ALS嘱託殺人、容疑者の妻は元自民党国会議員 石破茂元幹事長を呆れさせた過去

ALS嘱託殺人、容疑者の妻は元自民党国会議員 石破茂元幹事長を呆れさせた過去

大久保三代元衆院議員

 7月23日、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の女性患者に薬物を投与して殺害し、京都府警は嘱託殺人の疑いで宮城県の呼吸器内科医、大久保愉一容疑者(42)と東京都の内科医、山本直樹容疑者(43)を逮捕した。ところが、自民党では、なぜか、大久保容疑者の妻が話題になっているという。何しろ、女性は、かつて自民党の衆院議員を務めた御仁なのだ。「まさか、彼女の名前がこんな事件で出てくるなんて」と驚きの声が上がる一方、「発言を聞く限り、議員時代と全く変わっていない」という指摘も……。

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 大久保容疑者は、弘前大学医学部を卒業後、医師免許を取得。厚労省老健局で7年半勤務した経験がある。山本容疑者とは、かつて同じ病院に勤務していたという。
 
 事件の詳しい経緯は、割愛するとして、大久保容疑者の妻、三代氏(44)は24日、会見を開いた。彼女によれば、愉一容疑者は、100万円の月給があったにもかかわらず、三代氏の反対を押し切って医療関係のアルバイトを続けていたという。嘱託殺人で得た報酬は、開業に伴うローンの繰り上げ返済に充てようとしたのではないかと推測。さらに、愉一容疑者は「死にたい」と口にし、自宅で自殺未遂を繰り返していたことも明かした。


■また恋だってできる


 会見では、夫をバッサリ斬って捨てた三代氏だが、23日の自らのブログで「バカにつける薬はない」というタイトルで、こう心情を綴っている。

《安楽死の判断や解釈を決めるのは、国会であり臨床現場ではありません。

現行の法制度がおかしいと思うなら、まず選挙に受かって、国会で議論しろや!!!あなたが選挙に出たいといえば、全力で支えたのに。なんだよ。(中略)

あなたが厚生労働技官をやめるときも、

「絶対やめて」

と懇願したのに、辞めたのはお前だよ。官僚の立場で法案練ることができたのに、今頃何やってんだ!!!!》

 夫を「お前」呼ばわりするのはどうかと思うが、会見を開いた24日のブログはこう書いている。

《昨夜、夫と面会されたという当番弁護士さんからTELがあり

「逮捕後72時間が勝負です。二人の弁護士で担当しようと思いますが…」

的な営業のTELがございましたが

「私の“バイトにいってはだめだ”という渾身の説得もきかず隠れてバイトを繰り返した結果起きたこと。連行される前に本人に言いましたが、自分でやったことなんですから、自分で説明し、責任を果たしてください。私は一切の支援をする気もないし、裁判の経過にも全く興味がありません。面会に行くつもりもありません。国選弁護人とやってください、と本人に伝えてください。(中略)」

とお話ししました。(中略)診療所廃業に伴う残務整理が終わって、必要な名義変更ができたら夫と離婚する。と考えたら、ちょっと元気でた。(中略)27日は、44歳の誕生日。また恋だってできる。きらっきらの40代にしようと決めた。》


■家宅捜査は自民党の陰謀?


 事件の解明はこれからなのに、離婚して、次のパートナーを探そうと言わんばかりである。元国会議員にしては、俄かに信じがたい発言だが……。

 改めて彼女の経歴を紹介すると……。鹿児島県出身、東京女子大文理学部哲学科を卒業後、大分県臼杵市へ移住し、地域おこしグループで活動。26歳でNHK北九州放送局の契約キャスターになるも、リストラで退局。北九州の劇団で役者として活動した後、慶応大学大学院の修士課程を修了、慶応大学グローバルセキュリティ研究所の研究員に。2011年に大久保愉一容疑者と結婚、翌12年に、自民党の推薦で宮城5区から衆院選に出馬し、民主党の安住淳氏に敗れるが、比例東北ブロックで復活当選を果たした。

