品川で発生した79歳妻「介護殺人」 同居の息子夫婦は現役の「神奈川県警」警官だった

 東京都品川区の住宅街で、82歳の夫が寝たきり状態だった79歳の妻の首を絞めて殺害する事件が起きた。またしても起きてしまった「介護殺人」。だが、事件が起きた現場は息子夫婦が同居する2世帯住宅で、夫は孤独な「老々介護」に追い込まれていたわけではなかった。しかも息子夫婦は、神奈川県警に勤務する現役の警察官だった。

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「妻を殺してしまいました」

 12月2日、朝8時頃、東京・品川区の民家から警視庁に110番が入った。通報したのは、その後、殺人の疑いで逮捕された小林哲也容疑者。彼は1時間前の朝7時頃、自宅1階の寝室で妻の三保さんの首を手やベルトを使って締めて殺害したのだ。

 警視庁関係者が語る。

「哲也容疑者は三保さんを介護する生活に疲れ果てて犯行に及んだようだ。取り調べに『妻を殺し、追って自分も死ぬつもりだったができなかった』と話しています。前夜、2人は、食事の介助を巡って大ゲンカしていた。哲也容疑者は三保さんに対し、『俺だって頑張っているんだ!』と訴えたと聞いています」

 現場は京浜急行「新馬場」駅から徒歩数分の閑静な住宅街。床面積が150平米もある3階建ての大きな一軒家だ。一見、裕福そうに見える家で起きた悲劇に、近隣住民は驚きを隠さない。

「哲也さんは昔からずっとここに住んでいて、現役時代は銀行に勤めていた。そして、息子夫婦と同居するために、18年前に退職金でこの家を新築したのです。1階が哲也さん夫婦、2、3階が息子さん夫婦の居住スペースだった。小学生になる2人のお孫さんも同居しています。哲也さんは退職後も、品川区のシルバーセンターに登録して、去年くらいまではポスティングの仕事などをされていましたよ」

 1、2年前までは自宅前の植木鉢を手入れする三保さんの姿を見かけたという。

「ガーデニングがお好きな方で、几帳面に季節の花を植え替えていらっしゃいました。最近、お花が変わっていなかったので、どうしたのかなと思っていた矢先だった。近所付き合いがある一家ではなかったので、三保さんが寝たきりになっていることを周囲は誰も気づいていませんでした。お金に余裕があるんだし、施設にでも入れる方法はなかったのかと思うのですが……」

■薬物銃器係に勤務する巡査部長


 近隣住民たちを驚かせた理由は他にもあった。別の住民が打ち明ける。

「実は息子さん夫婦は、現役の神奈川県警の警官なんです。2人揃って。お孫さんの公開授業でお見かけしたことがありますが、まったく警察官には見えない大人しそうなご夫妻でした。警察官が在宅する家で殺人事件が起きたなんて、みんなでびっくりしていて……」

 前出の警視庁関係者によれば、息子はノンキャリの巡査部長で、所轄の薬物銃器係に勤務しているという。

「彼が勤務する所轄は、県内でも治安の悪い地域。最近は大麻の摘発事件も増えており、仕事に忙殺されていたと思う。奥さんも仕事をしながら子供2人の面倒を見るのは大変だったろうし、2人とも親たちをケアしきれなかったのかもしれません」

週刊新潮WEB取材班

2020年12月6日 掲載

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