再び緊急事態宣言 新宿・歌舞伎町のラブホテル従業員が語った「売上1日1万円」の惨状

 とうとう1都3県で、2度目の緊急事態宣言が出されることになった。前回に引き続き、最も打撃を受けると言われているのは飲食店だが、男女の営みに欠かせられないラブホテル業界はどう構えているのか。コロナ禍で、クラスターを起こす象徴的な歓楽街として槍玉に挙げられた新宿・歌舞伎町のラブホテルで働く従業員が、惨状を赤裸々に明かした。

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■東京五輪に備え設備投資に踏み切ったことがアダに……


「正直、宣言が出ようと出まいと、厳しい状況に変わりはないので、半ば諦めています。最近の売上は1日1〜2万円程度。休憩客が5、6人入ればいい方で、土日もへったくれもない。コロナ禍が始まってから新宿界隈では十数件のラブホテルが廃業しましたが、また1カ月間もアレがやってくるとなると、さらに増えるでしょうね」

 こう語るのは、歌舞伎町のラブホテル業界で、30年間働いてきた50代の従業員である。日本最大の歓楽街と言われる歌舞伎町界隈には200軒ものラブホテルが軒を連ねるが、コロナが広まる前の昨年春先までは、どのホテルも浮かれていたという。

「東京五輪でインバウンド客が押し寄せてくることが必至でしたから。どこも外国人向けの翻訳機を全室に配置したり、張り切って準備していたんです。1000万円以上かけてボイラーを買い替えるなど、設備投資に踏み切っていたホテルも少なくなかった。ラブホテルは風営法の縛りで新規に開業できないので、古い施設のまま頑張っているところも多い。この機にと意気込んで多額の投資をした業者ほど苦しくなってしまった」

 とはいえ、業界全体を見渡せば、恩恵を受けたホテルもあったという。

「郊外のホテルは良かったと聞いています。前回の宣言期間中は、行き場のないカップルが午前中から押しかけ満室状態だったとか。けれど、ウチのような歓楽街の中のホテルはモロに影響を受けますよね。宣言期間中は、クローズしてしまったので売り上げゼロ。再開後も閑古鳥が泣き続け、昨年比7〜8割減くらいです。本当は歌舞伎町だろうが、池袋だろうが、ラブホテルは2人の男女が逢瀬を重ねる場なので、クラスターが起きない安全な場所なんですがね」

■コロナ禍にやってくる客は性欲が強い「不倫カップル」


 コロナ禍でもやってくる客については、

「やっぱり性欲の強い人が多いですね。我慢できない人たち。なぜ分かるかって? それは終わった後の部屋の様子でわかりますよ。随分、荒らしてくれたなぁと。ただでさえ清掃は、換気時間を長く設けるなど気を使っているので、手間がかかってしょうがない。もっとも、回転率を気にするほど客が入っていないので、売り上げには影響はないのですが……」

 一番多いのは不倫客だそうで、

「佇まいを見ればすぐにわかります。道ならぬ恋はコロナなんかでは止められないんでしょう。あと、一夜限りの男性を連れてくる女子大生が増えた印象があります。キャバクラや風俗でお金を得られなくなった若い子たちが、“最終手段”に出たのでしょう。実際、最近、大久保病院のウラあたりに、これまで見かけなかった若い女性が立っているのを見かけるようになりました」

 ラブホテル業は、風営適法化法に基づく「性風俗関連特殊営業」にあたるため、持続化給付金の対象外である点も彼らを苦しめているという。

「ただ、これについては不公平があって、本当は警察に届出しないといけないのに『旅館』として営業を続けているところは、ちゃっかり給付金を得ているんです。ラブホテルが飲食店などに比べて廃業件数が少ないのは、古くからやっていて土地建物を所有している業者が多いから。我々は家賃に苦しまされることがないのです。とはいえ、また緊急事態宣言となれば、資金が底をついてしまう業者も出てくるでしょう」

 開けていても意味がないので、再び発令されたらまた店を閉めるという。

「閉めれば、従業員の給料を補填する雇用調整助成金だけはいただけますからね。ただ、そんなのは慰み程度。なすすべもなく禍が去るのを待つばかりです」

週刊新潮WEB取材班

2021年1月7日 掲載

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