新型コロナウイルス第2波・第3波にそなえた感染対策(食品、宅配便)―うっかりやりがちな感染対策の間違い

新型コロナウイルス第2波・第3波にそなえた感染対策(食品、宅配便)―うっかりやりがちな感染対策の間違い

新型コロナウイルス第2波・第3波にそなえた感染対策(食品、宅配便)―うっかりやりがちな感染対策の間違い

スーパーマーケットの食品売り場では様々な食品パッケージや野菜・果物などが販売されています。それらを購入して自宅に持ち帰った時、「食品パッケージや野菜・果物の表面に新型コロナウイルスが付着しているのではないか?」と心配になり、その表面を消毒する人がいます。食べ物に関することなので心配する気持ちはわかりますが、過剰な対応は避けたいと思います。

現在までに、食品または食品包装から新型コロナウイルスに感染したという事例はありません。このウイルスは食品中や食品包装の表面で増殖することはできません。食品パッケージや野菜・果物の表面でウイルスが増殖していることもありません(1)。このウイルスが増殖して生き残るためには、生きている動物や人間に感染する必要があるからです。しかし、それらを感染者の手指が触れていれば、その表面にウイルスが付着している可能性はあります。それでは具体的にどうしたらよいのでしょうか?

まず、食品パッケージですが、食品包装材料を消毒する必要はありません。ただし、感染者の手指が触れた可能性を考え、食品パッケージを扱った後には手洗いをします。野菜・果物については水道水で洗うだけで十分です(1)。それらを洗剤や消毒薬で処理する必要はありません。

このようなことは宅配便についても言うことができます。最近、デパートなどの人ごみを避けるために、品物をインターネットで購入する人が増えています。当然のことながら、購入した品物は宅配便などで自宅に届きます。この時、宅配便の中の品物にウイルスが付着しているのではないかと心配する人がいます。特に、米国などの外国から輸入されたものであれば、なおさら心配です。しかし、そのような心配はありません。新型コロナウイルスはボール紙の上では24時間以内、プラスティックの上では最大3日ほどしか生息しません(2)。外国から送られた品物であれば、輸送の途中にウイルスが生存できる時間を越えてしまうので、死滅していることでしょう。ただし、宅配便を配達する担当者が感染者であった場合、その手指が宅配便の表面に触れていることから、ウイルスが付着しているかもしれません。包装紙や包装段ボールを消毒する必要はありませんが、それらを取り外したら、手洗いをします。

(著者:浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長 矢野 邦夫)

〔文献〕
(1)WHO:Questions relating to food consumers.
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/question-and-answers-hub/q-a-detail/questions-relating-to-consumers
(2)Doremalen NW et al:Aerosol and surface stability of SARS-CoV-2 as compared with SARS-CoV-1. N Engl J Med 382:1564-1567,2020

関連記事(外部サイト)