「秋篠宮さま・紀子さま」 ご結婚写真に「掲載NG」と物言いをつけた宮内庁

「秋篠宮さま・紀子さま」 ご結婚写真に「掲載NG」と物言いをつけた宮内庁

物議を醸した写真

■ごく自然な仕草を捉えたものだったが


 紀子さまは、秋篠宮さまの前髪にそっと手を伸ばし、額の汗をおふきになり、おぐしを整えられた――。1990年6月29日のご結婚で、微笑ましいお2人の瞬間を捉えた写真には実は宮内庁が「掲載NG」を突きつけていた経緯があったのである。

(「フォーカス」1990年7月13日号などを基に修正したものです。称号や肩書などは当時のものを採用しつつ、適宜変更しています)

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 秋篠宮さま・紀子さまのご結婚を報じた1990年6月30日付の各新聞を飾ったのは、冒頭の写真だった。

 何とも微笑ましいお二人と言われたこの場面は、29日午後3時から行われた「朝見の儀」終了後の記念撮影の合間に垣間見られた。

 紀子さまは、秋篠宮さまの前髪にそっと手を伸ばし、額の汗をおふきになり、おぐしを整えられたのだ。

 朝から緊張した場面が続く中で、紀子さまがこの日初めて見せられた、ごく自然な仕草を捉えたものだった。

 しかし、この写真について、宮内庁が「掲載まかりならん」としたことから、“問題の写真”となってしまったのである。

 いささかマニアックな、舞台裏の込み入った話になってしまうのだが、皇居や赤坂御所で行われる諸行事のメディア写真が、ほとんどの場合、各社全く同じであることにお気づきの方も少なくないだろう。

 これは、「宮内庁嘱託カメラマン」が撮影した写真を各社に配信しているからなのだ。

 といっても、この嘱託カメラマンは、東京写真記者協会(通称:写協)から推薦された人で、配信する写真の選択などは宮内庁から全面的に任されている。


■「朝見の儀で委嘱したのは、あくまで記念撮影。この写真は、その枠を超えている」


 それで、問題のご覧の写真は、その写協が推薦している2人の嘱託カメラマンのうちの1人、共同通信の写真部員が撮影した。

 当然フィルムの時代だから、共同通信内で現像、焼き付けされ、他の写真と共に写協加盟20社に配信された。

 ネガはこの後、外国通信社各社の幹事社であるロイター通信に渡され、ロイター通信から宮内庁に届けられた。

 宮内庁総務課から写協側に、この写真の「使用差し止め」の要請があったのは、午後8時少し前のことである。

 理由は、「朝見の儀で委嘱したのは、あくまで記念撮影。この写真は、その枠を超えている」というものだった。

 これに対して写協側は、各社の写真部長に電話で諮ったところ、「こういう写真こそ、新しい皇室像を示す写真」「我が社はすでにカラー刷りの態勢に入っている」といったものばかり。

 結局、宮内庁側の要請を拒否し、各紙に掲載されることになったのである。

 態度を硬化させた宮内庁は、嘱託カメラマンによる翌30日の祝宴の儀や茶会の儀などの撮影を拒否。写協側も「自然な動きの中から出た写真である、カメラマンが撮影し、我々が配信したことに誤りはなかった」と強気の姿勢を崩さなかった。

 今となっては、お2人の結婚に関する儀式を象徴する写真として使用されているこの一葉には、それなりにドラマティックな展開が用意されていたのである。


■紀子さまが指輪に込めた意味とは


 もう1枚は、結婚直前の1990年4月、英国オックスフォード大に留学中の秋篠宮さまを捉えたもの。ロンドンの大英博物館内に開設された「日本ギャラリー」のオープニング・セレモニーに出席されていた。

 英語でのスピーチ中の秋篠宮さま。その右手のブレスレットは定番だが、左手薬指の銀の指輪に注目が集まった。

 皇室には婚約指輪の伝統はないものの、秋篠宮さまは前年9月の婚約後、ピンクのパールの周りにダイヤモンドをちりばめた指輪を紀子さまにプレゼントされた。

 皇室ジャーナリストによると、

「秋篠宮さまが贈られた指輪は、美智子さまが若い時になさっていたものです。そして、その婚約指輪のお返しに紀子さまがプレゼントされたのが、秋篠宮さまの左手薬指の指輪になります」

 婚約指輪は本来、男性から女性に贈られるもので、男性の婚約指輪というものは存在しないのだが、そこはお2人のフレッシュさが感じられるというもの。

 そして、指輪のデザインにはちょっとした意味が込められており、

「実は秋篠宮さまが研究されているナマズがあしらわれているんです。お2人が学習院大に在学中、自然文化研究会というサークル仲間とナマズ料理を食べに行かれたことがありました」

「その時、紀子さまは店の看板のナマズの絵を見て、“殿下にそっくり”と仲間に囁いて微笑まれたとか」

 写真からはナマズの表情まで窺うことは難しいが、そのエピソードを聞くにつけ、紀子さまの想いが込められたアイテムであることは間違いない。

週刊新潮WEB取材班

2020年11月7日 掲載

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