カラオケ喫茶やスナックと違い、「カラオケボックス」ではクラスターが発生しないワケ

カラオケ喫茶やスナックと違い、「カラオケボックス」ではクラスターが発生しないワケ

「カラオケボックス」ではクラスターが発生しないワケとは(※写真はイメージです)

 カラオケボックスといえば、防音のため窓のない閉ざされた空間、まさに密室である。そんな場所で歌えば、飛沫も普段の何倍も放出され、新型コロナウイルスにも感染する確率が高くなると思われがちだ。実際、カラオケ店でクラスターが発生したという報道はあるものの、よくよく見れば、カラオケ喫茶やカラオケスナックである。意外なことに、カラオケボックスでは、これまで1件も発生していないのだ。

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 そもそもカラオケ喫茶やスナックとカラオケボックスは、建物の構造がまったく異なるという。

「ほとんどのカラオケボックスの個室には、建築基準法で吸排気設備の設置が義務付けられています」

 と解説するのは、日本カラオケボックス協会連合会の広報担当者。同会には、日本の全てのチェーン店舗運営会社を含む約1000社(店舗数は約4300店)が加盟している。

 同会に加盟する店舗では、2020年12月31日時点でクラスターは1件も発生していないという。

 カラオケ喫茶やスナックは、換気扇は小さくても法的に問題はない。もっとも、外に音が漏れるのを防ぐため窓は閉めるので密閉空間となり、充分な換気ができておらず、また感染対策が不十分であったためにクラスターが発生したようだ。

「コロナの感染拡大を受け、感染症を専門とする藤田医科大学の吉田友昭教授に実験を行っていただきました」(同)


■「エアロゾル」排除には換気が重要


 同会のホームページには、その実験結果が報告されている。吉田教授は以下のように解説する。

《コロナのクラスター予防には、とかく見落とされがちな「エアロゾル」、小さな飛沫ですね、それを排除するための換気がどのくらいされているか、ということが非常に重要であることになります。》

 カラオケボックスでの換気の実態をスモークテストで確認したという。

《給排気、換気のシステムが回っていない時は、スモークがほとんど止まって動かないですが、給排気システムが動きはじめると、“ビュン”というほどではないが、ゆっくり確実に排気口に向かって煙が流れていく。そこにエアコンの風がかぶると上から降りてきた風が床にあたって上昇気流を作り、多少渦を巻きながらも、結果的に非常に早い速度の上昇気流がおきて、スモークが毎秒20〜40cmの速さで舞い上がっていた。こういった空気の流れの速度が、クラスターがおきにくい非常に大きな要因であることが推察される。》

 カラオケボックスの換気能力はどのくらいか。

「ビルの換気能力や部屋の大きさによっても異なりますが、7〜12分の間に1回空気が入れ替わる設計となっています。新幹線などの公共交通機関の換気能力と同程度です。吸排気設備とエアコンが作動しているため、飛沫が少なくなります。これは理化学研究所でのシミュレーションでも証明されております。このことは、一般の方にはあまり知られておりません。カラオケボックスの換気設備がクラスターを防ぐことを政府や各自治体に説明していますが、それでもカラオケは危険な場所だという言い方をされますね」(広報担当者)

 多くの焼き肉屋は、高性能の換気設備を備えていることは知られている。カラオケボックスの換気設備もまさかこれほどしっかりしているとは意外である。


■マスク着用で歌唱


 吉田教授によると、カラオケボックスの換気能力は、建築基準法に定められた基準よりも3〜4・5倍高いという。元々食事のにおいなどを次の利用者に感じさせないようにするため、換気が強化されたという。その優れた換気がクラスター発生を防いでいるようだ。

 カラオケボックスでは、感染を防ぐために、こんな措置も行っている。

「現在、カラオケボックスでは、利用客にマスクを着用して歌唱していただけるようお願いしております。理化学研究所によると、マスクを着用し、さらに吸排気設備の排気口の下で歌唱すると、ほとんど飛沫は飛ばないというシミュレーション結果がでていますので、お客様にはその位置で歌唱していただくよう案内しております。また、各部屋へのご案内は定員の半数以下とし、客席は最低1メートル間隔をあけるように座席を配置しております」(同)

 コロナ対策は、やはり換気が重要ということである。

週刊新潮WEB取材班

2021年1月7日 掲載

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