ファッションジャーナリストが解説!『饗宴の儀』海外クイーンの「着こなし術」

『饗宴の儀』に各国から大集結!Queen'sドレスアップ

 世界中が注目する中、約30年ぶりに行われた『即位礼正殿の儀』。その後、開かれた『饗宴の儀』には各国から王妃たちがドレスアップして登場! 

 クイーンたちの着こなしを、ファッションジャーナリスト・日置千弓さんに解説してもらいました。

■レティシア王妃(スペイン)

レティシア王妃(スペイン) 撮影/JMPA

 情熱的なお国柄を反映せず、二の腕まで隠した慎み深いドレス。スペインは刺繍(ししゅう)などの手工芸技術が見事で、ショールなども有名ですが、そんな自国の装飾技術が白いお花の刺繍に存分に生かされていますね。でも、どこか振り袖のような感覚も。みなさん、本当に日本についてよく勉強なさってドレス選びをなさっている気がします。

スペインのレティシア王妃 撮影/JMPA

 とっても素敵なフラワープリントのデイドレス。まるでパリやミラノの来春夏のコレクションを見るようです。来シーズンに流行しそうな、こんなに明るい花柄ワンピースは、大人の女性にもよく似合う、という見本のよう。柄の一色をとったピンクのヘアバンドも、色がよく合っているので、どこか着物の柄にも似た華やかなドレスであるにもかかわらず、全体的にはシックにまとまっていますね。

■ペマ王妃(ブータン)

ペマ王妃(ブータン) 撮影/JMPA

 ブータンの民族衣装“キラ”。高貴な紫の金襴(きんらん)の織物に空色ブルーのシルクがよく映えてきれい。バッグは日本のお着物用バッグにそっくり。ちらりと見えるほっそりしたパンプスも、バッグとおそろいのシャンパンベージュが素敵!

ブータン、ワンチュク国王夫妻 撮影/JMPA

 ブータンの民族衣装“キラ”も、上半身がシックな無地のベージュでモダンな印象。でもスカーフ&ネックレスとショールの色がアクセントになってお顔まわりが華やいで見えますね。ゴールドのひし形模様の織りのスカートは、白のTシャツなどと合わせて着てみたい!

■メアリー皇太子妃(デンマーク)

メアリー皇太子妃(デンマーク) 撮影/JMPA

 やはりデンマーク妃はおしゃれ感覚がどこか知的。こちらも、デコルテは露出しているのに、ロングケープがついてエレガント。実は上皇后美智子さまも、よくケープつきのお洋服をお召しになられます。この“便利エレガント袖”、ニットなどでぜひまねしたいディテール。それにしても、このシックなスモーキーなベージュが、知的な美しさを逆に輝かせていますね。

デンマーク、フレデリック皇太子夫妻 撮影/JMPA

 グレーワントーン+お花が、オランダ妃とかぶりましたが、こちらもなかなか。ケープ状になっている袖、シャープな無地、まるでバッグの斜めがけみたいなサッシュ。巧みなトレンドの取り入れテクで、グレー使いも若さはつらつ!

■ヴィクトリア皇太子(スウェーデン)

ヴィクトリア皇太子(スウェーデン) 撮影/JMPA

 繊細なレース使いの、少しヴィクトリアン調を取り入れたドレスには最近のトレンドも反映されています。海外では夜の装いはデコルテを大きく開けて“肌を多く見せる”のが普通ですが、襟の詰まった、まるで日本の皇室の着るローブデコルテのようなデザインがとても慎み深い感じ。

 日本に合わせたのでしょうね。でも、そのかわりに色彩はベージュピンクで“肌感”を入れているのがさすがです。

スウェーデンのグスタフ国王夫妻 撮影/JMPA

 デニムを思わせるブルーが新鮮!これはスウェーデン国旗に使われる青ですね。デコルテや前合わせ、帽子&ヘアに、トレンドの“アシンメトリー”を取り入れられているのがさすが! 勲章もコサージュやブローチのように、上手に配置して。

■マキシマ王妃(オランダ)

マキシマ王妃(オランダ) 撮影/JMPA

 独特の山形をしたティアラに呼応する線が描かれたドレス。ウエスト部分を濃い色にした色彩とプリントのマジックで、スタイルをより美しく強調できるデザイン。まねしてみたい。大きく開いたデコルテは欧米スタイルですが、ちゃんと羽織りものもお持ちですね。なんだか親近感。

オランダのウィレム国王夫妻 撮影/JMPA

 お花の帽子がとっても素敵! マキシマ妃は夜の装いもレースを使われていましたが、オランダはベルギーとともにレース工芸の産地。そして、チューリップはもちろん、バラなども公園に咲き乱れる、美しい国を思わせます。

 でもグレーはドレスにあまり使われない、地味と思われがちな色。なのに、手袋までやわらかなグレーで統一した“全身ワントーン”が本当におしゃれ。ものすごくまねしたい!

■マティルド王妃(ベルギー)

マティルド王妃(ベルギー) 撮影/JMPA

 うっとりするようなシャンパンクリームゴールドに輝くベルギー産レース。ベージュ系は、お顔うつりが難しいこともありますが、ゴールドが一滴入るとお肌もきらきら。ジュエリーをつけない首筋やデコルテも、まるで宝石のように輝いています。

 でも、このドレスのひそかな注目はボトムス。実はロングスカートの上を、上半身から続いた布がトレーンのように覆うデザイン。女性らしい腰まわりがエレガントにカバーされて最高!

ベルギー、フィリップ国王夫妻 撮影/JMPA

 まぎれもない王室スタイル。実はこのケープ付きデザインは、上皇后美智子さまもお気に入り。上品に見えて、かつ二の腕カバー、首筋や胸まわりもすっきり、姿勢までよく見える、皇室王道スタイルなのです。それにしても白はやっぱり人間を美しく、そして高貴に見せる。大人の婚礼衣装が必要な方はこんな感じを参考にしては!?

<プロフィール>日置千弓(ひおき・ちゆみ)レディース、メンズともに詳しいファッションジャーナリスト。雑誌、新聞、Webに加え、テレビ出演や講演、セミナーも。著書に『ファッションジャーナリストになりたい!』(幻冬舎)、『ブランドエナジー』(小学館文庫)など。

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