春節の「横浜中華街」に行ってみた 緊急事態宣言の影響、そして実物大ガンダムは?

春節の横浜中華街を訪問、かなり少ない人出も人気店では行列も

記事まとめ

  • 2月17日までは春節のシーズンで、コロナがなければ横浜中華街は賑わっていたとされる
  • 2月14日の日曜日に横浜中華街を訪問、春節を考えるとかなり少ない人出だったという
  • 中華料理店の店主は「今年の店の客入りは例年の半分以下」と証言している

春節の「横浜中華街」に行ってみた 緊急事態宣言の影響、そして実物大ガンダムは?

 日本各地がコロナ禍にあえいでいるが、とりわけこの時期のこの場所は、平時との落差が露骨に見て取れるかもしれない。春節の日曜日を迎えた横浜中華街である。本来であれば“日本でもっとも混んでいてもおかしくない”はずの現地を、流通アナリストの渡辺広明氏が訪れた。

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 神奈川県の横浜中華街には、年間2000万人以上の観光客が訪れるといわれています。神戸の南京町、長崎新地中華街を上回る日本最大規模の中華街で、ディズニーランドの年間来場者数が平均およそ3000万人であることを鑑みると、いかに人の集まる場所であるかが分かります。

 実際に横浜中華街を訪れるのは約95%が日本人とされますが、2月11日から17日までは、春節のシーズンです。コロナがなければ、日本で暮らす中国の方や中国人観光客、またその他の諸外国からも多くの客が遊びにきていたことでしょう。実際、昨年の春節では、コロナの脅威も今ほど取り沙汰されてはおらず、感染対策をとりながら賑わう街の様子をメディアは伝えていました。

 では、今年の横浜中華街はどうだったのでしょうか。2月14日の日曜日に訪問しました。

 結論からいえば「人がいないわけではないが、春節を考えるとかなり少ない…」人出でした。掲載の写真を見ていただけければ、普段の休日の中華街の賑わいを知る人は、驚かれるのではないでしょうか。これには緊急事態宣言の影響も大きそうです。読売新聞オンラインは、昨年11月22日に〈にぎわう横浜中華街「普通に歩くだけでも相当に密だ」〉という記事を配信していました。Go Toイートが停止されたものの、3連休で賑わう中華街の様子を伝える記事です。


■「いつもならディズニーランド状態」のはずが…シャッターを閉める店も


 さる中華料理店の店主は“例年なら町はディズニーランド状態なのに、今年の店の客入りは例年の半分以下”と証言しました。

「ただ、長く続くコロナ禍に感覚が麻痺してしまっている部分もあります。冷静に考えればかなりお客さんは少ないのに、少しでもマシだと“やったー”と思ってしまいますね」

 むしろ、この店は上手くやっている方かもしれません。通りには、シャッターを下ろしている店も、ちらほら見受けられるのです。

 東京新聞は2月13日の配信記事で〈この1年で40店以上が閉店する一方、新規出店はその半分以下にとどまる〉という中華街の状況を伝えています。〈500メートル四方に500超の店がひしめく〉(同)中華街は、もともと、入れ替わりの熾烈な激戦地ではありました。出る店は多くても、新たに入る店が多かったわけです。

 それが、脇の通りはもちろん、メインストリートである中華街大通りでさえ、閉店している店がいくつもありました。たとえ「廃業」でなくても、「中華菜館 同發」など、複数の店舗を構えるところは、その一部を閉める対応をとっています。これは観光客減に加え、接待など会合での団体客需要がコロナで失われたことが大きいと思われます。「大皿・直箸」の中華料理文化も、ウイルス禍との相性は良くないと言えるでしょうか。

 ただし、人気店は変わらず人気でした。ランチタイムに通ると、お粥で有名な「謝甜記」や、別館は閉じていると紹介した「同發」の本館などは、普段より人の数は少ないものの、行列ができていました。もともと激戦区である中華街、その“人気格差”が、コロナによってさらに浮き彫りになったように感じます。

 ちなみに、コロナに対する不安ゆえか、中華街にいくつかある「占い屋」も賑わっていましたね。


■「実物大ガンダム」も人影まばら…


 本来であれば、春節の時期にはパレードなどが行われる中華街ですが、今年は、神事以外のイベントは中止となっています。悪天候以外での中止は、過去35年間で初めてのこと。山下町公園では西遊記をモチーフにしたランタンオブジェなどが設置され、ささやかな春節の催しが行われていました。

 話はやや横道にそれますが、今、周辺で忘れてはならないイベントといえば、中華街から歩いてすぐの山下ふ頭で展示されている「実物大ガンダム」です。昨年12月19日から始まった「ガンダムファクトリーヨコハマ」の会場も訪れてみました。

 動くガンダムを間近で楽しめる特別観覧チケット(13歳以上1650円、7〜12歳が1100円の入場料とは別に、3300円の追加料金)が売り切れているあたりは、さすがのコンテンツ力といえるでしょう。とはいえ、本当であれば、海外からのファン集客も見込んだ企画だったはず。主催者からすれば“大誤算”であろう、人の少なさでした(会場内で撮影したため、写真の掲載は割愛します)。イベントの関係者によると、

「お客さんのうち、3分の1がガンダムファンで、あとは一般の方です。平日は本当にガラガラですよ……」

 とのこと。横浜観光の“ついで”需要が大きいようですから、中華街の状況を鑑みると、仕方がないといえるでしょう。

 このようにコロナの暗い影がいたるところで感じられた中華街ですが、一方で、緊急事態宣言さえ明ければ、一気に賑わうポテンシャルを秘めているとも感じます。旅行や遠出ができない状況でも“近くで異国情緒が楽しめる街”が、横浜中華街であるからです。そう遠くないはずの宣言明けの暁には、ソーシャルディスタンスを保ちつつ、また、訪れたいものです。

渡辺広明(わたなべ・ひろあき)
流通アナリスト。マーケティングジャーナリスト。株式会社ローソンに22年間勤務し、店長、スーパーバイザー、バイヤーなどを経験。現在は商品開発・営業・マーケティング・顧問・コンサル業務など幅広く活動中。フジテレビ『FNN Live News α』レギュラーコメンテーター。

デイリー新潮取材班編集

2021年2月16日 掲載

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