“90代&80代” 独身姉妹が民家で腐敗死体に…「うちわ1枚で乗り切れなかった夏」

姉妹の遺体が見つかった住居。塀は朽ち、草木は伸びっぱなし

「最初は近所の交番のおまわりさんが1人で来て、応援を待って2人で姉妹宅に突入したんです。すでにふたりとも亡くなっていて、遺体は腐敗が始まっていたそうです」

 と近所の男性は話す。

 東京都新宿区中井の民家1階で8月19日夕、この家に住む90代の姉と80代の妹とみられる2遺体が見つかった。

 警視庁によると、1人は台所で、もう1人は寝室でそれぞれあおむけに倒れており、現在、身元を確認している。遺体発見のきっかけは近所からの通報。ポストに1週間分の新聞がたまり、室内の電灯がつきっぱなしだった。

「担当配達員から“新聞がたまっている”と報告を受け、留守かな? おかしいな? と思っていた矢先の遺体発見でした。■あとから思えば、窓を開けっぱなしで留守にするのはおかしい、と気づければよかったんですが……」

 と新聞販売所の所長。

 全国紙社会部記者は、

「事件性はなさそうだ。遺体に目立った外傷はなく、自殺を示唆する遺書や争った痕跡など不審な点は確認されていない。■持病の悪化や熱中症などで亡くなった可能性がある。ただ、室内は物がごちゃごちゃで、空き巣に入られたのかと当初疑われたほどの荒れ具合だった」

 と発見時の状況を説明する。

■他人の世話になりたくないタイプで──

 姉妹はふたり暮らし。周辺住民などによると、築50年以上とみられる木造住宅でもともとは父親と3人で住んでいた。やがて父親は亡くなり、いずれも独身だった姉妹だけで生活するように。

「■とても仲のよい姉妹でしたよ。おふたりとも健脚で年をとっても杖などに頼らず、平気で数駅先まで散歩していました。ご自宅の柿の木に実がなると、“収穫したいんだけれど背が届かないのよ〜”と笑って。植木職人にとってもらい“はい、お裾分け”と近所に配ってくださった。とっても甘くて大きな柿でした」

 と古参の女性住民。

 こうした気配りのできる姉妹だったため近所の評判はおおむねよかった。年金生活とみられる中、町内会費は遅滞なく払い、集金に来た役員には「ご苦労さまです」と丁寧に頭を下げた。過去に自宅の草木が路上まで伸びて通行人の邪魔になったときは、知人と思われる中年男性に伐採してもらっていたという。

 しかし今、姉妹宅はまたも“通行の邪魔レベル”まで草木が伸びきっていた。

 前出の男性住民は「■最近はおふたりとも外出しなくなっていた」と、姉妹に起こった変化を口にする。

「■お姉さんは約10年前に足を悪くし、最近はほぼ寝たきり状態に近かったらしい。面倒をみていた妹さんもここ1年、体調を崩したのか家から出なくなった。近所を頼ってくれればよかったんだけれども、あまり他人の世話になりたくないタイプらしく行政の支援も受けなかった」

 と明かし、姉妹特有の質素な生活スタイルに触れる。

「■そのうえ、自宅にエアコンや扇風機がなく、うちわ1枚で夏を乗り切ろうとしていたみたい。妹さんがたぶん先に倒れ、面倒をみてくれる人を失ったお姉さんが後を追うように亡くなったのではないかと話しています」(同住民)

 新宿区によると、75歳以上のひとり暮らしの高齢者に対しては2週間に1度、安否確認を兼ねた訪問をする仕組みがある。つまり姉妹ふたり暮らしだったためセーフティーネットから漏れたかたちだ。

 新聞がたまり始めたのは8月12日。気象庁のデータでは付近の前日、11日の最高気温は36・2℃。いわゆる猛暑日で、うちわでしのげる暑さではなかった。

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