六代目山口組 抗争終結「最終計画」の全容

六代目山口組、抗争終結「最終計画」か 東京五輪も抗争に影響を与える可能性

記事まとめ

  • 山口組分裂から約5年半、六代目山口組・高山清司若頭の出所を契機に抗争は激化の一途
  • 分裂後に起きた重大な射殺事件で、六代目側の組織の幹部らが実行犯になっているという
  • 「六代目側が一丸となって、分裂を終わらせようとしている」と関西の組織関係者は語る

六代目山口組 抗争終結「最終計画」の全容

六代目山口組 抗争終結「最終計画」の全容

六代目山口組 抗争終結「最終計画」の全容の画像

六代目山口組 抗争終結「最終計画」の全容 (C)週刊実話Web

山口組の分裂から約5年半、六代目山口組(司忍組長)・山清司若頭の出所を契機に抗争は激化の一途をたどったが、神戸山口組(井上邦雄組長)は沈黙を続け、組織存続の姿勢を崩していない。



「発足当初のメンバーも複数が離脱、引退して、現在の神戸山口組直参は16人や。特定抗争指定後は定例会やなく執行部会やブロック会議で連携を図っとるようで、闘い続けるいう方針に変わりはないようやな。膠着状態とはいえ、危険をはらんどる」(ベテラン記者)


3月21日には、政府による4都県への新型コロナウイルスの緊急事態宣言が全面解除され、両山口組の対立にも影響が及ぶのではないかという見方もされた。


「昨年は全国で宣言が出されてから徐々に緩和され、全面解除となった4日後、池田組(池田孝志組長=岡山)の若頭が銃撃されとる。せやから、今回も六代目山口組による攻撃がどこに向けられるんかと、業界内では囁かれとる」(同)


実際、六代目側の一部では、神戸側の現状に関する情報収集が呼び掛けられたという。


「まあ、切り崩しを目的とした内情把握かもしれんが、これまでの武力行使は揺さぶりの一環やったはずで、攻撃する先を探っとる可能性もあるで」(同)


六代目山口組では、3月中旬ごろから各ブロック会議を開催。しかし、別の問題が話し合われたようだ。


「末端組員の犯罪によってトップまで突き上げを喰らう民事での使用者責任問題が、一部で議題に上がったらしい。民事とはいえ、警察の影がチラつく問題で、組織トップの責任が問われるような事態は避けたいはずだ」(他団体幹部)


住吉会(関功会長=東京)系組員らによる特殊詐欺事件の被害者らが損害賠償を求めた訴訟では、関会長らに計605万円の賠償を命じた一審、二審判決を3月12日までに最高裁が支持。特殊詐欺事件で組織トップへの賠償が確定したのは、初めてのことだった。さらに17日までには、稲川会(内堀和也会長=東京)の元会長に対しても、最高裁は同様の使用者責任を認め、約1630万円の損害賠償命令が確定したのだ。


東京五輪も抗争に影響を与える可能性が…

「両組織ともオレオレ詐欺≠ネどの犯罪を禁じ、関わった者への処分も明確にしているが、過去を掘り返されたら堪らない。ブロック会議の議題に上ったということは、六代目山口組も他人事として捉えてはいないのだろう」(同)


ただ、六代目側が最も重要視しているのは分裂終結であり、今後の人員投入≠ェ危惧されるのだ。


「分裂後に起きた名古屋での射殺事件、当時の池田組若頭の射殺、神戸山口組傘下だった五代目山健組(中田浩司組長=兵庫神戸)の傘下組員2人の射殺は、すべて三代目弘道会(竹内照明会長=愛知)からヒットマンが出とる。中核組織やから、戦闘員も多く最前線に立ってきた印象や。それだけやなく、六代目山口組執行部の他の組織からも現役や元組員が実行犯になっとる」(関西の組織関係者)


これまでの重大事件で、六代目側ナンバー3の青山千尋舎弟頭率いる二代目伊豆組(福岡)、森尾卯太男本部長の大同会(鳥取)、安東美樹若頭補佐の二代目竹中組(兵庫姫路)、津田力若頭補佐の四代目倉本組(和歌山)、薄葉政嘉若頭補佐の十一代目平井一家(愛知)それぞれから、最高幹部たちや所属した経歴のある元組員が戦線に立ってきた。


