ナマズ研究でタイ訪問の「秋篠宮さま」 “公務欠席はいかがなものか”と物議を醸して

 11月8日、立皇嗣の礼に臨まれている秋篠宮さま。過去にはサングラスにブレスレット、ネックレス……。「気楽な次男坊」と評されたその言動はときに物議を醸した。

(「フォーカス」1992年9月25日号などを基に修正したものです。称号や肩書などは当時のものを採用しつつ、適宜変更しています)

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「ナマズの殿下」こと秋篠宮さまが、大好きなナマズをつかんでいらっしゃる。タイの首都バンコクから北へ約170キロ、チャイナート市を流れるチャオプラヤ川だ。

 1992年9月13日から殿下はタイをご訪問中。今回の訪タイはこれが5回目。タイには100種類以上という豊富なナマズがいるそうで、今回もナマズの研究が目的だ。

 バンコク到着の翌14日、クルマで約3時間かけてこのチャイナートに入った。この日のいでたちは、ご覧のように魚や亀などがプリントされた白いTシャツにグレーの長ズボン、白い帽子と白いスニーカーにサングラス。

 地元の漁師10人ほどが、投げた網を引いてくると、ヒザが濡れるまでジャブジャブと川の中に入られた。

 岸辺は沼地のような感じでズブズブ足がもぐるのだけれど、殿下は一向に気になさらない様子。靴を脱いだり、ズボンの裾をまくり上げたりということも全くなさらないのだ。

 それと、殿下は網の中をのぞき込み、ナマズなどの淡水魚を自ら品定めして獲るのだが、この時はカメラを首から下げられたまま。

 一度、漁師の一人がカメラを指差して「濡れますよ」と手マネで話しかけたところ、殿下は(これは防水だから)大丈夫ですとゼスチュア混じりでお答えになる場面があった。

 続いての場面は1996年4月のタイ訪問時の一コマである。

 ご訪問の目的はもちろん、ライフワークとしているナマズの研究。ナマズ捕獲解禁日に行われる伝統的な儀式を視察されるということだった。

 もっとも、このご訪問があらぬ波紋を呼ぶこととなった。

■「現地に親しい女性がいるから」


「同時期に来日している、クリントン米大統領歓迎の宮中晩餐会に欠席されることになってしまったのです。“公務欠席はいかがなものか”という声が結構上がりましたね」

 と皇室担当記者。実際、普段は皇室批判に遠慮がちな新聞各紙が、「ナマズのためなら!? 公務欠席」といった調子でやり玉にあげている。

 女性誌などはさらに踏み込んで、皇室に近い人の声として、タイを再三訪問されるのは、「現地に親しい女性がいるから」と紹介。「紀子さま、ご心痛」とまで、話は広がったのである。

「秋篠宮さまは、リアクションの大きさが相当こたえたようですよ。皇宮警察の若い警官に、記事が出ていた新聞や週刊誌をわざわざ買ってこさせて、お読みになったほどです」

 と、宮内庁担当記者。

 宮内庁は、宮さまのタイご訪問は、クリントン来日決定前に決まっていたこと、と弁明した。しかし一方で、「殿下の意思を尊重し、熟慮の上、不本意ながら決めた」と、ご訪問決定に宮さまご自身の意向が大きく働いたことも認めている。

 こうした中、訪問したタイで、宮さまは精力的にナマズ研究に励まれた。

 バンコクに到着された日の午後、ラオス国境に近いメコン川流域の村に飛び、翌朝、現地の人が「メコンの神」と崇めるオオナマズを迎える儀式を見学。

 その後、ボートで川を上り、漁民から話を聞いては熱心にメモ、かの地のオオナマズは2.5メートル、300キロほどにもなる世界最大級のオオナマズで、宮さまが1985年に初めてこの国を訪問して以来、研究テーマとしてこられた。

 4日間の滞在では、オオナマズの捕獲には立ち会えなかった。

 現地ジャーナリストによるとこの間、「女性と言えば、タイ外務省の通訳(写真右端)がついただけで、“親しそうな女性”の影すら見えなかった」

 ということだった。


■好きな女性のタイプは宝塚出身の新珠三千代だった


 そして、最後の写真は、時を遡って1985年11月30日。20歳の誕生日を迎えたこの日「成年式」での一場面だ。

 ハイライトである「加冠の儀」を終えて、宮中三殿にご参拝のため宮殿前から2頭立ての儀装馬車に乗り込もうとされている。

「加冠の儀」とは、天皇陛下(昭和天皇)や皇太子殿下夫妻(上皇・上皇后両陛下)、中曽根康弘首相、衆参両院議長、最高裁長官らの見守るなかで、昔ながらの装束を身に着けた秋篠宮さまに、加冠役がごらんの冠をかぶせると、別の侍従が冠に掛緒をかけてあごで結び、緒の両端を切り落とす。

 178センチという長身に装束がよく似合い、その立ち姿はなかなかりりしい。

「気楽な次男坊」と言われた秋篠宮さまは記者会見で、「アジアの国々を深く知りたい」と表明された。

 好きな女性のタイプは宝塚出身の新珠三千代で、好きな歌手はパティ・ペイジ、ダイナ・ショア、日本では江利チエミ、浅川マキとも。

 友人からは「オジサン臭い」と言われているとご本人は笑っていたが、英国留学中、ブルック・シールズのポスターを自室に貼っていた皇太子さま(現・天皇陛下)とはだいぶ趣味が違っているようだ。

 この日から約35年が経過した2020年11月8日、秋篠宮さまは立皇嗣の礼に臨まれている。

週刊新潮WEB取材班

2020年11月8日 掲載

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