2020〜2021年の子供たちのマイコプラズマ肺炎

2020〜2021年の子供たちのマイコプラズマ肺炎

2020〜2021年の子供たちのマイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎の原因である肺炎マイコプラズマ菌は、大きさが通常の細菌の半分くらいの小さな細菌です。喉より下の気管や気管支の粘膜に飛沫感染します。病原体が乗った飛沫が咳やくしゃみで吐き出され、感染者の1.5m以内の近い距離で感染しクラスターという感染者集団を作る点は新型コロナウイルスと同様で、マスクによる予防が有効です。

乳幼児よりも年長児に好発し、主な症状は熱と咳ですが、熱が高くても比較的元気な場合が多いです。マイコプラズマは分泌物を増やしたり細胞を大量に破壊しないので、一般的なかぜや他の細菌による肺炎と異なり、鼻水や痰の少ない「乾いた」咳が特徴です。この点も新型コロナウイルスと似ています。

子供は大人に比べると新型コロナウイルスに感染しても軽症で済む場合が多いと考えられていますが、マイコプラズマ肺炎は治療しないで放っておくと熱や咳が長引いて時として入院が必要になることもあるので、小児科医にとっては新型コロナウイルスに気を取られてマイコプラズマ肺炎を見逃さないよう、注意が必要な疾患です。

身体所見とレントゲン写真でマイコプラズマ肺炎と確定するのは難しく、間違いなく診断するには採血して抗体を検査する必要があります。このため、これまでは多くの場合、確定診断できるまで日数がかかることが課題でした。この点については、遺伝子診断法の一つであるQプローブキット法という方法が最近開発され、これにより一般病院でも初診時に迅速・正確に診断できるようになりました。

治療としてはマクロライド系抗菌薬が有効です。以前は遺伝子の変異によりこの薬が効かなくなった耐性菌というのが増えて、ミノサイクリンやトスフロキサシンという別の抗菌薬が必要な場合も多くありましたが、今は耐性菌はマイコプラズマ肺炎全体の15%以下ですので、ほとんど気にする必要はありません。なおQプローブキット法を用いれば耐性菌か否かも判定できるので、今後の普及が期待されます。

(著者:札幌徳洲会病院小児科 小児感染症部長 成田 光生)

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