 ところが、新人議員となった三代氏は、ブログで問題発言を繰り返し、自民党内で度々問題視された。石破茂幹事長(当時)が全所属議員に対して参院選候補者のポスターを千枚貼るように指示をだすと、彼女は2013年6月4日のブログで、

《あ〜、胃が痛い。これはきっと、ストレス性イシバ症候群だわ。呼び出し五秒前なんだけど、説教されたからって、ポスターは一枚も増えないのにさ。》

 などと、書き込み、天皇陛下がご臨席される通常国会の開会式で、お召(礼装ではない)を着て登壇し、顰蹙を買ったこともあった。

 実は、週刊新潮も2014年2月20日号で彼女のことを取り上げている。記事のタイトルは「不倫の夢まで発信する自民党代議士に『石破幹事長』が怒った!」。一般的に議員がブログで発信することと言えば、政策や自分の議員活動に関することである。しかし、彼女の場合、もっぱら私生活に関する話題ばかり。挙げ句、夫が不倫した夢まで書き込む始末であった。当時の記事の一部を紹介すると、

「〈夫が、片山さつき先生と浮気した夢をみて/ものすごーく哀しくて/真夜中に飛び起きた私〉こう始まるのは、1月18日付の大久保センセイのブログ。〈すぐさま、夫にメール〉したそうだ。〈今、あなたに浮気されて、ものすごーく悲しかった夢をみた。すごいんだよ、君は片山さつき先生と、やったんだよ〉“やった”などとえげつなく書かれた片山さつき議員には、同情を禁じ得ないが、夫婦間の微妙な経緯をいちいち曝される夫君も気の毒だ。1月16日付には、〈入院に至った私に対し、姑は『息子に子育てをさせるなんて嫁失格。離縁しなさい』と。それを聞いた夫も“仕事と子育てさせられる俺って可哀想”な気持ちになったんだそうで『離婚だ!次は従順で俺の世話をしてくれる女と再婚するんだ』と〉」

 むろん、この記事に出てくる夫は、愉一容疑者のことである。到底、国会議員のブログとは思えない内容だ。当時、自民党の幹事長だった石破茂氏は、週刊新潮の取材にこう答えている。

「本当は女川町長の須田善明さんに出てもらいたかったのですが、彼は震災復興への使命感から“町長を続けたい”と断った。そこで公募したところ、出てきたのが大久保なんですね」

「あまりの馬鹿馬鹿しさに、今さらその内容を論評する気にもならないけどね」

「女性局長や総務会長、宮城県連会長からも、ブログをやめるよう注意してもらったことはありますが、彼女には全然改める気がないんですね。かと言って、私が直々に注意すれば、100倍に膨らませてブログに書くに決まっている」

 結局、ブログで名前が売れても、2014年の衆院選では自民党公認が得られず、出馬を断念した三代氏。意外なことに、先日7月12日に投開票があった名取市長選に出馬していた。もっとも、現職の山田司郎氏に、1万7000票以上の大差で敗れた。ブログでは、

《警察が家宅捜索にきたとき、最初は呑気に構えていました。

「ああ、選挙でると警察来る、っていうあれ?このまえ首長選でたばっかだし、衆議院解散近いし、自民党の陰謀?」

みたいな。すると警察はすかさず

「選挙のあとに警察くるのは、選挙違反のことだけです。家宅捜索に来るいじょうは、それなりの証拠かためがあって来てますよ」

とおっしゃいました。そして、夜になって報道みると、陰謀でもなんでもなく、夫がやらかしてくれてました。はは》

 とにかく、ブログが大好きな人なのである。今ごろ愉一容疑者は、彼女のことをどう思っているのだろうか。

週刊新潮WEB取材班

2020年7月27日 掲載

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