自宅からプロスポーツチームをつくる〜コロナが生んだ「リモート球団インターンシップ」〜【谷田成吾連載第二回】

自宅からプロスポーツチームをつくる〜コロナが生んだ「リモート球団インターンシップ」〜【谷田成吾連載第二回】

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クラウドファンディングや顧客情報連携、SNS運用とYouTubeの強化。グッズ拡充にEC販売…まだまだ挙げればキリがありませんが、私が球団代表に就任する以前より、徳島インディゴソックスで様々な施策を行っていくことを考えていました。しかし、球団職員は12月の就任時点で私を含め4人。すでに球団は人員をフルに活用して、精一杯な運営を行ってる状況で、なかなか新しい取り組みをすることは難しい体制でした。

「これはどうしたものか」と頭を抱えていたところ、球団代表就任の噂を聞きつけた慶應義塾大学野球部の同期から「何か手伝えることがあれば言ってくれ!」という連絡が入りました。勢いのあるIT企業で、マーケティング分野での活躍も耳にしていたこともあり、手伝ってもらうしかないと声をかけたところ、「自分の成長にも繋がる。ぜひ一緒にやらせてくれ」との返答をもらいました。お願いするつもりが、相手側からの熱い返答に驚いたと同時に、スポーツに関わりたくても様々な理由で関われない人や、自分自身の成長のために新たな挑戦の場所を求めている人は多くいるのではないか、と考えました。

ちょうどスポーツビジネス系のカンファレンスで『応募者が多いスポーツ業界に入ることで、若い優秀な人材ほど年収が下がってしまうことが多い』という話や、太田雄貴会長率いるフェンシング協会が、同じように『スポーツ業界に関わりたい優秀な社外人材を週次で雇う』ことを行っているという情報を聞き、これからは社外人材も取り込んだチームを作る組織が活躍する流れができると考え、「社外ビジネスチーム」を作ることを決めました。1シーズン過ごしましたが、この考えは確信に変わると共に、様々なアセットの少ない野球の独立リーグを始めとするスポーツ組織にとって、「社外チーム」は必須であると感じています。

徳島インディゴソックスでは、球団社長の出身であるの近畿大学から、毎年短期インターンシップを募集しています。今年も例年同様、2月に近畿大学から2名のインターン生が徳島インディゴソックスにやってきました。ちょうど、社外ビジネスチームが10人近くなり、動画制作やコミュニティ推進、SNS運用など、様々な分野で働く社会人が揃った段階でした。

今回のインターンシップ生は、小さい頃からお遍路を行い、四国が大好きな池田君(近畿大学法学部3年)と、経営学を学ぶ中で、プロスポーツチームの運営に興味を持ってくれていた山口君(近畿大学経営学部2年)でした。ちょうどキャンプも始まり、SNSやYouTubeでの動きも加速させていたところだったので、2人がとても熱心に現地の仕事や、Twitter・InstagramにYouTube運用に取り組んでくれたことが、球団として大変助かりました。「実際にプロスポーツチームで働く人と一緒に現場で働いたり、SNS運用を仕事としている人、動画編集を仕事としている人、マーケティングを仕事としている人と一緒に働くことはとても勉強になった」とインターンの2人は話してくれました。その成長具合は凄まじく、インターン終了間際には、もう返したくなかったです(笑)。

今回の短期インターンシップを通じて、『スポーツビジネスに関わりたい学生、スポーツビジネスを通じて成長したい大学生』と、『スポーツビジネスに関わる様々プロフェッショナルの社会人が教えてくれる、徳島インディゴソックスの社外ビジネスチーム』は、とても相性がいいことがわかりました。その後すぐに、リモートでのインターン生の募集を開始すると、第一期生募集に10人の応募が集まりました。現在は、第一期生の継続者と第二期生を合わせ、20名ほどの学生インターンが活動しています。そのうち19名がリモートインターンとして活動しており、SlackやLINE、Zoomで連絡を取り合っており、対面はほとんどありません。オンラインだからこそ、時間や場所に囚われず、全国様々な場所から参加しています。一番遠い場所で活動するインターンシップ生は、イギリスでした。時差が8時間あっても、距離が遠くても一緒に活動できるのがITツールが発達した現代だからこその魅力です。

インターンシップ生を入れて、加速した社外ビジネスチームですが、勢いそのままに、既存のアイデア、新規のアイデアかかわらず、チーム内で「これ、やろう!」と様々な施策を行ってきました。数ある施策の中でも、印象に残っている施策があります。「ライティングチーム」としてインターンシップに参加している中君(神戸大学1年)は徳島インディゴソックスOBの巨人・増田大輝選手のインタビューを企画し、実際に取材から執筆まで行いました。

読売ジャイアンツ様のご好意もあり、独立球団によるNPB球団への異例のインタビューを実施し大きな反響を呼びました。NPBや他の独立球団、またセカンドキャリアで活躍する選手が多いインディゴソックスの選手たち。チーム在籍時に応援してくれたファンに、球団を離れてもインディゴOBたちの今の活躍、そして当時の感謝の声を届けたい。今後の施策の発展にもつながる大きな一歩でした。中君は取材時はとても緊張しているようでしたが、自ら立案した大きな企画を経て、今や球団公式ブログ(note)運営の中心には彼がいます。

他にも、優勝争いやドラフトに関するSNSやYouTubeでの施策などを中心となって主体的に行える環境が、徳島インディゴソックスのインターンシップにはあり、他ではできない経験を積める場所だと思います。最近では、インディゴソックスの実績を元に、個人として仕事をもらったり、新しいスポーツのプロジェクトに参画しているメンバーもおり、インターンシップ生の成長に負けじと私も頑張っております。また、上記の他にも、「スポーツチームとコミュニティ」の新しい可能性を感じることがありました。そちらについては、また次回ご紹介させていただきます。

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