「尖閣」で中国と闘う漁師たちの証言 中国公船の執拗な嫌がらせで既に“実効支配”

中国、尖閣諸島を既に"実効支配"か 中国公船の執拗な嫌がらせを受け漁師が悲痛な本音

記事まとめ

  • 中国公船が尖閣諸島の周辺海域で動きを活発化させ、漁師たちは苦難に直面している
  • 中国公船は「釣りをするな」「出ていけ」などの警告もなく、ただ見ているだけだそう
  • 中国公船に追いかけられ、海保から「すまないけど今日は帰ってくれ」と言われた漁師も

「尖閣」で中国と闘う漁師たちの証言 中国公船の執拗な嫌がらせで既に“実効支配”

「尖閣」で中国と闘う漁師たちの証言 中国公船の執拗な嫌がらせで既に“実効支配”

尖閣諸島で最大の島、魚釣島「国土画像情報(カラー空中写真) 国土交通省」

 中国公船が尖閣諸島の周辺海域で動きを活発化させていることは、ニュースで何度も取り上げられており、ご存知の方も多いだろう。この8月2日まで、日本の領海のすぐ外側にある「接続水域」(日本が法令違反の取り締まりや処罰ができる海域)で、過去最長の連続111日に亘って航行している。では、実際に尖閣海域で漁業を営む漁師たちはどのような苦難に直面しているのか。ノンフィクション作家・西牟田靖氏が取材した。

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 西牟田氏の記事全文は10月1日発売の週刊新潮に掲載されるが、そこでは例えば次のような島民たちの証言が紹介されている。(〈〉部分は記事内より引用)

 日本の最西に位置する与那国島の漁師、比嘉のぼるさん(=仮名)は漁船「瑞宝丸」の「漁撈」として、この5月に尖閣海域の漁に出た際、実際に中国公船に接近されている。

〈「あの時は、魚釣島から500メートルくらいの浅瀬でアカマチを釣ってたの」

 比嘉さんが振り返る。本州ではハマダイと呼ばれるアカマチは、沖縄の三大高級魚のひとつである。

「そうしたら、朝方、中国の船が警告もなくやってきて。ずっとそばでこっちを見ている。距離? そうだな、300メートルくらいだったかな……」

 結構開いているように聞こえるが、海上での300メートルと言えば、陸上よりずっと近い。道路上でいう電柱約二つから三つ分(約100メートル)の距離と考えて良いだろう。

「それくらい近いから、公船のデッキから人が見えた。もちろん手なんて振ってこないさ。“釣りをするな”とか“領海から出ていけ”とか警告もない。ただずっと見ているだけ」

 この時の様子は、ニュースでも報じられている。〉

 尖閣諸島が歴とした日本領土であることは論を俟たないが、海上保安庁はいかなる対応をしているのだろうか。

〈同じ与那国島の漁師・玉城正太郎さんも言う。

「以前、魚釣島の西まで行ったら、中国公船が追いかけてきて、海保に“避難してくれ”って言われたわけ。で、ぐるっと北側を回って島の反対側まで出たら、向こうの船はうちと島の間に入り込んで追いかけてきた。向こうの船は2000トンもあるのに入ってくるんだよね。で、また南に走ったら追尾してくる。そんなことを5マイルほどしていたら、海保の船が“すまないけど今日は帰ってくれ”と。それで帰ってきたことがあった」

 加えて、海保の船はウォータージェットエンジンのものもある。これを近くでふかされると、魚が逃げてしまうとか。なるほど、これでは漁にならないわけである。〉

 10月1日発売の週刊新潮では、地元漁師たちの悲痛な本音を西牟田氏が詳しく報じている。

「週刊新潮」2020年10月8日号 掲載

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