英エリザベス女王が「コロナワクチン」接種 天皇・皇后両陛下はいつ、どこで?

英エリザベス女王が「コロナワクチン」接種 天皇・皇后両陛下はいつ、どこで?

昨夏の戦没者追悼式には、マスク姿でお出ましに

 英王室は9日、エリザベス女王(94)と夫のフィリップ殿下(99)が、新型コロナウイルスワクチンの接種を受けたと発表した。日本でも2月下旬よりワクチン接種が始まる見込みだが、皇族はいかなるタイミングで、どのように接種することになるのだろうか。

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 日本でも大々的に取り上げられた、英王室のワクチン接種。BBCニュースは〈英王室の消息筋〉からの情報として、

〈女王夫妻はウィンザー城で王室付きの医師からワクチンの注射を受けた〉

 と報じた(1月10日付日本語版より)。

 英国では昨年12月から医療従事者や80歳以上の高齢者らを対象にしたワクチン接種が始まっていて、すでに約150万人が受けたという。米ファイザー製など複数のワクチンが承認されているが、女王夫妻がどのワクチンを受けたかは明らかにされていない。

 王室が女王の健康に関する情報を公にするのは、異例のことだそうだ。〈女王は世間の憶測を打ち消すため、自分たちのワクチン接種について公表を認めたという〉(同)というから、文字通り身体を張って国民に見本を示したといえよう。ちなみにヨーロッパの王室では、デンマークのマルグレーテ女王(80)もワクチンを接種したと公表している。

 そこで気になるのが、日本の皇族のワクチン接種事情である。

 G7で唯一ワクチン未承認の日本でも、ようやく2月下旬から接種が始まる見込みだ。英国同様、医療従事者と65歳以上の高齢者、呼吸器疾患など14種類の基礎疾患がある人たちが優先して接種され、現時点でその対象は約5000万人となる。“日本国の象徴”である天皇陛下(60)をはじめとする皇族は、いつ、接種することになるのだろうか。

「今回のコロナワクチンに限らず、インフルエンザのワクチンなどでも、皇族の方だから『順位』を早めるということはありません。一般の高齢者や基礎疾患を持つ方などと同じカテゴリーで、接種を受けることになります」(厚生労働省健康局健康課予防接種室)

 つまり、天皇皇后両陛下であっても“特別扱い”はなし。先月87歳を迎えられた上皇陛下ならびに86歳の上皇后陛下のおふたりは、通常の「高齢者」と同じ優先枠で、ワクチンを接種することになる。


■2009年の新型インフルエンザ時には…


「皇族とワクチン」をめぐってはこんな前例も――。09年に新型インフルエンザが猛威を振るった際のことである。この時は全世界でおよそ1万4000人が亡くなり、日本でも累計902万人が感染したとされる。

 当時、羽毛田信吾宮内庁長官は定例会見で、天皇陛下(※現・上皇陛下)が「11月22日」にワクチン接種を受けたと発表。陛下は前立腺がん治療のためにホルモン療法を受けており、優先接種の対象になっていた。

 09年の新型インフルエンザで、ワクチンの優先接種が始まったのは「10月19日」。陛下の接種は、その一か月後のことだった。なお、当時、〈皇后さま(※現・上皇后陛下)の接種は国が決めた優先順位に従い、来年以降になる見通し〉(共同通信)とも報じられている。

 今回のコロナワクチンで、天皇皇后両陛下は優先接種の対象にはならない。皇室ジャーナリストの山下晋司氏は「政治的なメッセージとして国民に受け取られるようなタイミングでは接種されないでしょう」と見る。

「昨年12月23日に、天皇皇后両陛下は厚労省の医務技監を赤坂御所に招き、ワクチンについてご進講を受けられました。このことからも、ワクチンに高い関心をお持ちであることは伺えます。ただしご自分たちの接種については、一般国民と同じ扱いを望まれるのではないかと思います。高齢の方が優先されるなら、皇室では97歳の百合子妃殿下からということになるでしょう」

 英国は「反ワクチンデモ」が行われるほど、懐疑派が多い。そんな英国と日本とでは、事情の違いもあるだろう。


■福島県産の米をお求めになった陛下


 先述のとおり、エリザベス女王はワクチンをめぐる憶測を打ち消すべく、ワクチン接種を公表した。同様に、天皇陛下が率先する形で、国民の不安を払拭した例は過去にあるという。

「英国王室のケースと同一視していいものか分かりかねますが、東日本大震災の原発事故後、初めて福島県広野町でコシヒカリが収穫された2013年のことです。当時、そのお米は各省庁の職員用食堂で提供されることになっていました。その報告を受けた天皇陛下(現 上皇陛下)は『苦労されて作ったお米であろうから、自分たちも少しいただこうか』と、御所に届けてもらい、召し上がったのです」
(山下氏)

 いわずもがな、福島県産の農作物への風評被害が大きかった時期である。陛下のこのお振る舞いによって、生産者はどれだけ元気づけられたことだろう。

 さて、最後に具体的なワクチン接種の手順である。皇室ともっとも「近い」病院となると、皇居の東側に位置する宮内庁病院が思い浮かぶが……。

「宮内庁病院以外では、上皇上皇后両陛下が手術を受けられた東大病院も頭に浮かびますが、これらの病院に行かれてワクチン接種をされることはないのではないかと思います。侍従職、上皇職、皇嗣職には常勤の侍医や看護師がいますから、それぞれのお住まいで対応できるのではないでしょうか」

 この点は、ウィンザー城で接種した英王室と同じ。皇族がワクチン接種をされた暁には、宮内庁は発表するのだろうか。

週刊新潮WEB取材班

2021年1月20日 掲載

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