に喧伝された。

「そのほとんどが達成できていません」

 と断ずるのは、小池知事と行動を共にしながら、政策面で対立し、2017年の都議選後、袂を分かった上田令子都議である。

 例えば、待機児童に関していえば、小池都知事が就任した16年は約8500人だったのが、昨年は約3700人に減ってはいる。

「熱心に取り組んでいましたが、小池さんの就任前からの問題であり、大きく改革したわけではありません。満員電車ゼロは“電車を2階建てに”などの思い付きを持ち込んで、現場を混乱させ、多摩格差ゼロに至っては検証することすらできません。唯一達成できたのはペット殺処分ゼロです」

 ゼロとはいえ、ペットに咬み付き癖があったり、負傷している場合は殺処分を行っているそうだ。

 しかし、小池都知事の知人はこれらの公約のほとんどについて知事が興味を失っていたと語る。

「早々に都政に飽きていた小池さんでしたが、電柱ゼロは国会議員時代からやりたいと話していた。地中化にかかる多額の費用は“東電に出させればいい、都にもたくさん貯金があるのよ”と言っていました」

 電柱の地中化には、1キロあたり約5億3千万円がかかる。整備対象の約2328キロのうち、約4割が完了したというが、さる都庁職員は手厳しい。

「地中化は、都内で問題となっている環七沿いの木造住宅密集地域を含め、防災や都市計画と合わせて考えるもの。もっと進められても不思議はありませんでした」


■「三里塚闘争」


 有権者を裏切ったという意味ではこれらの公約より築地市場移転問題の方が罪深いかもしれない。

 16年秋に豊洲に移転予定だった計画。就任早々、小池都知事が延期にすると、17年、「築地は守る、豊洲は活かす」と語り、築地を「食のテーマパーク」として再開発すると言い出した。

 ところが、豊洲移転後の19年には築地に国際会議場などを作ると方針転換。いつの間にか「食のテーマパーク」構想は雲散霧消してしまったのだ。

 築地女将さん会の山口タイ会長は無念さを滲ませる。

「国際会議場なんてできたら築地に戻れない。築地を守る、と言った小池さんに騙されたと思っています」

 元東京都中央卸売市場次長で『築地と豊洲』(都政新報社)の著者・澤章氏は、

「単なる豊洲への引っ越しだったはずが、築地が移ることで日本の食文化が失われるという話に小池さんはすり替えたのです」

 と、指摘する。

「都議選前は移転反対派に耳触りの良いことを言いながら、選挙後にはあっさりと裏切ってしまう。小池さんは移転後、築地が三里塚闘争のようになることを恐れていました。そこに信念や戦略はなく、目の前の状況が自身に有利かどうかで物事を決めているに過ぎなかったのです」

 延期によってかかったコストは業者への補償など100億円以上。大山鳴動して……都民に残されたのは「徒労」の2文字だった。施策の政治家ではなく、政略家と呼ばれる所以である。

「週刊新潮」2020年6月18日号 掲載

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