学校に行けない大学生の学費返金を求める声は正当か?渋る大学の裏側とは。

学校に行けない大学生の学費返金を求める声は正当か?渋る大学の裏側とは。

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新型コロナウイルスへの対応でオンライン授業を取り入れる大学も増えている。その一方で、オンライン授業への不満から大学生側からは授業料減額や返還を求める声も上がっている。オンライン授業の実施のために追加投資が必要な大学側はこうした学生の不満をどう解消するかが今後の経営を左右することになりそうだ。

新型コロナウイルスによって感染拡大のために多くの大学がオンライン授業を実施している。その一方で、経済的に困窮する大学生側からは大学の授業料減額などを求める声も上がり始めている。

新型コロナウイルスの影響で日本国内の97%の大学が取り入れているオンライン授業。オンライン授業の実施によって、部活・サークル活動が制限され、学生間や学生と教員間での密なやり取りも制限されているにもかかわらず、授業料が変わらないことに対して大学生からは不満の声が上がっている。その結果、訴訟大国アメリカでは前払いした学費と実際に受けた授業やサービスの差額分の返還を求める集団訴訟にまで発展する事態に陥っている。

新型コロナウイルスによる大学生への影響は大学生活だけなく、それを支えるアルバイトにも影響が及んでいる。親からの仕送りが月5万円未満の大学生は16%にのぼり、バイトで生活を支えている大学生も多い。しかし、新型コロナウイルスの影響によって大学生の4割がアルバイト収入の低下を経験しているという報告もあり、大学生は経済的にも苦しめられている。

オンライン授業への不満から授業料減額や返還を求める大学生。その一方で、大学側としてはオンライン授業への対応のためハード面・ソフト面での新たな投資が必要でもあり、大学側は授業料の減額や返還には消極的だ。

新型コロナウイルス終息後を見据えて大学としても現在の設備を維持する必要があり、その設備維持費が必要となる。また、オンライン講義を実施するにあたり、大学が学生に提供している学生管理システム(LMS)に学生からのアクセスがこれまで以上に殺到することになる。そのため、大学のサーバー処理能力を補強するなどのハード面での設備投資も新たに必要となる。

大学によっては学生にOffice365のアカウントを提供したり、学外でも論文を閲覧できるようにするためにアカウントのグレードを高めたり、Zoomなどのビデオ会議サービスを用いて講義を行うために教員にZoomアカウントを用意するなど、オンラインで利用できるサービスへの投資も必要となっている。このように、ハード面だけでなく、ソフト面での投資が新型コロナウイルスに大学が対応するために必要となっている。

学生同士や学生と教員との対面での交流を深めていくという新型コロナウイルス以前の大学生生活に戻ることを希望する大学生と、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎたい大学側との間で依然として隔たりが存在している。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎながら学生の要望にどう応えるのか。この対応に今後の大学経営の行く末がかかっている。

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