「六代目側が一丸となって、分裂を終わらせようとしとるのが分かるやろ」(同)


7月に開始される東京五輪も、この抗争に影響を与える可能性があるという。


「五輪は国際イベントやから、ヤクザも行動を自粛する傾向にあるが、一時休戦に持ち込まず、開会までのここ数カ月で一気に畳み掛けることもあり得るで。それが、六代目側の最終計画なのかもしれん」(同)


ヤクザ史上最大の抗争・山一抗争では、山口組による武力行使と切り崩しによって終結を迎えた。神戸山口組との抗争においても、多くの血が流れ、組員の移籍が相次いだ。最終計画≠ェ実行に移される時が、迫っているのか――。


最高幹部が警戒区域内に…

一方、組員に暴行を加えたとする傷害罪に問われた六代目山口組直参の植野雄仁・二代目兼一会会長(大阪中央)の論告求刑が3月18日、大阪地裁で行われた。


論告で検察側は、事件当時、植野会長は証拠隠滅事件で逮捕、保釈されて公判中だったとした上で、「被害者のA元組員が失明に至ったのは、顔面を手加減せずに蹴った被告人の一方的な暴力であり、動機に酌量の余地はない」と主張。懲役3年6月を求刑した。


対する弁護側は、最終弁論でA元組員の六代目山口組・極心連合会(解散)傘下組織の跡目継承に異を唱えた最高幹部に対して、A元組員が暴言を吐くなどヤクザの掟に反する行為があったと述べた。それが事件の発端であり、「A元組員を呼んで注意しようとしたが、反抗的な態度だったため犯行に及んだ。意図的に殴ったのではない」と反論。


最後にA元組員との間で示談が成立し、植野会長の減刑を求める嘆願書も提出されていることなどから、執行猶予付きの判決を求めて結審した。判決は3月26日に言い渡される。


法廷闘争の最中にあっても、六代目山口組は外交≠欠かさず、18日に誕生日を迎えた二代目親和会・?良博文会長(香川)へ、祝いの花を贈っていた。昨年は直系組長らが祝いに訪れたが、今年は時節柄、見送られたという。


さらに、21日には恒例の彼岸の墓参も行われ、最高幹部らが山口春吉初代と登二代目、竹中正久四代目が眠る墓所をそれぞれ訪れた。


“裏切り”に対する遺恨の深さ

神戸市内にある初代と二代目の墓所は、特定抗争指定による警戒区域内に位置するため、組員5人以上が集まることが禁じられており、津田若頭補佐と慶弔委員の鈴川驗二・六代目早野会会長(大阪平野)が姿を現した。二代目時代の大幹部らの墓所にも手を合わせ、静かに冥福を祈った。


竹中四代目の墓所も警戒区域に指定された姫路市内にあり、安東若頭補佐と若中の山田一・三代目杉本組組長(岡山)が墓参。兵庫県警の捜査員ら約10人が警戒する中、安東若頭補佐が長く手を合わせる姿が印象的だった。


また、同日深夜には訃報があり、英組・英五郎初代の死去が各関係先に伝えられた。英初代は竹中四代目体制で直参となり、渡辺芳則五代目時代には若頭補佐を務めた。その後、司六代目体制で舎弟に直り、平成25年10月に引退。


ところが、平成28年の3月20日付で英初代を含めた5人の元直系組長に、六代目山口組から絶縁が通達された。円満退社≠オた元直系組長への処分は異例のことだった。


「神戸山口組が発足したのちに、藤田恭道組長が二代目英組(大阪西淀川)を名乗って参画したんや。他の元直参への処分も、後継組織が神戸側に加入したことが理由やったとみられたで」(地元記者)


死去の翌日、大阪市内で家族葬が営まれたという。


山口組の分裂は、抗争によって複数の死者が出るにとどまらず、裏切り≠ノ対する遺恨の深さも表面化した問題といえる。



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