緊急事態宣言 結局何を気をつけなければいけないのか?

緊急事態宣言 結局何を気をつけなければいけないのか?

緊急事態宣言 結局何を気をつけなければいけないのか?

緊急事態宣言の最大の目的は、新型コロナウイルス感染者の発生を抑えて、医療への負担を軽減することです。現在、首都圏4都県は医療崩壊の寸前です。医療崩壊となれば、交通事故や脳卒中などで救急搬送が必要であっても、病院が急患を受けることができなくなります。それによって、救急車がたらい回しとなり、本来は救命できる人々が命を失うことになります。そのため、これ以上の感染者の増加は是非とも防がなければなりません。特に、クラスターでは多数の患者が発生するので、その発生源を断ち切る必要があります。

多数の人々が「マスクを着用せずに、大声で騒いだり、歌う」という状況が最もクラスターを発生しやすいです。そこにターゲットを絞って対応することが、経済的損失を最小限にして、感染者の増加を防ぐ最も有効な手段です。具体的には、午後8時以降に飲食店やカラオケ店は閉店するというものです。午後8時を過ぎると、飲酒の力も加わって、大声で会話したり、歌ったりします。そのような状況では感染予防に無頓着となります。一方、飲食店やカラオケに行けないからといって、自宅に多数の友人を呼び込み、「マスクを着用せずに、大声で騒いだり、歌う」といった行動をしてしまっては緊急事態宣言の意味がなくなります。このような行為は是非とも、止めていただきたいです。

大規模イベントの人数制限も有効です。このようなところは多数の人々が集合します。そして、バックグラウンドの雑音によって声が打ち消され、会話するときに声が大きくなることから、クラスターが発生しやすいです。

それでは、緊急事態宣言はどれだけの期間を継続すればよいのでしょうか? 最適な期間は明らかではないですが、少なくとも「潜伏期の最大日数である14日」に「感染者が発症してから、感染性が完全になくなるまでの10日」を加えた25日が適切であろうと言えます。現時点で感染している人が14日の潜伏期間の終わりごろに発症しても、さらに10日の期間に飲食店やカラオケに行かなければ、周囲の人々にウイルスを伝播することはないからです。

(著者:浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長 矢野 邦夫)

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