あなたもモンペ認定されている!? 教師を追い詰める保護者たち

かわいい我が子のためにも、担任の教師とはうまくやっていきたい――。そう考える親が大多数であろう。しかし「現場教師の作戦参謀」として活躍する諸富祥彦氏によると「先生方から『困った親』について相談されることは少なくない」という。モンスターペアレント認定されないためにも知っておきたい『困った保護者』の7タイプとは?

※本記事は、諸富祥彦:?著『教師の悩み』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

■現場教師に嫌われる「困った親」7タイプ

私がスクール・コンサルタントとして活動するなかで、先生方から「困った親」について相談されることは少なくありません。

その実態はさまざまですが、先生方の相談を受ける中で見えてきたのは、以下の7つのタイプです。

【タイプ1】クレーム好きの保護者

あるお子さんが風邪をひいて休みました。先生が学級で「Aさんは今日は風邪でお休みです」と言ったところ、Aさんの親ではなく、同じクラスのほかの子どもの保護者が「教師がみんなに欠席の理由まで伝えるのは、個人情報保護に反するのではないか」と訴えてきました。

このように、ほかの子どもについて、細かなことまでいちいち干渉してきて、教師を振り回すクレーム好きな保護者がいます。

【タイプ2】学校任せの保護者

自分の息子が箸をきちんと持てないことに気づいたお父さんが「箸もまともに持てないなんて、いったいどんな給食指導をしているんですか」とクレームをつけてきたことがありました。特に最近、父親から過剰に学校の責任を問うクレームが増えているようです。「箸の持ち方」を教えるべきなのは誰でしょうか。

▲父親からのクレームが増えている イメージ:PIXTA

【タイプ3】依存的な保護者

ある子どものお父さんが、担任の女性教師に「うちの妻、洗濯物もまともに干せないんです。今度うちにきて、妻に洗濯物の干し方を教えてやってもらえませんか」と依頼してきたそうです。

ほかにも、自分の愛車の近くで遊んでいる子どもとその友達に注意ができず「先生、うちにきて、もっと車から離れて向こうで遊ぶように注意していただけませんか」と依頼する保護者もいました。

【タイプ4】子どもを溺愛する保護者

Bくんは、算数の時間のたびに砂場に遊びに行ってしまいます。何度注意しても聞かないので保護者に連絡すると「だって、うちの子、かわいいでしょ。私、叱る気になんて、とてもなれなくって!(?)」と言われてしまいました。

【タイプ5】逆ギレする保護者

小学校2年生のCくんは数度にわたり、苦手な算数の時間に教室を飛び出して砂場で遊ぶことを繰り返していました。追随して数人の子どもも砂場に行き始めたので、このままでは授業が成立しなくなることを懸念した学級担任が、母親に連絡をしました。

そうしたところ「うちの子は、このとき算数でなく、砂場遊びをしたかったのです。こちらの学校では、子どもの個性は尊重してくださらないのですか!」と返ってきました。

教師が食い下がると、母親は「そういうことしているの、うちの子だけじゃないでしょう! なのに、なぜうちだけ言われなくちゃいけないんですか!」と逆ギレされたと言います。

またある小学校では、授業参観中の親の態度があまりにひどいので名指しで注意をしたところ「みんな騒いでいるじゃないですか! なのに、どうして私だけ注意するんですか!」と反論されたといいます。

「どうして私だけ……」というもの言いは、小学生の児童が言い訳をする時に多用するものです。このままでは指導にマイナスになると考えた教師が「ほかの人がしゃべっているからといって、しゃべっていいわけではないでしょう!」とその親を諌めると、またまた「だから、どうして私だけ!」と逆上されたといいます。

売り言葉に買い言葉。こうなると、あとで困るのは「お前の母さん、すごいな」とクラスメイトから、からかわれる子どものほうであることは言うまでもありません。

▲後で困るのは子どもです イメージ:PIXTA

【タイプ6】家で子どもに教師の悪口を言う保護者

テレビをはじめとするマスコミで、セクハラ教師、体罰教師の問題が報じられると、保護者が子どもに向かって「◯◯ちゃん、担任の先生大丈夫なの? なんか、スケベな顔してるじゃない、今度の担任の先生」などと言ったりします。これでは、子どもの教師への信頼が損なわれ、指導がしづらくなります。

また「そもそも学校の先生って常識がないし、子どもっぽい人が多いのよね! 何かあったらお母さんに言うのよ。教育委員会に訴えてやるから」といった言葉を、子どもの前で口にしてしまう保護者もいます。

当然、子どもは教師を軽蔑しだし「先生の言うことなんて聞かなくていい」と思い始めます。教師の指示が入りづらくなってしまうのです。

【タイプ7】集団で教師のバッシングを繰り返す保護者

ある公立小学校では、学校に批判的な親十数人が、LINEのグループでやりとりをしているうちに、不満がヒートアップ。数人の親が校長室に乗り込んできて「即刻担任から下ろすように!」と直談判しました。騒ぎが大きくなるのをおそれた校長が一時的に担任を外したところ、ショックを受けた担任は、それが原因で精神疾患に陥ってしまいました。

このように保護者集団からのバッシングで、休職や退職に追い込まれる先生は少なくありません。

ここに紹介した「困った保護者」はごく一握りの保護者のことです。もちろん大半の保護者は子どもを愛する、きちんとした方です。しかしながら、今こうした「困った保護者」たちからの攻撃に心を傷つけられ、管理職からも守ってもらうことができずに心を病み、休職などに追い込まれている教師が増えているのです。

「まさか自分が!?」と思われている保護者の方におかれましても、いま一度教師との付き合い方を考えるきっかけとなりましたら幸いです。

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