ジャパンライフ元会長が逮捕。高齢者を餌食とするオーナー商法の闇と規制の今後。

ジャパンライフ元会長が逮捕。高齢者を餌食とするオーナー商法の闇と規制の今後。

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ジャパンライフ元会長の山口隆祥が逮捕されました。50年にわたり、マルチ商法を日本国民に知らしめてきた張本人の逮捕は少なからず衝撃的な出来事です。容疑は詐欺罪にあたり被害総額は2,000億円を優に超えると見込まれています。山口隆祥は政界にも太いパイプを持つことでも有名です。警察は集めた多額のお金のフローを追求するとしています。金額が大きいだけに政界を巻き込んだスキャンダルに発展することも考えられるでしょう。

ジャパンライフのおもな業務内容は、家庭用磁気治療器の製造販売です。しかし、単なる製造販売業ではありません。高額な家庭用磁気治療器を購入させ、ジャパンライフがレンタル契約を仲介します。その手数料を配当という形で、購入者に還元する仕組みです。ターゲットを高齢者に絞り、言葉巧みに近寄る手口は詐欺の常套手段といえるでしょう。しかもジャパンライフは2017年に倒産しています。つまり、実態のない幽霊会社を高齢者に信用させてお金を出させていたといえるでしょう。

ジャパンライフが世間の厳しい批判を浴びる要因の一つに、高齢者をターゲットにしたことがあげられます。高齢者に「銀行信用できない」など嘘の情報を流す手口は詐欺師の常套手段です。騙された高齢者の中には貯金を切り崩した人も少なくありません。会社は破産手続きを行なってしまったことから、返還要求にも満足に応えてもらえないのが現状です。まさに老後の資金を食物にしてきたことが、ジャパンライフの大罪だといえるでしょう。

ジャパンライフの主力商品は磁気ネックレスです。ただし販売するのではなく、購入者とオーナー契約を結び商品は会社に残ります。残った商品はジャパンライフが仲介して第三者にレンタルし、配当金を支払う仕組みです。磁気ネックレスであれば、高額であっても数百万円もしません。したがって予算によって1本から数十本まで契約が可能です。1つで高額な商品であれば二の足を踏みます。しかし、1つあたりの単価が少額であったことで、気軽に契約してしまったことが推測されます。

ジャパンライフが他のマルチ商法と異なるのは、政界との結び付きが強いことです。自民党だけでなく野党にも多額の献金をしており、様々なパーティーなどにも出席しています。その際たる例が、安倍晋三元総理大臣が主催の「桜を見る会」です。山口隆祥元会長は、安倍晋三元総理大臣の枠で招待されたとの憶測が飛び交っています。「桜を見る会」については様々な問題が噴出してきました。山口隆祥元会長と安倍晋三元総理大臣の親密な関係があったとすれば、さらに波紋を広げることは必至です。

オーナー商法は度々問題になるものも、根絶には至りません。根絶どころか被害額は大きくなっている実態すらあります。その理由の一つに生活弱者である高齢者を狙っていることがあげられるでしょう。年金支給額の減少や核家族化など、老後の生活が不安定であることも大きな要因です。何よりオーナー商法に対する取り締まる術が弱いことが課題だといえるでしょう。高齢化社会が進むにつれ、高齢者をターゲットとした詐欺事件の撲滅は大きな課題です。

繁殖牛のオーナー商法で破綻したのが、「安愚楽牧場」です。オーナー商法の中でも、最大規模となる4,000億円を超える被害を出しました。オーナー商法を規制するのが特定商品預託法ですが、繁殖牛は対象外でした。また、契約する繁殖牛が極端に少ない事実に農林水産省が気付かなかった点も問題視されています。そのため被害者は国を相手取って損害賠償訴訟を起こしたことでも話題となりました。特定商品預託法の盲点を突いた詐欺事件の発生に、国の責任は重いといえるでしょう。

「ケフィア事業振興会」は食品の通販会社ですが、主な収入源はオーナー制度による収入でした。メープルシロップやヨーグルトといった食品のオーナーを募り、年間10%程度のバックを保証する制度です。当初は契約どおりの利子が支払われていましたが、2018年頃から滞り2018年には倒産しています。負債額は1,000億円にも上りました。ただし「ケフィア事業振興会」には多くの関連会社が存在しており、資産の隠匿も指摘されているのが実態です。

最もショッキングな結末を迎えたのが「豊田商事」です。金地金の商品取引をオーナー制度に導入した詐欺事件です。負債総額は2,000億円にも上り、1980年代前半当時として最大規模でした。「豊田商事」もターゲットは高齢者であり、後に続くオーナー制度にも継承されています。会長の永野一男は事件が明るみになった渦中、自宅マンションで刺殺され多くの謎を残したまま終息を迎えました。しかし、この後も多くの詐欺事件を生み出すことになってしまいました。

オーナー商法は特定商法預託法により規制されています。「豊田商事」を受けて法整備がなされました。しかし対象商品が限定されるなど「抜け道」が多くあるのも事実です。そのため対応が後手に回り、新たな被害が続出しているのが実態です。しかも「ジャパンライフ」は政界にも多くのパイプを持ち、問題はさらに深刻だといえます。国は近く法律改正を行う方針です。高齢化社会が進んでいる状況で、新たな被害を生まないためにも政府の対応は不可欠だといえるでしょう。

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