新型コロナウイルス第2波・第3波にそなえた感染対策(救急部門への受診)―うっかりやりがちな感染対策の間違い

新型コロナウイルス第2波・第3波にそなえた感染対策(救急部門への受診)―うっかりやりがちな感染対策の間違い

新型コロナウイルス第2波・第3波にそなえた感染対策(救急部門への受診)―うっかりやりがちな感染対策の間違い

新型コロナウイルスの第2波・第3波が発生した時、人々は病院に受診することを控えると思います。病院には新型コロナウイルス感染症の患者が受診しており、そこでウイルスに曝露することを心配するからです。また、行政も「不要不急の受診を差し控えましょう」と啓発することでしょう。しかし、これによって大きな問題が発生します。それは「生命を脅かす急性疾患」の患者であっても、受診を躊躇することです。

米国での調査によると、今回の流行での救急部門の受診者数は心筋梗塞で23%、脳卒中で20%、高血糖緊急症で10%減少しました(1)。このような減少は決して、疾患が減少したことによるものではありません。救急治療が必要であるにも拘わらず、受診しなかったことによるものです。それによって、新型コロナウイルス感染症が直接の死因となっていない死亡者の数が増えたのです。

このような疾患は治療が遅れると、生命を失う危険性があります。救急治療を早く開始するほど、生存の可能性が高くなるので、救急外来に迅速に受診する必要があります。そのためには「激しい胸痛がみられる」「手足の運動機能や言語機能が突然または部分的に喪失した」「精神状態が急に変化した」などの症状がみられる場合には、第2波・第3波に関係なく、救急外来に受診しなければなりません。

(著者:浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長 矢野 邦夫)

〔文献〕
(1)Lange SJ et al:Potential indirect effects of the COVID-19 pandemic on use of emergency departments for acute life-threatening conditions ? United States, January?May 2020.
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/69/wr/pdfs/mm6925e2-H.pdf

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