麻生財務相が愛用する「マウスシールド」 感染防止効果は期待できないと専門家が指摘

麻生太郎財務相も愛用するマウスシールドに感染防止効果は期待できないと専門家が指摘

記事まとめ

  • 新型コロナ対策としてマウスシールドを使う人は多く、麻生太郎財務相も愛用している
  • しかし、マウスシールドは大きなツバを防ぐ効果があるだけと専門家が指摘している
  • また、マスクについても、知識を持っておらず正しく着用していない人が多いという

麻生財務相が愛用する「マウスシールド」 感染防止効果は期待できないと専門家が指摘

 近ごろ、新型コロナ感染防止対策で、マスクの代わりに「マウスシールド」を使っている人を良く見かける。政治家では、麻生太郎氏が愛用している。飲食店など、接客業に従事している人の装着が目立つが、不織布マスクと比べて感染防止効果はどうなのか。公衆衛生学の専門家に聞いてみた。

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 アマゾンや楽天では、多くの種類のマウスシールドが出品されている。価格は、大体10枚組で2000円前後だ。最近は、ダイソーやキャンドゥなどの100円ショップにも登場。マスクと違って顔の表情が見えるので、政治家や接客業には人気があるようだ。

「海外では、マウスシールドを装着した人の飛沫が外に出ている様子を可視化したものが発表されています。それを見る限り、マウスシールドは、感染対策になるとは言えませんね」

 と話すのは、聖路加国際大学公衆衛生大学院の大西一成准教授。

「マウスシールドは、目に見えるような大きなツバを防ぐ効果があるだけです。そもそも、マウスシールドは、コロナの感染対策のために作られたものではありません」

 飲食店や販売店など接待業用としてマウスシールドが販売されたのは、2000年代になってからという。

■マウスシールドは調理人用


「飲食店では、調理をする時、ツバが料理に入らないようにマウスシールドを装着しています。調理中に会話をしたりすると、料理にツバが入るからです。ツバが入っても過熱すれば問題ありませんが、お客さんの手前良くないですからね」

 コロナ感染対策として作られたものではないのに、なぜ、コロナ対策として販売されているのか。

「大きな飛沫による接触で感染している、というイメージが広まっているからです。目に見えない飛沫では感染しません。これまでの経験で、マスクで感染しなかったから、マウスシールドでも大丈夫と思っているようですね。けれども、感染しなかったのは、ウイルスがいなかったからです」

 ちなみに、新型インフルエンザは空気感染しないことが証明されている。

「新型インフルエンザの検査を行う際、鼻の中に綿棒を突っ込むので、クシャミした時の大きな飛沫を防ぐために、医療従事者はフェイスシールドを装着します。空気感染しないので、フェイスシールドでも大丈夫です」

ところがコロナウイルスは、空気感染するのかしないのか、まだ結論がでていないという。

「空気感染する可能性もあるわけです。密の場所に行っていないのに、感染したケースがありますからね。さらに、目に見えない小さな飛沫が感染するのかどうかさえ、まだ証明されていません。そうであるならば、最悪の事態を想定して感染防護を行うべきです。マウスシールドや布のマスクは、防護はきわめて限定的です。不織布マスクを着用する必要がありますね」

■正しいマスクの着用でウイルス侵入率が大きく変わる


 大西氏は、マスクの知識を持っていない人が多すぎると指摘する。

「安倍晋三首相が、防護効果が薄い布マスクを国民に配布しました。いわゆるアベノマスクです。マスクを着用しても、鼻を出している人がいます。感染対策というより、エチケットでマスク着用するという感覚ですね」

 マスクの着用の仕方で、ウイルス侵入率は大きく変わってくるという。

「医療関係者でも、正しくマスクを着用している人は少ないのが現状です。正しいマスクのつけ方ですが、不織布で鼻に当たる部分にはワイヤーが入っています。ワイヤーですから、最初隙間ができます。ワイヤーの真ん中をカーブを描くように曲げ、隙間ができないように鼻の形に沿って装着します。そうすることで、ウイルスの侵入を20%しか防げなかったのが、80%防げた例もあります」

 鼻の部分が大きく開いているマウスシールドは、まったく用をなさないということか。

「例えば、マスクと顔の間に髪の毛が1本入っていると、80マイクロメートルの隙間ができます。コロナウイルスの大きさは0・1マイクロメートル。自分の体の800倍の隙間があるわけですから、出入り自由です。そう考えると、マウスシールドがいかに防護用として適さないか、専門家でなくても分かるはずです」

週刊新潮WEB取材班

2020年10月15日 掲載

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