《監禁転落死事件》東尋坊から生きたまま…命を落とした親友の悲痛な告白

事件の2週間前の嶋田さん。天真爛漫で口が悪いところもあったが憎めない性格だった

■「悲惨な顔になっとるから、見んといてほしい……」

 被害者の母は息子の友人にそう告げて、悲しみに暮れていたという。

 その被害者は、福井県坂井市の名勝・東尋坊から転落死した滋賀県東近江市の嶋田友輝さん(20)。東尋坊は若狭湾の波に削られた断崖絶壁が続く絶景ポイントだが、自殺の名所としても知られている。

■「暴行している」と通報があった

 しかし今回の事件では、嶋田さんがひとり自ら飛び降りたというわけではなさそうだ……。

 10月19日の朝、嶋田さんは東尋坊の海に浮かんで死亡しているのが発見された。

 同日、滋賀県警は、■18日の午前9時から午後6時の間、滋賀県彦根市から100キロ以上離れた福井県坂井市に向かうレンタカーのトランク内に嶋田さんを監禁した容疑で、計7人を逮捕。

 とび職で滋賀県長浜市に住む上田徳人容疑者(39)や、同じとび職や無職の17〜19歳の少年6人で、嶋田さんとの面識はあったという。

 大手新聞の社会部記者が次のように説明する。

「■17日の深夜、嶋田さんや上田容疑者の知人から“上田容疑者や少年たちが嶋田さんを暴行している”という通報が、彦根署にありました。警察が捜査していたところ、18日の午後10時半ごろ、滋賀県多賀町のサービスエリアで少年らが乗っていたレンタカーを発見して、逮捕したというわけです」

 21日には嶋田さんの死因が判明。脳挫滅だった。

■「脳挫滅は生きたまま、およそ20メートルの崖から転落して、岩に頭を強く打ちつけて死亡したことによるもの。また、遺体には複数の打撲痕があって、これは暴行によって残ったものと思われます」(捜査関係者)

 10月26日現在、上田容疑者と少年らの容疑は、監禁のみだが、これだけですむ事件なのだろうか……。事件に強いショック受けていた嶋田さんの友人は、週刊女性の取材にこう語ってくれた。

■警察ざたの過去も

「もしかしたら、仲間割れかもしれません。嶋ちゃんは昔から顔が広く、いろいろなグループと付き合いがあります。“ワルとは付き合うなよ”と僕が注意すると、“わかったよ”とは言っていましたけど。

 ■事件の2週間ほど前、カラオケ店でばったり嶋ちゃんと会ったとき、金髪の2人と一緒に来てましたからね」

 1万円程度の金額なら返さないようなルーズな面もあったという嶋田さん。

慕われていた嶋田さんの名前から「嶋田組卍(まんじ)」というグループ名をつけていた

 逮捕された少年らと、さらに別のグループとのいざこざになって警察ざたになったことがある。

 10月上旬、東近江市でのことだった。

■「コンビニの前で、嶋ちゃんから、おっさんたちにケンカを売ったみたいなんです。ところが、彼は逆にボコボコにされてしまって、仲間が警察を呼んだ。

■ でも、嶋ちゃんは見知らぬ人にケンカをふっかけるやつじゃないので、おっさんたちとは初対面ではなかったと思う。以前に、からかわれたとか、そういうことがあったんやないかと……」

 このころ、嶋田さんの家族からは行方不明届が出されていたのだ。そのため、県警は本人に家族へ連絡するように促していたという。

 家族とも何らかのトラブルを抱えていたのだろうか。実家があった滋賀県大津市の公営住宅の住人はこう証言する。

■「15年ぐらい前、嶋田さんのお母さんが離婚して、子ども2人を連れてここに引っ越してきました。当初は母子手当や、生活保護も受けていたみたい。介護の仕事をしながら、女手ひとつで育てていたね。長男はまじめやけども、友輝くんは、やんちゃやったね」

 2年ほど前に嶋田さんが家を出て、長男も家を購入して独立すると、母親も引っ越したという。

 嶋田さんは高校を2年で中退し、母親の影響で介護の仕事や、建設現場の仕事などに就いていたようだ。今回の容疑者たちとは、仕事先で接点が生まれたのかもしれない。

■主犯格は19歳らしい

 捕まった最年長の上田容疑者も建設現場を転々としていたという。自宅がある長浜市内で2〜3か月前から働いていたというとび会社の関係者は、

「週に1〜2日でひとり親方という形で働いてもらったけれど、アルバイトという形。朝が早い仕事だけど、7時でも8時でもきちんと来るし、性格も穏やかだから、なんでこんなんになったんか、俺もわからんのよ」

 と首をかしげる。凶悪事件とは結びつかないが、こんな話も。

「■報道で上田は1人だけ名前が出とって、年も離れとるから、主犯格に見えるけど、実は主犯格は19歳らしい。その子と上田は親戚か知人で、頼まれたのではないかと。その主犯格と被害者は同じとびの会社で働いていたとも聞いたよ」(同・関係者)

 前出の友人が嶋田さんとの思い出話を続ける。

「嶋ちゃんは神出鬼没という言葉がピッタリで、変なところもあるけど、面白くて、友達思いのいいやつ。友達が落ち込んでると、次の日に仕事があっても家に来て、朝方まで元気づけてくれてね。

 ボクらは小・中学校の同級生グループですが、高校は別々になっても、年に1回は集まって、自転車で琵琶湖一周したり、京都へ行ったりして遊ぶ仲間でした。年末も必ず集まってね」

 昨年の夏は、琵琶湖湖畔でBBQを楽しんだという。夕方、片づけていたところで突然、1人が言い出した。

「これから東尋坊へ行ってみようぜ!」

 その場のノリで、行くことになり、車2台に分乗して、■「夜9時半ごろに東尋坊へ着いて、みんなでひとしきり遊んでから帰ると、もう朝の4時でした。1年前は、あんなに楽しかった思い出の場所なのに、そこで生きたまま落ちるなんて……」

 と、友人は悔しさと悲しさで身体を震わせ、語気を強めた……。

東尋坊

 事件後、嶋田さんの友人たちは東尋坊へ出向き、花束や嶋田さんが好きだったタバコなどを海に投げて、その死を悼んだそう。

「嶋ちゃんの死に顔を見ていないので、まだ死の実感がないんです。神出鬼没の嶋ちゃんだから、年末の集まりにはひょっこり顔を出すんやないかという気がしてるんです」

 目の前で嶋田さんが亡くなる姿を見たであろう容疑者たち。この友人が言うように仲間割れがあったのだろうか。

 本当に友達だったのなら、嶋田さんが死に至った過程を正直に語ってほしい。

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