韓国人が消えた対馬 ゲームのヒットで“神風”吹くか

 大賑わいだった免税店は休業に。ホテルの新築ラッシュもストップ。日韓関係悪化と新型コロナのダブルパンチで、対馬は以前の人口3万の離島に戻った。だが、意外なところから希望の光が見えてきて……。

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 2017年が36万人、18年に41万人。人口3万の対馬を訪れた韓国人の人数である。対岸の釜山から対馬北岸の比田勝港まで、フェリーで1時間。空前のインバウンド景気に沸いていたが、去年は18年に韓国で下された「徴用工」への賠償判決による日韓関係悪化の割を食って26万人、そして、今年4月以降は新型コロナ・ショックで、島を訪れる韓国人はほぼゼロとなった。傍若無人な一部の韓国人が来なくなったと胸を撫でおろす島民もいる一方で、行楽地は閑古鳥が鳴く有様、島の観光業は窮地に立たされることになった。

 その対馬に「神風」が吹きそうな兆候が……。ソニーのプレステ4対応のゲーム“ゴースト・オブ・ツシマ”の大ヒットである。アメリカのゲームソフト会社によって開発され、750年前の元寇の時に、圧倒的多数の元軍に立ち向かった80人の鎌倉武士のひとりが主人公。黒澤映画にインスパイアされたリアルな映像が評判となり、7月17日の発売から3日で240万本の売り上げを世界で記録。ゲームの舞台となった対馬には、韓国人以外の外国人観光客のインバウンドを見込める大チャンスが到来したわけである。対馬観光物産協会では、ホームページでゲームの熱狂的なファンに向けて「聖地巡礼」用ともなるパンフレットを紹介している。

 もちろん、新型コロナによる出入国制限が緩和され、自由に観光客が対馬を訪れられるようになるのが条件だが、そうなれば、ゲームの舞台を訪れてみたいファンが島に押し寄せることも期待できる。後は新型コロナ禍を吹き飛ばす「神風」を待つばかりなのだ。

「週刊新潮」2020年9月3日号 掲載

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