〔塾・予備校編〕コロナを防げる学習環境を知る―受験生を守るコロナ感染対策

〔塾・予備校編〕コロナを防げる学習環境を知る―受験生を守るコロナ感染対策

〔塾・予備校編〕コロナを防げる学習環境を知る―受験生を守るコロナ感染対策

塾や予備校の状況が安全かどうかは受験生にとってとても重要なことです。多くの受験生が集まっている環境であるため、十分な対策が必要だからです。

最も大切なことは2つあります。「全員がマスクを着用していること」「20〜30分毎に手指消毒をすること」です。座席間に身体的距離(1〜2m)が確保されていればマスクは必要ないのですが、そのような教室はほとんどないと思います。そのため、マスクを着用させて、受験生をお互いの飛沫から守ります。同時に、ウイルスが付着している手指で眼や鼻の粘膜に触れる前の手指消毒が必要です。教室では全員が、持参したアルコール手指消毒薬で繰り返し(20〜30分毎)、手指消毒をすることが理想的です。

受験生にアルコール手指消毒の重要性を認識させるために、校舎の玄関・受付、各教室前・ラウンジ・自習室入り口などにアルコール手指消毒薬を設置することも適切です。ここに設置すれば、アルコールを持参することを忘れた受験生も利用できます。ときどき、アルコールではなく、次亜塩素酸水のボトルを設置しているところがあります。次亜塩素酸水は物品の消毒に使用するのであって、手指の消毒には不適切です。

生徒の各座席の椅子の間(机の上ではない)に衝立やアクリル板があれば、着席のときにはマスクは必要ないでしょう。隣の座席への飛沫の拡散を防ぐことができるからです。そして、講師と生徒の間に身体的距離が確保されていれば、講師はマスクもフェイスシールドも不要です。飛沫は1〜2m以上飛散することはないからです。ビニールシートについても、講師と生徒の間に身体的距離が確保されていれば、設置は不要です。もちろん、講師は大声を出すのではなく、日常会話のボリュームで話します。授業中、手袋を着用し続けている講師がいますが、アルコール手指消毒を繰り返す方が格段に有効です。手袋を着用していると、その間は手指消毒ができません。また、手袋が汚染した場合、そのまま様々なところに触れれば、ウイルスを付着させてしまいます。

換気については、常時開放ではなく、授業毎の換気でよろしいでしょう。通常、教室は換気が十分なように設計されているし、このウイルスは例外を除いて空気感染しないからです。冬季の寒い時期に窓を開けっぱなしにすれば、寒気が教室に流れ込み、暖を取れなくなり、受験生は体力を消耗します。夏季であれば冷房の効果が減弱し、熱中症の問題も発生します。空気清浄機については、全く意味がないということはありません。構造上、教室の換気が不十分の場合には役立つと思います。

授業前や生徒の入れ替え後に机やドアノブなどを消毒することは適切です。ただ、あまりにも多くの生徒が触れることから、生徒へ手指消毒の徹底を啓発する方が有効です。

教室への入室時の検温はある程度有効でしょう。しかし、新型コロナの感染者の多くが発熱していないことから、検温だけでは感染者の入室は完全に回避することができません。ただ、発熱していることに気付いていない受験生を早期に発見し、医療機関に受診させることができるメリットはあります。

(著者:浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長 矢野 邦夫)

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