小4女児虐待死から半年、近隣住民の収まらない怒りと “鬼父” 実父の弁明

父親からの虐待を訴えたアンケートの写し(野田市教委提供)

 今年1月、千葉県野田市の小学4年、栗原心愛さん(当時10)が実父からの虐待を受けた末に死亡した事件。

 父親の勇一郎被告(41)は傷害致死罪で起訴されたが、

■「第2回公判前整理手続きが7月24日に実施されました。内容は公表していません。次回は9月6日になります。初公判の期日は決まっていません」(千葉地裁担当者)

■今でも怒りが収まらない近隣住民

 一方、夫の暴行を阻止できなかった傷害幇助罪で起訴された母親のなぎさ被告(32)の公判は5月16日に千葉地裁で開かれ、その日に結審。6月26日に懲役2年6か月、保護観察付き執行猶予5年の判決が下った。

 法廷で明らかにされたのは、心愛ちゃんが味わった死に至る数日間の、耳をふさぎたくなるようなひどい現実。

■ 寝室に閉じ込められトイレにも行かせてもらえず、暴行を加えられ、食事も睡眠も与えられず、風呂場で立ったまま駆け足を強要され、1月末に冷水をかけられ……というまるで鬼畜の所業。それを制止せず見ていたなぎさ被告を、検察側は「母親として責任を放棄した悪質な犯行」と切り捨てた。

 近隣に住む女性(70代)は、

■「母親なら命をなげうってでも子どもを守るべき」

 と、守りきれなかったなぎさ被告に対する忸怩たる思いを吐露。同じく近隣に住む男性(70代)は、

■「“秘密は守ります”と言っておきながら守らなかった学校や教育委員会も許せません。絶対に守ってくれると思って心愛さんは虐待のことを教えたはずなのに」

 と心愛さんを守らなかった周囲の大人たちに憤慨する。執行猶予付きの判決には「納得いきません」(別の70代の女性)、「ちゃんと償ってしっかり生きてほしい」(60代女性)という声もあった。

 事件現場となった自宅には、以前と違うカーテンが引かれて物干し竿も置かれ、新たな住人が暮らし始めていた。駐輪場に止められたままだった心愛ちゃんお気に入りの自転車は、どこにもなかった。

■どこか他人事のような、被告の実父

 野田市内の勇一郎被告の実家は、いたるところに大きな蜘蛛の巣が張り、庭の雑草は大人の腰ぐらいまでの高さに伸び、まるで空き家のよう。

父親の勇一郎被告

■「栗原さんちの家族は、事件が発覚した翌日には、どこかへ行ってしまった」

 そう話す近隣住民は、勇一郎被告の実父が、荷物を取りに1週間に1度、時間にして30分程度、自宅に戻っていることを明かし、

「最後に話したのは、なぎささんの初公判の1週間前くらいでした。“ご迷惑をおかけしました。これから本格的な裁判も始まりますので”と言っていました。■息子さんが虐待していたことについては“知らなかった”と話し、さらに今回の事件については“夫婦間の問題なので”と、どこか他人事でした。“今はどちらに?”って聞いたんですけどね、“言えない”って。“マスコミに答えると違う方向に話をもっていってしまうので、答えないようにしている”と言っていました」

 一連の事件の過程で、心愛さんのアンケートの秘密を漏らすという大きなミスを犯した野田市教育委員会は、

「今年度は、アンケートの前に個人面談をして、アンケートに書いてくれた気持ちをちゃんと受け止めるからね、と事件の謝罪をしながら担任を通して話をしています。野田市全部の小中学校で、そうやっています。

 心愛さんが在籍していた山崎小、二ツ塚小では、4月にPTA総会、6月にアンケート調査を行うにあたり臨時の保護者会を開き、学校は丁寧な対応をしていくということを伝えました」

 と変化を強調する。

 事件後、担任の計らいで教室に残されていた心愛さんの机は、もう置かれていない。

■「心愛さん自身のことを忘れないように、という取り組みについては具体的には何もしていません」

 と前出・教育委員会は話すが、再発防止のためにも、この先ずっと、心愛さんの悲劇を忘れない取り組みが重要だ。

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