フランチャイズ本部と加盟店のトラブルが増加。悪徳な契約内容に騙されないためには。

フランチャイズ本部と加盟店のトラブルが増加。悪徳な契約内容に騙されないためには。

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セブンイレブンと加盟店オーナーの間で訴訟が生じるなど、フランチャイズ本部と加盟店オーナーとの間でトラブルが多発しています。また、独立に逸るオーナーを煽ることでオーナーをカモにする悪徳フランチャイズや悪徳代理店も稀に存在しています。加盟店のオーナーには自衛のために自ら知識を身に着け、契約書の中身を確認することが必要ですが、そうしたオーナーを保護するための法整備や制度充実も求められています。

公正取引委員会がコンビニエンスストア各社によるフランチャイズ加盟店への対応は独占禁止法違反の恐れがあると警告するなど、フランチャイズ本店による加盟店への対応の問題が指摘されています。では具体的にフランチャイズ本部と加盟店の間ではどのようなトラブルが生じているのでしょうか。

公正取引委員会の報告書によると、加盟前に提示された予想売上や予想収益モデルよりも実際の状況の方が悪かったと答えた加盟店のオーナーは41.1%にも上っています。加盟前に受けた説明より通りだったという回答は33.5%であることから、本部による売り上げ予想と現実との乖離が多く生じていることが分かります。こうした背景には規模の拡大を競ってきたコンビニエンスストアの方針があります。規模を拡大させるために社員に売上や出店のノルマを課していたため、「本部社員は数字を作らねば」という圧力を感じていたことが報道されています。

ニッセイ基礎研究所の調査によると、フランチャイズ加盟店のオーナーがフランチャイズへの加盟理由として最も挙げているのが「ノウハウが確立されているから」です。しかしながら、それと同時に加盟後においてはノウハウの提供に関して最も多くの不満を集めており、加盟店のオーナーが期待するほどの加盟指導が行われていないという実態も明らかになっています。

セブンイレブンに代表されるドミナント出店戦略によるトラブルも生じています。ドミナント出店とはチェーン店が店舗をある地域に集中的に出店することによって、その地域の需要を全て獲得しようとする出店戦略です。このドミナント出店は本部にとってはその地域における需要の総どりや物流コストの削減といったメリットがあります。しかしその一方で、ある地域に店舗を集中させるということは店舗当たりの売上は低下しやすくなることも意味しています。そのため、本部と加盟店のオーナーとの間で利害対立が生じており、トラブルの原因ともなっています。

こうしたフランチャイズ本部と加盟店との間でのトラブルとして代表的な事例がセブンイレブン東大阪小阪店の事例です。セブンイレブン東大阪小阪店のオーナーは2020年1月1日の営業について従業員が休みを希望していることなどを理由として終日休業にする方針をセブンイレブンに伝えたところ、セブンイレブンから2019年12月31日をもって契約を解除する旨の通告を受けることとなりました。こうしたセブンイレブンからの扱いを不当としてセブンイレブン東大阪小阪店のオーナーはセブンイレブンを相手に裁判を起こし、法廷で戦うまでに事態が発展してしまいました。

フランチャイズの加盟店を募る勧誘や投資を募る代理店の中にはオーナーを食い物にする悪徳業者も存在しています。そうした悪徳業者と契約をしてしまうと利益が出ない店舗や投資先に多額の出資をし、オーナーには多額の借金だけが残るという事態にも陥りかねません。

その事例の一つが高級車カーシェアビジネスの破綻です。この高級車カーシェアビジネスは事前の説明では車のオーナーがローンを組んで高級車を購入し、その高級車を貸し出すことで利益を生み出すというビジネスモデルでした。しかしながら、実際には中古車を新車と偽ってオーナーに高級車を販売し、価格の差額分を代理店が中抜きをするという悪徳代理店によるビジネスでした。そのため、カーシェアビジネスの実態がないまま破綻し、高級車のオーナーには多額のローンだけが残るという事件が起きています。

こうした悪徳代理店や悪徳フランチャイズとの契約を回避するためには、契約書をよく確認する必要があります。フランチャイズや代理店から経営のノウハウを得ることも重要です。しかしながら、オーナーは独立した経営者でもあるため、他人を信用しすぎず自分の頭で物事を判断していくことが求められています。その正しい判断をするためにも、契約書の内容を吟味し、自らに不利な条件での契約内容になっていないかについて確認しておく必要があります。

公正取引委員会がコンビニエンスストア各社に対してオーナーとの契約内容が独占禁止法に抵触する恐れがあるという警告を出すことによって、コンビニ各社はオーナーとの関係を見直し始めています。しかしながら、コンビニエンスストアのオーナーの6割が債務超過または資産500万円未満であり、経済的に守られているとはまだ言えません。そのため、オーナー自身の自衛も重要ではありますが、制度の充実や法整備によってオーナーを保護していくことも求められています。